本日のロンドン為替市場では、欧州のエネルギー価格動向や改定値ではあるが独仏ユーロ圏の12月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)の結果を見定めながらの取引か。ニューヨーク勢の参入後の欧州午後には、独インフレ指標も発表される。
ロシア国営企業ガスプロムは1日、ウクライナ経由で欧州への天然ガス輸出の停止を発表。これを受けて、2日に取引が再開された「オランダTTF天然ガス先物(欧州の天然ガス価格の指標)」2月限は、1メガワット時あたり50.2ユーロを超えて終えた。下落していた先月半ばから比べると、20%以上も上昇した水準だ。
もっとも、既に欧州連合(EU)はロシア産天然ガスへの依存度を引き下げているためか、先週末3日にTTF天然ガス先物は49.62ユーロ付近まで下落して終えた。ウクライナがガスプロムとの契約を更新しない方針を以前から決めていたこと、今後ロシアは別ルートで欧州に天然ガス輸出を続ける見込みということも、警戒感を過度に高めていない要因だろう。
とはいえ、これから冬が本格化する中でエネルギー需給の逼迫懸念は残る。原油先物も年末年始にかけて堅調に推移しており、エネルギー価格が高止まりするようだと欧州インフレの上昇圧力に繋がるだろう。そうなった場合、ユーロ圏金利の先安観の後退から通貨ユーロが支えられる局面があるかもしれない。しかし景況感の悪化も避けられないため、持ち高調整以外では積極的な上値追いも難しそうだ。
12月サービス部門PMIは、速報値では仏独ユーロ圏とも総じて予想以上の結果だった。特に、ドイツとユーロ圏が景況判断の境目50もしっかり超えてきている。12月の好調さを改定値で確認できれば、ユーロ相場にとって目先の支持要因とされるか。ただし改定値のため、速報値から大きく離れた場合のみユーロ相場の動意を高めることになるだろう。
なお、日本時間22時に発表される12月独消費者物価指数(CPI)速報値は、前年比2.4%上昇が市場予想の中心値。見込み通りであれば、3カ月連続の加速となる。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.0342ドル。超えると同・基準線1.0428ドルが意識される。
想定レンジ下限
・ユーロドル、2日につけた2022年11月以来の安値1.0226ドル。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し ロンドン為替見通し欧州エネルギー価格動向に注視 先週末は天然ガスの上昇が一服
いずれも状況によっては、100bpの引き上げも排除しないものの、できれば避けたいというニュアンスとなった。この話を受けた市場では過度な利上げ見通しは一気に後退し、75bp利上げ観測が大勢を占めることになった。ちなみに週明け7月18日のドル指数は先週末の108ポイント台から106ポイント台まで大きく水準を切り下げている。
他の主要中央銀行とFRB間の政策を巡る温度差(政策金利の見通し)がここに来て拡大しており、そのまま為替相場に反映されている。言うまでもなく、その代表例が日米間の金利差拡大を映した米ドル円相場の急騰(円急落)というわけだ。
5日は、格付け会社ムーディーズが中国の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことが中国需要の鈍化懸念につながった。LME在庫の増加も続いたことも売り材料となった。
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