アシックス 箱根着用0人から反撃

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アシックス 箱根着用0人から反撃
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アシックスにとってランニングは基幹事業であると同時に聖域である

2022年の箱根駅伝ではアシックスのシューズを履いた選手たちがどんな活躍を見せるのか。国内メーカーの逆襲で、シューズをめぐる戦いは新たなフェーズに入ったようだ。

アシックスの次なる成長のカギとなるのが新興国とデジタルだ。新興国ではインドやベトナムなどの開拓を進める。競合も力を入れる市場だが、富永社長は「強い商品で勝負する。そのためにもランニングでナンバーワンになる」と話す。インドでは同国最大のマラソン大会「タタムンバイマラソン」に協賛するほか、スタートアップとの協業も推進。ベトナムでは新規直営店の展開を加速する。

そのびわ湖毎日マラソンの後、アシックスは「METASPEEDシリーズ発表会」を行い、ストライド型のランナーに対応した『METASPEED Sky』とピッチ型のランナーに対応した『METASPEED Edge』の発売をアピールした。価格はどちらも2万7500円(税込)だ。

アシックスのシューズを長年愛用してきた日本人選手は多い。グローバル規格のナイキと国内メーカーのアシックスではサイズ感が異なる。そのため足に合わないと感じながらも厚底シューズを履かないと戦えないという理由でナイキを選んでいた選手もいた。今後はアシックスがナイキに奪われたパイを取り戻していくのではないだろうか。

アシックスは2017年大会でシェアトップだったが、2021年大会でまさかの0人。かつての王者が屈辱的な大惨敗を喫した。崖っぷちに立った同社は2019年11月にトップアスリートが勝てるシューズを開発すべく各部署の精鋭を集めた社長直轄組織「Cプロジェクト」を発足。2021年3月にランナーの走り方に着目した「METASPEED」シリーズを発売した。

記者発表に出席した川内は、「練習でも履くことでフォームがよくなり呼吸が楽になったのを感じています。今後もトレーニングを継続するなかで2時間6分、5分を目指したい。アシックスにはよりよいシューズ、走っていて楽しくなるシューズを開発してほしいと思います」とコメントした。

2、3日に行われた第98回箱根駅伝で、ここ数年顕著だった厚底シューズの「ナイキ1強」の構図が変化した。前回大会は出場210選手のうち約95%の201人がナイキ社のシューズを履いたが、今回は約73%の154人。中でもアディダスと国内メーカーのアシックスが巻き返した。ナイキが火をつけた厚底ブームに各社が追随し、開発競争も激化している。

アシックスにとってランニングは基幹事業であると同時に聖域である。これ以上の後退が許されない同社は、「C-Project」によって再び挑戦者としてファイティングポーズをとる。鬼塚喜八郎の貪欲なベンチャー精神に立ち返ることで、ランニングシューズ市場で1強といわれるナイキを猛追する。

アシックスは今年7月に行われるオレゴン世界陸上をサポートしている。一方、米国・オレゴンにはナイキ本社がある。しかも、米国で世界陸上が開催されるのは初めて。どちらも“負けられない戦い”となる。

アシックスのスポーツ工学研究所が実施した実験では従来品と比較してフルマラソンでMETASPEED Skyが約350歩、METASPEED Edgeは約750歩少ない歩数でゴールできるという。それだけストライド(歩幅)が伸びれば、当然タイムも変わってくる。シューズの進化が川内に8年ぶりの自己ベストをもたらしたといってもいいだろう。

最近はアディダス、アシックスらに押され気味のナイキだが、世界の舞台では結果を残している。昨年9月のベルリンマラソンで「アディゼロ アディオス Pro EVO 1」を履いたティギスト・アセファ(エチオピア)が2時間11分53秒の世界記録(当時)を打ち立てて、関係者を驚かせたが、今年10月のシカゴマラソンでその記録を今度は「ナイキ アルファフライ 3」を着用したルース・チェプンゲティチ(ケニア)が2時間9分56秒という驚異的なタイムで塗り替えたのだ。

前回の2024年大会(記念大会で230人が出場)はナイキが42.6%(98人)でトップを守るも、アシックスが24.8%(57人)まで上昇。アディダスも18.3%(42人)と肉薄。さらにプーマが8.7%(20人)と大躍進した。他にもミズノ(5人)、オン(3人)、ホカ(2人)、ニューバランス(1人)、アンダーアーマー(1人)、ブルックス(1人)がいて、過去最多となる10ブランドが新春の舞台を駆け抜けた。箱根駅伝のシューズシェア争いは“群雄割拠”の時代に入ったと言っていいだろう。

「今年のアシックスの合言葉は“足を止めるな”だ」(広田会長)というように、過去最高の業績は通過点に過ぎない。1月には富永満之社長が就任。新たな経営体制で24年度からの3カ年中期経営計画を推進する。最終年度の26年度に営業利益800億円以上、売上高営業利益率約12%を計画。「業界最高水準の利益率」(富永社長)を目指す。

しかし、その後は厚底シューズを投入したナイキが年々シェアを拡大していく。2021年大会は出場210人中201人がナイキで出走した一方で、アシックスはまさかの0人。箱根路から姿を消したことになる。それでも2022年大会で盛り返す。0人から一気に24人までシェアを取り戻したのだ。

ビジュアルも特徴的なMETASPEEDは今秋、トップ選手の足元を飾っている。11月の全日本大学駅伝では1区で区間賞を獲得した駒澤大・佐藤条二と優勝ゴールに飛び込んだ同大・花尾恭輔がアシックスを着用。10月の箱根駅伝予選会でも2年連続通過を決めた専大の選手12人中5人がMETASPEED Skyを履いていたのだ。

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