韓国政局混乱 ウォン2年ぶり安値
13日、韓国・YTNによると、尹錫悦大統領の弾劾を求める集会が行われている現場で、参加者のために心温まるプレゼントが用意されていた。写真は韓国のデモ。
3日の米金融市場で韓国の通貨ウォンや韓国関連株が急落した。尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領による「非常戒厳」宣言への警戒で、対ドルで一時1ドル=1440ウォン台と2022年10月以来およそ2年ぶりのウォン安・ドル高水準をつけた。その後非常戒厳の解除方針を発表し、ウォンは上昇したが投資家の警戒感は解けていない。4日の韓国株相場は売り優勢で主要指数は一時2%下げた。
来年の日韓国交正常化60周年に合わせ、首相は尹氏を国賓として招く案を水面下で検討していた。韓国大統領として約20年ぶりとなる国賓訪日を通じて関係強化を内外に印象づける考えだったが、実現は困難な情勢となった。
日中の終値となる午後3時半時点で1ドル=1400ウォン台になったのは2022年11月7日以来、約2年ぶり。外国為替市場は今年7月に翌日午前2時までの夜間取引を開始した。
韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言し、外国為替市場で同国の通貨ウォンが急落した。3日の取引で一時1ドル=1440ウォン近辺と2022年10月以来、約2年ぶりのウォン安ドル高水準を付けた。4日のソウルの総合株価指数(KOSPI)も下げて始まった。
弾劾訴追案の可決に先立つ14日夕、石破首相は訪問先の福島県で記者団に「他国の内政にコメントは控える」としつつ、「日韓関係の重要性は何ら変わらない。(韓国情勢は)全く見通せないが、引き続き緊密に意思疎通しなければならない」と強調した。
韓国の 尹錫悦(ユンソンニョル) 大統領が 弾劾(だんがい) 訴追で職務停止に追い込まれたことで、日本は外交戦略の練り直しを迫られそうだ。尹氏と共に進めてきた日韓関係改善の流れが止まれば、トランプ次期米政権下での日米韓協力や、日中韓の枠組みを通じた中国との対話も停滞しかねない。ロシアの後ろ盾を得た北朝鮮が政治空白に乗じて挑発を強める恐れもある。
【ソウル聯合ニュース】12日の外国為替市場で韓国の通貨ウォンが対ドルで下落し、午後3時半時点のレートは前日より8.8ウォン安の1ドル=1403.50ウォンとなった。
今回の戒厳令宣布を機に韓国軍も混乱に陥っているとされ、北朝鮮が即応態勢の乱れを突いて大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などに踏み切る恐れも指摘されている。
2024年12月13日、韓国・YTNによると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を求める集会が行われている現場で、参加者のために心温まるプレゼントが用意されていた。
米大統領選でトランプ氏が再選を決めて以来、ウォン安・ドル高傾向が鮮明になっている。
尹氏が 罷免(ひめん) された場合、日本との関係強化に否定的な左派政権が誕生する可能性があり、政府は外交・安全保障政策の揺り戻しを警戒する。当面懸念されるのが対中戦略への影響だ。米国を軸とする日米韓の枠組みでは、北朝鮮だけでなく対中国を念頭に安全保障協力を深めてきた。来年1月に米大統領に就任するトランプ氏は多国間協力に消極的で、米軍駐留経費を巡り同盟国への圧力もちらつかせる。中谷防衛相は14日、沖縄県名護市で「地域の安全保障環境が厳しさを増す中、日韓、日米韓の連携がますます重要だ」と語ったが、韓国の政治情勢次第では日米韓の結束が正念場を迎えることになる。
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