【最新号】
オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック
・12月12日発表の豪11月雇用統計は、雇用者数が3.56万人の増加と市場予想(2.50万人増)を下回った。失業率は3.9%で予想(4.2%)に反して前月から低下。労働参加率は市場予想や前月(67.1%)を下回る67.0%だった。
・NY原油先物市場は反落。終値は前営業日比-0.27ドルの1バレル=70.02ドル(12月12日)。
・12月10日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。声明からは「政策は十分に抑制的である必要がある」などの文言が削除されていた。
・12月2日に発表された豪10月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。
・11月27日に発表された豪10月消費物価指数(CPI)は前年比+2.1%(予想:+2.3%、前月:+2.1%)だった。また、CPIトリム平均は+3.5%で前月(+3.2%)から伸びが加速した。10月30日に発表された豪7-9月期CPIは前年比+2.8%(予想:+2.9%、前四半期:+3.8%)で予想以上の鈍化だった。
今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ
RBAの追加利下げ確率は半々に 円と資源価格に注目
昨日発表された豪11月雇用統計は雇用者数が3.56万人増と市場予想(2.5万人増)を上回ったほか、失業率は3.9%と市場予想(4.2%)を大きく下回り、8カ月ぶりに4%を割った。10日のRBA理事会でRBAがハト派的に傾いていたことで、次回のRBA理事会(2月18日)での利下げ織り込みは約67%まで上昇していたが、強い豪11月雇用統計の結果を受けて約51%まで低下した。
本日は豪ドル相場に直接的に影響を与えそうな経済指標の発表は予定されていない。そのため、豪ドルは日本や米国などの株価指数の動向を眺めた動きとなりそうだ。また、昨日は原油や金といった資源価格の下落が豪ドルをはじめとした資源国通貨にとってマイナス材料として働いたため、資源価格の動向にも注意したい。
他方で、本日は10-12月期日銀短観が発表される。この2日間、日銀が「来週の日銀金融政策決定会合での追加利上げを見送る」との観測報道を受けて、円売りが優勢となっているが、日銀短観の結果が強いものとなれば、来週の追加利上げを促す形で円が買われる可能性もある。その場合、豪ドル/円は資源価格動向よりも円買いの動きに追随することになりそうだ。
豪ドル/円 最新チャート分析
今後の注目経済指標・イベント
08:50 日10-12月期日銀短観
「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに曇り空に雨がぱらつく。6時に豪ドル/円のストキャスティクスでシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
豪ドル/円は 7月11日に高値更新してから大きく反落
さらに、今年の最終営業日となる30日は、陽線の出現確率がユーロ/米ドル、英ポンド/米ドル、ニュージーランドドル/米ドルで81%、豪ドル/米ドルで71%と高く、米ドル/カナダドルは19%、米ドル/スイスフランは14%と低いので、ここにも「米ドル安」のアノマリーがあります。
また、26日も豪ドル/米ドルとニュージーランドドル/米ドルの陽線の出現確率が90%と高く、米ドル/カナダドルは29%と低いので、「米ドル安」の傾向が確認できます。
2022年後半以降、主要通貨に対する米ドル安が進行する裏側で、豪ドル相場が見直され始めています(図1)。
また、27日も陽線の出現確率がユーロ/円で92%、スイスフラン/円で96%とかなり高く、英ポンド/円は78%、豪ドル/円は73%、ニュージーランドドル/円は77%と、主要な通貨ペアの多くで陽線の出現確率が高い「円安」のアノマリーが確認できます。
第四に、豪州の貿易黒字の拡大が実需面から豪ドル相場を下支えすることが期待されます。
最後に、2024年に向けた豪ドル相場の展望について考えてみましょう。2024年には世界的に一段のインフレ鈍化が進むと見込まれ、米国や豪州など主要国で利下げが広がる可能性が高いとみられます。
特に豪ドルへの通貨分散を進める上では、次に挙げる4つの点が豪ドル相場のファンダメンタルズの安定を支える要因として注目されます。
過去の豪州の利下げ局面の経験では、世界的な金融緩和によって投資家がリスク選好を強める環境(リスクオン相場)は豪ドル・円相場の追い風となる傾向がみられました(図11)。当面のところは米国の金融・財政リスクの行方を引き続き注視する必要があるものの、2024年に向けては主要国の金融緩和への転換などをきっかけに投資家のリスク選好度が改善に向かうかに注目が集まりそうです。
豪ドル/円は、7月11日に高値更新してから大きく反落。値幅も拡大した形で日足における典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。同サインが影響し先週の大幅続落がもたらされたことから、円安トレンドの終わりを示唆しているのではないか。
かつては高金利通貨の代名詞としてFX取引でも人気の通貨であった。2018年8月時点での政策金利は1.50%と、米国よりも低く、長期金利などでも米国の水準を下回っている。もっとも、日本や欧州に比べると金利が取れる分、ある程度金利を意識した取引も残っている。また、世界有数の資源国として、天然資源の国際市場での動向が相場に影響を与える資源国通貨としての一面も持っている。輸出のトップ10はすべて天然資源が占めており、資源価格動向が豪経済に与える影響が大きい。 鉄鋼・石炭などが主な輸出品で、輸出先のトップは中国。そのため、自国の経済指標だけでなく、中国の鉱工業生産や小売売上高など、中国の経済指標で豪ドルが動くこともある。
コメント