主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年12月16日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼13日(金)の為替相場
(1):日銀短観 反応は一時的
(2):英GDP予想に反して減少
(3):3日連続の日銀観測報道
(4):フランス格下げ
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:下値は堅いと見られる/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
13日(金)の為替相場
期間:13日(金)午前7時10分~14日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日銀短観 反応は一時的
日銀は12月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表。大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は14と市場予想(13)を上回り、2022年3月以来の水準に上昇した。大企業・非製造業DIは33と予想通りで、前回(34)からわずかに低下したが高水準を維持した。ドル/円が152.45円前後まで下落する場面もあったが、日銀の利上げ先送り観測が広がる中で円買いはごく一時的だった。
(2):英GDP予想に反して減少
英10月国内総生産(GDP)は前月比-0.1%と予想(+0.1%)に反して減少。同鉱工業生産も前月比-0.6%と予想外の落ち込みとなった(予想+0.3%)。同貿易収支は189.69億ポンドの赤字で、赤字額は市場予想(160.00億ポンド)より大きかった。これらを受けてポンド売りが強まると、ポンド/円は一時193円台を割り込んで下落した。
(3):3日連続の日銀観測報道
共同通信は「日銀、12月の利上げ見送り検討」と報道。トランプ次期米大統領による追加関税などを巡り、米経済の先行きに不透明感が高まっている上、25年春闘の賃上げ動向も確認したい考えで、利上げを急ぐ必要はないとの判断に傾きつつあると伝えた。前々日のブルームバーグ、前日のロイターに続く日銀利上げ見送りの観測報道に対し、市場はあらためて円売りで反応した。
(4):フランス格下げ
13日の取引終了後(日本時間14日午前)、大手格付け会社ムーディーズは財政悪化懸念を理由にフランスの格付けを「Aa3」に一段階引き下げた。フランスでは財政赤字削減を巡る対立で政局が混迷。この日は過去1年で4人目の首相にバイル氏が就任したが、今後も難しい政権運営が続く見通しに変化はない。
13日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:下値は堅いと見られる
13日のドル/円はおよそ半月ぶりに153円台後半へと上昇。日銀が年内の利上げを見送るとの観測報道が3日連続で伝わり、引き続き円売り材料となった。一方、来年は米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げペースが鈍るとの見方から米長期金利が上昇する中でドルが買われたことから、NYタイムには一時11月26日以来の高値となる153.80円前後まで上伸した。こうした日米の金融政策を巡る思惑を背景に、ドル/円は本日も堅調地合いを維持しそうだ。もっとも、市場は今週19日に日銀が利上げを見送る可能性をすでに85%程度織り込んだ(オーバーナイト・インデックス・スワップ=OISの利上げ織り込みは15%前後)。FOMCについては、18日の25bp(0.25%ポイント)利下げは確実な情勢だが、米金利先物が織り込む来年の利下げはすでに2回(合計50bp)へと低下している。これらは、目先的にドル/円の上値余地が大きくないことを示していよう。日米の金融政策発表を前に155円に到達するのは難しそうだ。とはいえ、それ以上に下値は堅いと見られ、仮に日米の金融政策発表を控えて調整が入ったとしても、152.70円付近を通る日足一目均衡表の基準線や、152.10円前後に位置する200日移動平均線が強い下値支持になるだろう。
注目の経済指標:欧英米PMI
注目のイベント:ECB総裁発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
マンガでFXを楽しく解説しています
初めてFXを取引する初心者の方に、FXはどのように取引するのか? FXのリスクなどFXの基礎についてわかりやすく解説します。
注文の際に必要となる証拠金は、DMM FXでは各通貨ペアとも取引の額に対して、個人アカウント、法人アカウントとも最低4%以上の証拠金が必要となります。なお、法人アカウントの場合は、金融先物取引業協会が算出した通貨ペアごとの為替リスク想定比率を取引の額に乗じて得た額と、取引の額に4%を乗じて得た額のどちらか高い額以上の証拠金が必要となります。為替リスク想定比率とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第27項第1号に規定される定量的計算モデルを用い算出します。
マンガでFXを楽しく解説しています。
一般社団法人金融先物取引業協会において、無登録業者等からの悪質な投資勧誘による被害防止のための啓発動画が協会ホームページで公開されました。FX取引を行う場合は、金融商品取引業の登録の有無をご確認くださいますようお願いいたします。
コメント