京都市の宿泊税 最高1万円の方針
京都市は市内の宿泊客に課す宿泊税の税額を宿泊料金に応じて1人1泊200〜1000円とする方針を固めた。2018年10月をめどに導入する。21日に開会する9月議会に条例案を提出する。導入されれば年間の税収は45億6000万円増える見通しだ。
民泊を含む市内の全宿泊施設が対象となる。東京都や大阪府は宿泊料金が1万円を下回る場合は課税をしておらず、全宿泊施設への課税は全国で初めてとなる。ただし修学旅行の参加者には課税しない。税収は文化財の保護や景観保全、交通機関の整備などに充てる。
京都市では、京都市宿泊税条例を10月1日より施行することが決定した。
京都市がホテルや旅館で利用者に1人あたり1泊200~1000円を課している宿泊税について、上限額を1万円に引き上げる方針を固めたことが、関係者への取材でわかった。条例改正案は早ければ2月議会に提出される見通しで、可決されれば、2026年にも施行される。
税収の使途について、京都市は、「入洛客の増加等により、受入環境整備や交通渋滞対策などの喫緊の課題が生じており、市民生活に影響を及ぼし、市民が負担に感じているものもあることから、これらの課題に対応する行政サービスの一層の充実を図り、課題を解決するために用いる」として、入洛客の増加など、観光を取り巻く情勢の変化に対する受入環境の整備や、京都の魅力の国内外への情報発信の強化などを掲げている。
京都市、現在の宿泊税の制度は?
総務省によると、「法定外目的税」の宿泊税は現在、東京都や金沢市などの11自治体が導入。静岡県熱海市と北海道赤井川村も施行に向けて準備を進めている。
京都市が導入しているホテルや旅館などの宿泊者に課す「宿泊税」について、有識者などでつくる検討委員会はいわゆる「オーバーツーリズム」への対策をめぐって多額の費用が見込まれることなどから、税額を引き上げるよう市に答申しました。宿泊税は、自治体が条例を制定し、総務大臣の同意を得て独自に課税する地方税の一種で、京都市は6年前から導入しています。 原則、市内すべてのホテルや旅館などの利用者から徴収していて、現在は、1泊あたりの宿泊料金が▼2万円未満は200円、▼2万円以上5万円未満は500円、▼5万円以上は1000円が課税されます。 有識者でつくる委員会はことし4月から制度の見直しの必要性や使いみちなどについて検討を重ね、6日、答申書をまとめて松井市長に提出しました。 答申書では、▼「オーバーツーリズム」への対策など今後見込まれる事業の財源を確保するために税額を引き上げることや、▼現在は宿泊料金によって税の占める割合が異なるため、負担割合を細分化して公平性を確保することなどを盛り込んでいます。 また、税額を引き上げる際には、市民や宿泊客から理解を得るため、税収をどのような事業に活用するか、より具体的に提示することなどを求めています。 京都市は答申をもとに、税額などの具体案をまとめ、来年度中の引き上げを目指すことにしています。 松井市長は、「観光客が増えるなか、交通対策などさまざまな面で行政への需要も増えている。市民や納税者に納得してもらえるよう具体案を議論していきたい」と述べました。
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