午前の為替予想は… FOMCはタカ派的利下げだった 市場の注目は植田総裁の発言に移る
作成日時 :2024年12月19日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 研究員 中村勉
ドル円予想レンジ
153.800-156.300円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.9%上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を市場予想通り25bp(0.25%ポイント)引き下げた。一方で、同時に発表された経済予測の政策金利見通し(ドットチャート)では2025年末のFF金利水準が3.875%と前回(9月時点)の3.375%から上方修正された。市場はこれを「タカ派的利下げ」と受け止めて米長期金利が上昇しドルが急速に買われると、ドル/円は154.85円前後まで上値を伸ばした。なおドルの相対的な価値を示すドルインデックスは約2年ぶりの水準へと上昇している。
本日は日銀金融政策決定会合が開催される。政策金利は0.25%に据え置かれる見通しで、市場の注目は植田総裁の定例記者会見での発言に向いている。植田総裁は先月末のインタビューで、追加利上げ時期が近付いているとの認識を示した一方で、2025年の春闘交渉やトランプ次期米政権の経済政策を注視する考えを示し慎重な姿勢もにじませた。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では現時点で1月の追加利上げが54.8%織り込まれていることから、植田総裁の発言内容次第でこの織り込みが大きく変化し、ドル/円は上下ともに大きく動くことも考えられる。
今朝 最新のドル/円チャート
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
ドル円午前の為替予想 FOMCはタカ派的利下げだった 市場の注目は植田総裁の発言に移る
ドル円は、19日早朝に154.85円へ急伸して12月3日安値148.64円以降の高値を更新した。
この為、市場の焦点は来年1月の利上げに関する布石が打たれるか否かに移っています。トランプ次期政権の影響や日本の春闘の影響を見極めたいというトーンの話が植田日銀総裁より出てくる場合には、日銀による利上げが当面実施されないとの思惑から、円金利低下→円キャリートレード再開の経路でドル円に強い上昇圧力が加わるリスクが想定されます。一方、今夏のようにサプライズ的に利上げに踏み切る場合には、一転して株安・円高が進行するリスクも想定されます。
東京市場はドルが弱含み。本邦要人からの口先介入もあり、円の買い戻しが優勢だった。
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日米中銀会合を前に様子見姿勢が強まり、153円台半ばでのもみ合いとなった。
FRBは17〜18日に米連邦公開市場委員会(...
こうした中、本日はアジア時間昼頃に予定されている日銀金融政策決定会合に注目が集まります。先週来、米ブルームバーグによる「日銀は今月利上げ見送りでも物価加速リスクは大きくないと認識」「円安の物価押し上げリスクは相対的に薄れていると判断」との報道や、ロイターによる「日銀内で追加利上げを急ぐ必要はないとの認識が広がっている」「海外経済や賃上げ動向をもう少し見極めた上で利上げしても問題ないとの声がある」との報道、共同通信による「日銀が利上げ見送りを検討」との報道など、ハト派リークが複数見られているため、本日の会合では利上げ見送りが市場コンセンサスとなっております。
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