午前の為替予想は… クリスマスを控え動意薄 米経済指標に予想外の反応を示すことも
作成日時 :2024年12月23日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 研究員 中村 勉
ドル円予想レンジ
155.800-157.300円
前日の振り返りとドル円予想
20日のドル/円は終値ベースでは約0.6%下落。東京時間には約5カ月ぶりとなる157.93円前後まで上値を伸ばした。ただ日本の政府高官による円安けん制発言が相次いだこと、米11月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が予想を下回ったことなどから、その後一時156円台を割り込んだ。
今週は25日(水)にクリスマスを控え、明日24日のNY市場は株式・債券市場が短縮取引となるなど、特に海外時間には市場参加者が通常よりも少なく、ドル/円は動意の薄い展開が予想される。ただし本日発表される、米11月新築住宅販売件数や米12月消費者信頼感指数などの経済指標には注意が必要だろう。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しに大きな影響を与えるほどの経済指標ではないが、市場参加者が少ないだけに指標結果に対してドル/円が普段以上に大きく反応する可能性もある。
今朝 最新のドル/円チャート
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 クリスマスを控え動意薄 米経済指標に予想外の反応を示すことも
これは外為市場が非常に効率的にできており、業者や取引方法によってドルの価格が違う場合には、すぐにだれかが安い方で買って高い方で売るからです。このような取引を「裁定(さいてい)取引」といい、こうした取引によって、通貨は市場全体でほぼ同じ価格になります。つまり、「一物一価」がほぼ成立しているのです。
ドル円相場(USD/JPY)は30日の東京市場で一時、1ドル=144.65円をつけた。前日のニューヨーク市場では145.55円をつける場面もあったが、改めて円高方向に動いている形だ。ドル円相場は7月3日の161.99円から8月5日の141.66円まで1か月で20円もの円高急進をみせたが、その後も円安方向への大きな揺れ戻しは起きていない。
国や地域によって流通するお金の種類は異なります。例えば日本では円、米国ではドルが使われています。欧州では多くの国がユーロという共通の通貨を使っています。これらの通貨は限られた国や地域でしか使えません。国を越えてお金をやりとりするときは、通貨を交換しなければならないのです。
ただ、私たちが銀行に行っても新聞などで報じられるレートで両替してもらえるわけではありません。ニュースで目にする相場は、銀行などの金融機関同士が通貨を売り買いする「インターバンク市場」での値段だからです。個人が銀行でドルを買うと、手数料などを上乗せされるので、少し割高になります。普通の商品でも業者が売り買いする卸売価格に比べ、私たちが店で買う時の小売価格は高くなります。通貨の場合もこれと同じで、新聞に載っている相場は、いわば「卸値」にあたるのです。
一般に円相場と言えば、円とドルの交換比率を指します。これは米国が日本にとって重要な貿易相手であるというだけでなく、ドルが世界で最も広く使われる「基軸通貨」だからです。例えば、日本企業が中国など米国以外の企業と取引するときも、ドルでお金をやり取り(決済)することが珍しくありません。
29日のドル円相場が145円台まで円安に振れたのは米国経済の堅調さが示されたためだ。商務省が発表した2024年4-6月期GDPの改定値は実質成長率が前期比年率3.0%とされ、速報値の2.8%から上方修正された。個人消費が上振れたことなどが要因で、米国経済の強さを示している。また、同時に発表された4-6月期のPCE物価指数は食品とエネルギーを除いたコア指数で前期比年率2.8%となり、速報値の2.9%から下方修正され、経済の強さと物価上昇圧力の弱まりが両立された形だ。
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こうした金融緩和をすると、通常なら円の供給が増えるので円安要因になります。同様に、米国の中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)がドルの供給を増やせば、一般にドルは安く(円高に)なります。
その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。
今後の金融市場では、ドル円相場の見通しを大きく左右する重要イベントが相次ぐ。FRBの11月6、7日のFOMCまでの間には、米国の2024年7-9月期GDP速報値、9月個人消費支出(PCE)物価指数、10月雇用統計の発表に加え、日本銀行の金融政策決定会合や、日本の衆議院選挙、米国大統領選といった重要イベントも控えている。ドル円相場の動きが激しくなれば、日本政府の為替介入を呼び込むとの予想も成り立ち、当面は神経質な値動きになる可能性がありそうだ。
投資も相場を動かします。生命保険会社などの「機関投資家」は、私たちから預かったお金を運用して増やすために、国境を越えて株式や債券を売買します。例えば日本の景気の先行きが思わしくなく、株価が下がると見れば、日本企業の株を売って欧米企業の株を買うかもしれません。このとき、貿易でモノが売り買いされるのと同じで、ドルを手に入れるために円を売ることになり、円安の要因になります。
このため輸出が輸入を上回り、日本の貿易黒字が増える局面では円の需要は増え、逆にドルは売られて供給が増えます。相場は円高・ドル安に動きやすくなるのです。
どのような取引をするのか、ドルを例にとって説明しましょう。ドルを買いたいA銀行のディーラーは、電話などでB銀行に値段を打診します。
こうした中、日米の長期金利差は19日以降、3%ポイントを割り込む状態が続く。日本銀行の植田和男総裁は23日の国会答弁で利上げを見据える姿勢を崩さず、日本の長期金利は0.9%台まで再浮上してきた。ドル円相場でFRBの利下げと日銀の利上げが材料視されていることが円高要因である金利差縮小につながっているようだ。
実は、円相場が変動する仕組みもこれと同じです。円の需要が増えれば円高に、減れば円安になるのです。逆にドルの需要が増えれば円安(ドル高)、減れば円高(ドル安)です。
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