リニア工事原因で湧き水 JR東海

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リニア工事原因で湧き水 JR東海
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リニア工事原因で湧き水 JR東海

私は数年前から山梨県笛吹市のリニア実験線周辺を何度も歩いています。

各地でバラ色の妄想が一人歩きしている感がありますが、果たしてリニア計画は、それほどよいものでしょうか。少しだけ冷静になって考えてみたいと思います。

産業技術総合研究所首席評価役の阿部修二氏が、JRの公表数値などをもとにリニア走行の消費電力量などを予測しています。乗客1人当たりの消費電力量は、既存の新幹線と同じ時速300キロメートルで走ると約2倍、最高時速とされる506キロメートルで走行した場合は300キロメートルで走る新幹線の三・五倍となる試算を示し、リニアのエネルギー効率の悪さを指摘しています。

リニア本線では、前述したように、全長286キロメートル経路の約8割が地下トンネルになります。それに加え、ルート上に直径40メートルの巨大な立坑が5〜10キロメートルおきにつくられます。つまり、東京ー名古屋の地下深くつらぬく横穴と、そこに向かって地上から伸びる無数の縦穴があくことになります。

リニア計画にはほかにも疑問点が残ります。

鹿児島県内を通る北薩横断道路「北薩トンネル」で2024年7月下旬に発生した土砂の流入事故を受け、JR東海はリニア中央新幹線「日吉トンネル」で進めている湧水対策工事について工法の見直しを含め内容を再検討すると発表した。この工事は、北薩トンネルで実施された湧水対策工事を参考にしており、同様の事故が起こる恐れがあると判断した。

笛吹市で読んだ「議会たより」には、「富士山世界遺産登録とリニア開通で笛吹市が桃源郷になる」という意味のことが書かれていました。しかし、桃源郷とは本来、主体的に探して見つけたり、到達したりするものではなく、すでに手のなかにあるもの、とされています。

一方、JR東海は洪水時など湧水を全量戻すとかえって問題になる場合を想定して、「原則として」という文言を入れたとしている。

高度経済成長の残滓であるリニアも巨大なストローです。計画から40年が経過し、社会が大きな変化を迎えているにもかかわらず、相変わらず成長の夢を追いかける単純なプロジェクトです。

そもそもリニア中央新幹線とは、時速約500キロで品川、名古屋、大阪を一直線で結ぶものです。走行方式は「超伝導磁気浮上方式」。リニアモーターをマイナス269度まで冷やし、そこに電流を流して超伝導状態にし、側壁の磁石との間に生じる強い磁気により、車体を浮かせて走行します。

そのほか電磁石の影響の問題も未知数です。リニアに乗るときには、クレジットカードなどは磁気の影響を受けないように、特殊なケースに預けることになっています。

2つ目は電力です。リニアの消費電力は現在の新幹線の3倍といわれています。ここで問題となるのは強い磁界をつくり出すために超伝導磁石を使うことで、全長約四百四十キロの路線全体に常伝導の推進コイル(電磁石)を敷設するなどで、膨大な電力を必要とします。乗超伝導磁石の冷却にも大きな電力が必要です。

毎秒2.03トンという水は、下流域の島田、掛川など7市約63万人の水利権量とほぼ同じです。該当する地域の自治体は懸念を示し、JRに対し、保全措置を尽くしても減水となる場合は、代替水源を確保し、利水団体と継続的に協議することなどを求める要望書を提出しました。

JRが大井川水系源流部の七地点で工事後の河川流量を試算したところ、赤石発電所木賊取水せき上流で毎秒2.03トン減るという結果が出ました。毎秒2.03トンは同地点の平均流量(11.9トン)の約17%に相当します。

リニアを開業しても既存の新幹線から乗客がシフトするだけだからです。さらに格安航空会社との顧客の奪い合いも予想されます。そうなると不採算路線になる可能性もあります。JR東海は今のところ品川—名古屋間の運賃を東海道新幹線「のぞみ」の運賃に700円程度上乗せすることを想定しています。大阪まで全面開業した際も、上乗せは全線で1000円程度にとどまる見込みとしていますが、不採算であれば、運賃体系を見直さざるをえないでしょう。

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