週明け30日の香港市場は、方向感に乏しいか。年末が近づくなか、薄商いで値動きが大きくなりやすいと予想する。あす31日は半日のみの取引で、後場から1月1日まで休場となる。また、中国の国家統計局があす発表する12月の製造業購買担当景気指数(PMI)の結果を見極めようと、次第に様子見ムードが広がりそうだ。
前週末に米長期金利が上昇し、米株式相場が下落したことで、香港市場でも運用リスクを取りにくくなるだろう。来月発足するトランプ次期政権の下で米国の財政が悪化し、インフレが再燃すれば、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを進めにくくなるとの懸念は根強い。
27日のNY株式相場は、ダウ平均が6営業日ぶりに反落し、S&P500とナスダック総合はともに続落した。アップルなどのハイテク・ジャイアントが利益確定売りに押され、相場の下落を主導した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)はネット株のテンセント(00700)、保険株の中国平安保険(02318)が香港終値を下回った半面、銀行株のHSBC(00005)と中銀香港(02388)が上回って終えた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 30日香港株方向感に乏しいか 年末を前に薄商い
年末年始の株式市場の特徴を踏まえ、年末年始に行っておくべきことを整理してみましょう。
餅つき相場の影響を意識する 年末年始には「餅つき相場」と呼ばれる株価が上下に激しく動く現象が見られます。 年末のボーナスや新年の期待感から買い注文が増える一方で、利益確定のための売り注文も増えるためです。 このような相場では、短期的な売買が活発になるため、株価の変動に一喜一憂せず冷静な判断が求められます。
年末のボーナスを受け取った個人投資家が株式を購入することも多く、これも市場の上昇を促す要因の一つとなります。一方で、年末には利益確定のための売りも増えますし、年内に大きな利益を上げた投資家は、損失になっているものを損益通算しようと売却を行うことがあります。これにより株価が急激に下落することがあります。
「掉尾(とうび)の一振(いっしん)」 株式が年末に向けて勢いを増し上昇することがあります。 機関投資家などが、含み損を解消するために株式を売却した後、年末にかけて、「お化粧買い」で株価が上昇することなどが要因の一つと考えられます。お化粧買いとは、決算期末や月末に向けて、保有する株式の評価額を上げる目的で買い注文を入れることです。
さらに、年末はクリスマス休暇などで市場の参加者が減少するため、取引量が少なくなり、株価の変動が大きくなることがあることも踏まえておきましょう。
2024年の大発会の株価は、一時、昨年末比で700円以上の下落を記録しました。最終的には33,288円29銭で取引を終えましたが、米国の株安と能登半島で発生した地震の影響を受け、前年の高値からの調整を反映したスタートとなりました。ただ、大発会以降、日経平均株価は次第に回復し上昇基調を見せました。外国人投資家の動向や、新NISA制度の開始、円安の進行がプラス要因として買い支えられ、株価は堅調に推移した格好です。
利益確定と損出し 年末は、含み損を抱えている銘柄を売却し、税金対策を行う「損出し」が多くみられます。年末の株価上昇を見越して購入した銘柄については、年始の動向を見極めて早めに利益を確定してもよいでしょう。また、含み損を抱えている銘柄については、年内に手仕舞いを検討することも一つの戦略です。これにより、確定した利益に対する税金を軽減することができます。 ただし、年明けの大発会では新年の祝いムードから株価が上昇しやすい傾向があるため、すべて利益確定するのではなく、そのまま持ち越す銘柄を選別することも必要です。
修正が必要かどうかを判断するには、米国の経済動向や地政学的リスクなどに注意を払うことは重要です。例えば、紛争がさらに深刻化した場合に備えて、リスク資産を調整したり、米国経済への期待に偏り過ぎている場合には、投資対象の更なる分散を検討してみてもよいかもしれません。 年末の資産チェックは、単なる数字の確認ではなく、投資戦略全体を確認し、投資配分の調整が必要であれば実行するなど効果的な資産運用につなげましょう。
1994年から2023年の間で、年末の大納会の終値と年初の大発会の始値を見てみると、30年間で20回およそ66.7%の確率で大納会から大発会に向けて値上がりしています。
年末年始には、この時期の株式市場を予測するのに参考になる、次のようなアノマリーが投資家の間では広く知られています。アノマリーとは、「理論的な根拠はないものの、経験的にしばしば見られる相場」のことです。
●保有株の見直しと戦略 年末年始の市場環境を踏まえて、慎重に保有株の見直しと戦略を練るとよいでしょう。
年末は、投資目標や資産配分を再評価する絶好のタイミングです。 1年間の投資成果を振り返り、ポートフォリオの見直しを検討してはいかがでしょう。
しかし、1990年1月4日の大発会では、日経平均株価は30,165円52銭でスタートし、初日から大きく下落しました。この下落は、バブル崩壊の始まりを示すものとなり、株式市場はその後も長期にわたって低迷することになりました。
流動性の低下 年末の取引最終日や年始の取引開始日には、予期しない価格変動が発生することがあります。年末年始は、多くの投資家が休暇を取るため、取引量が減少し流動性が低下することがあります。流動性が低いと、株価が急激に変動するリスクが高まります。
年末年始の投資は、特有のアノマリーや市場動向に影響を受けるため、流動性の低下や餅つき相場の理解、経済指標の確認などを考慮しつつ、冷静な判断が求められます。 アノマリーに過度に依存せず、市場環境の変化や経済指標の結果に注視していきましょう。
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