今晩は底堅い展開か。
昨日はダウ平均が234.44ドル安(-0.53%)と6営業日続落し、S&P500とナスダック総合もそれぞれ0.54%安、0.66%安とともに反落した。予想を上回る伸びとなった米11月生産者物価指数(PPI)を受けて米10年債利回りが11月22日以来となる4.334%に上昇したことや、弱いガイダンスが嫌気されたアドビが13%超下落したことが重しとなった。
週初来ではダウ平均が1.63%安と2週続落ペース、S&P500が0.64%安と4週ぶりの反落ペースとなった一方、ナスダック総合は0.22%高と小幅に4週続伸ペースとなった。引け後の動きではAI半導体の好調や強いガイダンスが好感されたブロードコムが時間外で14%超上昇した。
今晩はハイテク株を中心に底堅い展開か。今週注目された11月CPIと11月PPIの発表を終え、PPIが予想を上回る強い結果となったものの、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ期待は継続した。CMEのフェドウォッチ・ツールの0.25%の利下げ確率は97%と、前日の99%からわずかな低下にとどまった。週末の取引となるものの、ブロードコムの大幅高が見込まれることや、来週のFOMCでの利下げ見通しを背景にハイテク株を中心に底堅い展開が期待できそうだ。
今晩の米経済指標・イベントは11月輸入物価など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:12月13日、14:00)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
●米国は 景気見通しが改善し 上昇しました
●米国は、景気見通しが改善し、上昇しました。欧州やアジアは、長期金利が下げ渋ったことや景気の先行きに対する懸念から軟調な展開となりました。日本は、長期金利の上昇に加え、毎月分配型と推測される投資信託からの売りが続いているという需給要因もあり、下落しました。
●中国は、不動産市場の低迷に加え、海外企業の投資減少や若年層の雇用悪化などから個人消費も力強さを欠き需要不足が続くことから、景気が徐々に減速するとみられます。ただし、金融緩和や政府の住宅対策、財政拡張により急激な減速は避けられる見通しです。
●米国リート市場はFRBによる利下げ継続や景気の回復を背景に上昇基調を予想します。欧州はECBの追加利下げに伴う回復を予想します。アジア・オセアニアは景気の回復や金利の落ち着きが見込まれることから緩やかな上昇を予想します。日本はオフィス賃料の改善を背景に持ち直す見通しです。
●日本は、足元の回復ペースは力強さを欠くものの、賃金の上昇、経済対策(減税やエネルギー関連の給付金の継続)、堅調なインバウンド消費、底堅い米景気を背景に持ち直し、緩やかな成長軌道を辿る見通しです。
●グローバルリート市場(米ドルベース)は、米国の景気見通しが改善したことや米国株式が上昇したため、米国主導で上昇しました。また、トランプ氏が大統領選に勝利した直後、長期金利は上昇しましたが、後半には落ち着き、リート市場は堅調に推移しました。S&Pグローバルリート指数のリターンは前月末比+2.6%となりました。一方、円ベースのリターンは、円高がマイナスに寄与し、同+1.2%となりました。
●米国では、上下院ともに共和党が過半数を確保したため、トランプ次期大統領は予算を使った経済刺激策の実行の可能性が高まりました。選挙公約の減税が容易となったことから、弊社の25年成長率見通しを引き上げました。物価上昇が大統領選挙時の争点であったことから、関税引き上げなどの政策の実行には物価の急上昇を避けるような一定の配慮がなされると予想します。
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