本日のロンドン為替市場のユーロドルとポンドドルは、年末・月末に向けたロンドン・フィキシングでのフローに注目する展開となる。
本日は、主要な経済指標や要人発言の予定がないことで、動きづらい展開が想定されるものの、突発的な地政学リスク関連のヘッドラインには警戒しておきたい。
ユーロドルは来年1月2日のNYカットオプション(1.0400ドル・1.0450ドル)が値動きを抑制する可能性が高いと思われる。
ユーロドルとポンドドルはテクニカル分析では売りシグナルが点灯しているが、ファンダメンタルズ分析での売り材料としては、トランプ関税による英国と欧州の景況感悪化懸念、中央銀行(ECBとBOE)の追加利下げ観測と米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的利下げ、独仏英の政治定な不透明感などが挙げられる。
下値を支える要因としては、フランスの政治的混迷がバイル仏首相によるつなぎ予算の成立でやや緩和されたこと、ドイツの政治的混迷は来年2月の議会選挙まで先送りされた感があること、などが挙げられる。
地政学リスクに関しては、来年1月20日のトランプ次期米大統領の就任に向けて、ウクライナ戦争、中東(イスラエル、シリア、イラン)の紛争の新たな展開を見極めて行くことになるが、年末・年始での突発的なヘッドラインには警戒しておきたい。
想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0487ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:165.43円(11/8高値)
・ポンドドル:1.2644ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ポンド円:199.56円(11/7高値)
想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0343ドル(12/20安値)
・ユーロ円:163.03円(12/24安値)
・ポンドドル:1.2476ドル(12/20安値)
・ポンド円:197.22円(12/27安値)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
ユーロドルの見通しは今後の金利の動向次第といえるでしょう
ルネサンス・マクロ・リサーチのニール・ダッタ氏は「経済見通しは悪化してきている」と指摘。「連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表前からそうだったし、それはFOMC後も変わらない。FOMCが姿勢を転換するリスクは極めて高い」と述べた。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「パナマ運河に関するニュースについて、市場は今のところはレトリックとして大方受け流しており、より大きな関心は2025年の見通しを形成する需給ファンダメンタルズに移っている」と分析した。
「2025年の見通しに関して市場が選好する取引は円のロングという声が多かったが、すでにその予想を維持するのは難しくなってきている」とベクテル氏。「円は調達通貨というステータスを失わないだろう。それだけははっきりしている」と述べ、「世界市場で調達通貨に選ばれる通貨が、持続的に上昇するとは予想しにくい」と続けた。
ユーロドルの見通しは今後の金利の動向次第といえるでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、ワクチン接種が進むアメリカでは経済が急速に回復しています。景気が過熱すると金利上昇期待が高まりますが、FRBは2023年まで低金利政策を維持するとしています。ECB(欧州中央銀行)もユーロ圏の経済回復は不十分とし、金融緩和は継続姿勢です。
ただヘッジファンドの間では、強気姿勢が強まっている兆しが見られる。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、マネーマネジャーによるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)のネットロング(買い越し)は17日終了週に、2023年9月以来の大幅増となった。買い越し拡大に先立ち、原油価格はロシアとイランの原油供給減につながる制裁強化見通しを基に上昇していた。
12月の米消費者信頼感指数は3カ月ぶりに低下した。トランプ次期政権の政策を巡る不透明感を背景に、景気見通しへの懸念が広がった。
本記事では、2025年の見通しや為替レート変動要因などについて紹介します。
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