10億円相当を他人が相続 親族怒り
たとえば、3000万円の住宅用の土地を相続したとします。小規模宅地等の特例を利用すれば、課税価格は「3000万円×(100%-80%)=600万円」となります。しかし、相続する人が親族に限られるため、遺贈により他人が土地を引き継いでも、この優遇税制は利用できません。
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たとえば、死亡保険金2000万円を相続したとします。法定相続人が2人の場合、課税価格は「死亡保険金2000万円-非課税枠500万円×法定相続人2人=1000万円」となります。しかし、死亡退職金と死亡保険金の非課税枠が利用できるのは法定相続人に限られるため、遺贈の場合は「入金額=課税価格」となってしまいます。
しかし、被相続人の代表者からの遺贈を相続発生後に知った場合、事前に相続税対策を施していません。しかも遺贈を受けた人が他人の場合、親族よりも節税対策の方法は限られます。そこで、他人が突然、遺贈を受けた場合の相続税の節税対策について解説します。
「特別受益」という言葉を親族の遺産分割などの際に耳にされた方もいるでしょう。何か分かったような、分からないような、そんな印象をお持ちの方もいると思います。
そのため、贈与者が高齢の場合、暦年贈与が難しくなったともいえるでしょう。 なお、死亡4~7年以内に行われた生前贈与を相続税の課税対象財産に含めるときには、合計金額に対して100万円の控除を適用できます。
そもそも小規模宅地等の特例とは、被相続人等(被相続人および被相続人と同じ家計で生活をしていた民法上の親族)が持っていた建物や構築物の敷地である土地(借地権を含む)の課税価格を最大80%下げることができる優遇税制です。
「伯母の遺言書が書き換えられ、時価10億円相当の不動産が他人の手に渡ることになりました。本当に許せません」。取材に応じた鈴川恵子さん(仮名)=(55)=は怒りに震える。伯母は東京・恵比寿に土地や建物、賃貸マンションの部屋を複数所有したまま今年4月に94歳で死去。公正証書遺言には、不動産は全て知人男性に譲ると記されていた。これが本人の意思なら、親族がいくら異論を挟もうと法的に何ら問題ない。ただ取材を進めると遺言書作成時、伯母は「要介護5」の認知症で判断力が低下していたことが判明。正当性に疑義を抱いた裁判所は11月、知人男性に遺贈された不動産の処分を禁じる仮処分決定を出した。高齢化で死亡者が増える「多死社会」を迎える中、こうしたトラブルはひとごとではない。 【グラフィックでみる】東京・恵比寿の不動産をめぐるトラブルの構図 ■恵比寿一帯で財を 知人の50代男性とともに東京都内の喫茶店に現れた鈴川さん。白髪交じりのボサボサの髪によれよれのシャツからは苦労がにじむ。 今は生活保護を受けながら、やっとの思いで生活を紡いでいるが、もともとは「東京の恵比寿一帯に不動産をたくさん所有する資産家の一人娘だった」という。 土地価格が高騰した昭和の高度成長期。高速道路の建設で立ち退きを求められた土地を〝転がす〟などして財を成し、親族が不動産経営に乗り出した。「子供のころ、行きつけの割烹(かっぽう)料理屋へ行くと、ママ(鈴川さんの母親)が机に並びきれないほどの料理を注文してくれた。『残していいから、食べられる分だけ食べなさい』と。優しいママだった」と振り返る。 成人した後も母親のそばを離れることはなく、月額60万円の小遣いが生活の糧。何不自由ない暮らしが続いたが10年ほど前に母親が亡くなり、人生の歯車が狂い始める。 ■カネに無頓着が災い 「ママが亡くなり、不動産を含めて5億円相当の遺産を相続しました。当時私は40歳を過ぎており、独身だった私を見かねたのか、80歳を超えて一人だった伯母が『私が死んだら全財産をあなたに譲る』と言って、遺言公正証書を作ってくれたのです」(鈴川さん) 遺言公正証書とは、死後の財産分与などを書き記す遺言を公証人が公的権限に基づいて作成することで、相続をめぐる法的争いを未然に防ぐ仕組みだ。
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