南アフリカランド 月間為替予想「堅調だった南アランド、下落の背景。投資家のセンチメントに変化が?」FXレポート 2025年1月

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南アフリカランド 月間為替予想「堅調だった南アランド、下落の背景。投資家のセンチメントに変化が?」FXレポート 2025年1月
 

南アフリカランド相場見通し

南アフリカランドは12月のドル高局面で大きく下落

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと基本的に連動性が高い(第1図)。


第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート(資料)Bloomberg

ドルは11月5日の米大統領選におけるトランプ氏の当選を挟んでトランプラリーによる上昇が続いて来た。この間、11月22日に米次期政権の財務長官候補として、ヘッジファンド経営者のスコット・ベッセント氏が指名されると、金融市場を熟知した同氏が第二次トランプ政権の過激な政策の抑え役になるとの期待などから、ドル高が一服する場面もあった。しかし、その後も米インフレ指標の高止まり傾向などが確認されると、FRBによる利下げ見通しの後退から12月上旬よりドルは再び反発に転じた。実際に12月FOMCで、2025年の利下げ見通しが9月時点の0.25%×4回から2回に修正されると、ドル高がさらに支援される流れとなっている。

南アフリカランドの見通し

ランドは5月の南アフリカでの総選挙を機に誕生した統一政府(GNU)による改革進展期待が支援材料となり、年初来でみれば相対的に底堅く推移しているが、高金利通貨でボラタイルに変動し易い側面もあり、12月FOMCを挟んだドル高局面では、限界的ながら主要な通貨の中で最も大きく下落した。シカゴIMMにおける投機筋によるランドのネット・ロングポジション(12/17時点)も大きく減少しており、統一政府発足以来改善して来た投資家のランドに対するセンチメントが変化し始めている可能性もある(第2図)。


第2図:IMM投機筋の南アランド・ネットポジション(資料)Bloomberg

国営電力会社エスコムによる大規模計画停電の見送りは続いており、統一政府による改革期待も概ね維持されている中、インフレ率の沈静化傾向も手伝って南アフリカ経済の緩やかな拡大は続いている。

足元のランドの下落は外部要因によるところが大きそうだ。こうした点からも、当面ランドの行方をみる上では、引き続き第二次トランプ政権による様々な政策の方針転換が、世界の政治・経済情勢、そして金融市場のセンチメントにどのような影響を与えるかが焦点となろう。

南アフリカランド/円 週足チャート

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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
橋本 将司氏

公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。

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南アフリカランド 月間為替予想 堅調だった南アランド

次に、『今週は、急落後の落ち着きどころを探る週となりそうだ。下げ止まりとなれば、南アフリカランドと日本円の金利差に着目した円キャリートレードの再開が期待されよう』と述べています。

陳さんは、『ドル安を受けて金やプラチナ価格が堅調に推移していることも南アフリカランドには強材料。今週は17日に南ア5月小売売上高、18日に南ア中銀金融政策決定会合がある。政策金利は据え置きが予想されている。インフレ鈍化を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げへの見方が強まっているため、南アランドは対ドルで上昇しやすい』と考察しています。

南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.55円~8.95円』と予想しています。

また、『南アフリカを巡る政局不透明感の後退も南アフリカランド円にはポジティブ要因。閣僚人事では、市場からの信認の厚いゴドンワナ財務相の留任が決定した。また、野党第1党の民主同盟(DA)は経済重視で白人層の支持が強く、ここが6つのポストを獲得した意味は大きいだろう』と言及しています。

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