執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!
今週の振り返り
今週の豪ドル/円は97.73円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は88.41円前後で週初を迎えました。
今週は25日がクリスマスで米国をはじめ多くの主要国が休場だったことから、経済指標等の材料も少なく様子見ムードの強い週となりました。そのため、豪ドル/円は97円台後半~98円台前半、NZドル/円は88円台を中心とした小動きでした(執筆時)。
年末年始はドル/円の動きに要注意
来週は豪州、NZともに主要な経済指標の発表は予定されていません。中国では31日に中国国家統計局が調査・公表する中国12月製造業購買担当者景気指数(PMI)が、2日には民間企業である財新が調査する中国12月財新製造業PMIが発表されます。ともに前月は好不況の分岐点である50.0を超えていました。中国当局が9月末から実施している一連の景気刺激策が成果を上げつつあるようです。12月も好況を維持できるか、そして前月からさらに景気拡大を示すか注目です。
豪ドル/円、NZドル/円は米ドル/円の動向にも注意が必要となります。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で来年(2025年)の利下げ見通しを9月時点の4回から2回へ修正しました。また、日銀金融政策決定会合後の植田総裁の会見は、日銀の追加利上げ後ずれを想起させる内容でした。そのため、円は特に対米ドルで売られやすい状況になっています。年末年始(特に日本の祝日にあたる三が日)のアジア時間は仕掛け的な円売りが持ち込まれる可能性も考えられます。今年の7月に約37年半ぶりに記録した161.95円前後を上抜けて円安が加速するようであれば、本邦財務相・日銀による円買い介入が発動してもおかしくないと考えています。念のため注意してください。
1/6週は豪CPI RBAの利下げ開始がさらに遅れる?
再来週、1月8日には豪11月消費者物価指数(CPI)が発表されます。通常、月末の水曜日に発表されるものですが、クリスマスや1月1日の祝日の影響で発表が2週間遅れます。豪州の月次CPIは9月10月と2カ月連続で前年比+2.1%となり、RBAのインフレ目標(2~3%)の下限付近での推移となっています。一方で、CPIトリム平均は9月の+3.2%から10月は+3.5%へ反発しています。豪政府が電気料金高騰に対する支援策を実施していることから電気料金が大幅に低下しており、それが総合CPIが低水準にとどまる要因となっています。一方で、価格変動の大きいもの・小さいものそれぞれ15%ずつを除外したCPIトリム平均では9月から10月にかけて伸びが加速しています。そうしたことを考慮すると豪州のインフレは反発傾向にあると考えられます。11月にRBAが公表した金融政策報告の中で、RBAは2024年末時点のインフレ予想をCPIが+2.6%、CPIトリム平均は+3.4%としています。仮に11月のCPIトリム平均が前月よりもさらに反発していた場合はRBAの予想ほどインフレの伸びが鈍化していないことになりますので、次回(2月18日)のRBA理事会での利下げ期待の後退につながりそうです。なお、現時点でオーバーナイト・インデックス・スワップ市場では2月利下げを約70%織り込んでいます。
また、9日には豪11月小売売上高が発表されます。現時点での市場予想は前月比+1.2%です。豪州の小売売上高が前月比で1%以上増加するのは2023年11月が最後になっています。今回の予想もブラックフライデーセールの影響を見越してのものですが、今年は10月から一部小売業者がセールイベントを前倒しで行っていたこともありますので、予想ほどの伸びは見せないかもしれません。いずれにせよ現時点では通信社へ予想を提出しているエコノミストは通常の半分以下ですので、予想値は今後変わりそうです。発表直前の予想値と結果を見極めましょう。
豪ドル/円のテクニカル分析
豪ドル/円は日足一目均衡表雲下限付近での推移となっています。目先の上値目途は週足一目均衡表転換線(98.96円前後)となりそうです。その上の水準では心理的な節目となる100.00円や200日移動平均線(100円台後半)が意識されそうです。一方で下値は日足一目均衡表転換線が目先の目途となりそうです。この水準を下抜けた場合は、12/6安値の95.52円前後や心理的な節目となる95円前後が意識されそうです。来週後半には日足一目均衡表の雲にねじれが発生し、雲が薄い(上限と下限の間が狭い)状態となります。雲を上抜けた際は、更なる買い圧力がかかる可能性があるので注意しましょう。
【豪ドル/円 日足・一目均衡表】
予想レンジ:AUD/JPY:95.50-100.00、NZD/JPY:86.50-89.50
12/30、1/6週のイベント:
12/31 (火) 10:30 中国 12月製造業購買担当者景気指数(PMI)
12/31 (火) 10:30 中国 12月非製造業購買担当者景気指数(PMI)
01/02 (木) 10:45 中国 12月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)
01/06 (月) 10:45 中国 12月財新サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
01/07 (火) 09:30 豪 11月住宅建設許可件数
01/08 (水) 09:30 豪 11月消費者物価指数(CPI)
01/09 (木) 09:30 豪 11月貿易収支
01/09 (木) 09:30 豪 11月小売売上高
一言コメント:
年末年始と義理の実家に行くため、お土産に新橋の新正堂さんの切腹最中を買ってきました。サラリーマンのお詫びの菓子折としても有名なお菓子ですが、決して私が私生活で何かやらかして義理の両親にお詫びするために買ったわけではありません!とても美味しいです。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
来週の為替予想 豪ドル 円
FOMCを契機にこれまで順調に上げてきた豪ドルも調整入り。一方でポンドはブレグジットの合意期待で急上昇。豪ドル/円、ポンド/円、そしてトルコリラ/円の、来週の上下のメドは?「今日の注目通貨」をご覧ください。
日本は主に原材料をオーストラリアから輸入しています。その後、完成品、工業製品をオーストラリアに輸出しています。豪ドル対円相場が安定している背景には、オーストラリアと日本、両国の貿易黒字がごく僅かであることがあげ られます。
2028年8月の豪ドル円見通し。当月始値 110.78、最低 109.67、当月最高 113.01。平均 111.20。月末 111.34。変更 0.5%。
第一週 1月3日(金曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 98.39、 最高 99.87、最低 96.91。 1月6日(月曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 97.98、 最高 99.45、最低 96.51。 1月7日(火曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 99.98、 最高 101.48、最低 98.48。 1月8日(水曜日)の豪ドル円予想: 為替レート 98.96、 最高 100.44、最低 97.48。 1月9日(木曜日)の豪ドル円見通し: 為替レート 97.99、 最高 99.46、最低 96.52。
2027年11月の豪ドル円予想。当月始値 113.10、最低 113.10、当月最高 117.84。平均 115.04。月末 116.10。変更 2.7%。
AUDはハイリスクの通貨だと考えられています。しかし近年の動向としては、円安豪ドル高のため、投資家にとって最も安全な投資とされています。ターニングポイントとなったのは、COVID19へのオーストラリアの取り組みが「成功 」し、いち早くビジネスを再開させたことが要因となっているようです。
2028年7月の豪ドル円予想。当月始値 112.70、最低 109.12、当月最高 112.70。平均 111.33。月末 110.78。変更 -1.7%。
2028年2月の豪ドル円見通し。当月始値 116.38、最低 111.20、当月最高 116.38。平均 114.21。月末 112.89。変更 -3.0%。
最新の豪ドル円為替レート 98.1342円。日の範囲の 97.5533 - 98.4047円。前日 98.2325円。前日比 -0.10%。
両国における相場の変動は、そのままAUD/円に影響しており、為替レートも常に変動しています。現在のレートは73.86で、AUDの上昇が低金利の円と対抗する形になっています。2010年末、豪ドル対円相場は、82.96でした。2000年12月31日時点でのAUD/円相場は63.15となっています。
2028年5月の豪ドル円予想。当月始値 116.27、最低 114.45、当月最高 117.93。平均 116.21。月末 116.19。変更 -0.1%。
金利差は為替レート変動における最大のドライバーですが、経済の安定性も為替レート変動の一因と言えます。為替レート変動における最大のドライバーは金利差ですが、経済の安定性も一因になっていると言えます。一般的に、市場リスクとボラティリティは、安全通貨としての円の需要を高めます。
2027年8月の豪ドル円見通し。当月始値 109.96、最低 107.46、当月最高 110.74。平均 109.32。月末 109.10。変更 -0.8%。
ドル 円 予想 2024、2025、2026-2028。
2028年1月の豪ドル円予想。当月始値 112.99、最低 112.99、当月最高 118.13。平均 115.12。月末 116.38。変更 3.0%。
コメント