執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2024年12月13日 12時40分
ユーロとポンドの力関係変わらず
ユーロ/円、ポンド/円じり高も上値限定
ユーロ/円、ポンド/円は、中国の金融緩和姿勢や日銀の利上げ見送り観測から円安が進行したことに支えられて、ユーロ/円は160.672円、ポンド/円は194.991円までレンジ上限を広げました。もっとも、米ドル高の影響でユーロ/米ドルやポンド/米ドルがさえない展開になったため、ユーロ/円やポンド/円も上昇幅は限定されました。ECB理事会については、0.25%の利下げを決定し、「政策金利を十分に景気抑制的な水準に維持する」との文言が削除され、先行きの利下げ継続が示されました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
FX実践解説、指標後の振幅相場「次なる展開予測方法」(2024年12月12日)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
ユーロは対ポンドで更なる下落も
来週は各種PMIや英国では金融政策委員会が開催され、ユーロやポンドが動意付く可能性はあります。欧州の景況感悪化が進めば米国との景気認識の差が広がり、ユーロやポンドには下押し圧力がかかりやすくなると思われます。さらに、ユーロとポンドの間では、恐らくECBが中立金利と見ている2%付近まで利下げを継続すると考えられる一方、英中銀はインフレの高止まりから利下げペース加速が見込まれづらいため、ユーロとポンドの比較ではポンドに分があり、ユーロ/ポンドが長期のサポートラインとなる0.8100ポンド付近まで、ユーロ安・ポンド高が進んでいるのも頷けます。このラインを一気に割れてユーロ安・ポンド高が加速するかは微妙ですが、ユーロ安への警戒心はなくなりづらそうです。ユーロ/円は円の弱さから下値はサポートされると見られますが、ユーロ安目線で上値も限定されそうです。かたやポンド/円は、英中銀の段階的な利下げサイクルを改めて確認して、底堅さが増すのではないかと考えています。
ユーロ/円、ポンド/円は明暗が分かれそう(テクニカル分析)
ユーロ/円は日足一目均衡表・雲下限に頭を抑えられて上方向の重さが感じられる状態です。仮にここを抜けても、雲の中で上昇に勢いが緩むと見られ、地合いの改善には骨が折れそうです。雲下限を上回って値固め出来れば上方向も期待できますが、それでも下降レジスタンスラインが推移する162.50円付近までが良いところではないでしょうか。
また、ポンド/円は重要ポイントである200日線手前まで戻しています。ここを抜けられれば日足一目・雲も超えられる機運も強まります。この場合、198円付近までレンジ上限を広げる期待はあります。ただ、200日線突破に時間がかかるなら、一旦は191円付近まで調整して値固めする必要があるかもしれません。
【ユーロ/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:EUR/JPY:157.000-163.000
【ポンド/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:GBP/JPY:191.000-198.000
12/16 週のイベント:
一言コメント
一段と寒くなりましたね。テレビのニュースも大雪の話題が目立ち始めていますが、来週は晴れ間が多くなりそうですので、少し安堵しています。
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