欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は底堅い値動きか、米政策方針にらみドル買い継続」
16日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策スタンスをにらみ、ドル買いは継続の見通し。一方、日本銀行による年内の追加利上げ期待は後退し、円売り地合いとなりそうだ。
材料難のなか足元で米国のインフレ再加速を裏づけた消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が改めて材料視され、前週末は前週末は金利高・ドル高の展開に。ユーロ・ドルは1.0520ドル台から1.0480ドル台に軟化、ドル・円は153円80銭付近に浮上した。週明けアジア市場で米金利高が続き、ドル買い先行。一方、日銀の年内追加利上げ期待の後退で円売りに振れ、ドル・円は一時154円に接近している。この後の海外市場は日米金融政策がテーマ。米経済指標はNY連銀製造業景気指数とサービス業PMIは前回から悪化が見込まれ、連邦準備制度理事会(FRB)の緩和方針を後押し。ただ、明日からのFOMCで追加利下げが織り込まれたが、来年以降にハト派方針は後退の可能性が浮上し、ドルは売りづらい。一方、日銀金融政策決定会合で利上げ期待は根強いものの、年内は政策維持の見方から円売りがドルをサポートするとみる。
通貨別分析
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円相場は 対ドル 対ユーロで下落しました
円相場は、対ドル、対ユーロで下落しました。トランプ次期大統領の掲げる拡張的な財政政策を嫌気して米国の長期金利が大幅に上昇したことで、日本との金利差が拡大し、低金利通貨の円は下落して11月を終えました。月初は対ドルで104円台から始まりましたが、8日の米大統領選挙でトランプ氏が勝利してからは、ドル高の流れが一挙に加速しました。円相場は、対ドルでは114円半ばで取引を終了し、5月以来の安値水準となりました。一方、ユーロは、119円台前半までユーロ高が進みました。
11月のリート市場は中旬にかけて調整色を強めましたが、その後は値を戻す展開となりました。上旬は、米大統領選挙後に長期金利が世界的に上昇し、リートと国債の利回り格差の縮小が嫌気されリートは調整しました。中旬は、17日にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で12月利上げの可能性を示唆したことから長期金利が上昇し、リート市場は軟調となりました。下旬は、トランプ次期大統領の経済対策に対する期待などから株式市場が堅調に推移し、10月の中古住宅販売件数が2007年2月以来の高水準となるなど、経済指標にも明るさが見えたことなどからリート市場は値を戻す展開となりました。S&Pグローバルリートインデックスの変動率は米ドルベースで▲6.2%、日本円ベースで▲2.7%でした。
ドル円相場については、トランプ次期大統領の政策に対する期待が強く、日米長期金利差の拡大が見込まれることから、米ドル高・円安へと向かいやすい環境が当面続くと考えられます。ユーロ円相場については、低インフレを背景に、ECBが12月理事会で量的緩和を延長する可能性が高いため、ユーロは当面軟調な展開が見込まれます。また、英国のEU離脱選択に伴う不透明感から、英ポンドは当面下落圧力を受けやすい地合いが引き続き予想されます。
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