トランプ氏に買収容認を期待 USS

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トランプ氏に買収容認を期待 USS
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 トランプ氏に買収容認を期待 USS

トランプ氏に買収容認を期待 USS

アメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールは臨時の株主総会を開き、日本製鉄による買収計画は株主の賛成多数で承認されました。今後は買収に反対する労働組合との交渉の行方などが焦点となります。

日鉄は昨年、買収計画の承認を米政府に働きかける一方、鉄鋼生産の収益の安定に寄与する原料炭の権益獲得や、水素を使った次世代の製鉄に適した高品質の鉄鉱石の開発にも投資。水素利用の次世代製鉄技術では試験設備で43%の二酸化炭素削減を世界で初めて実現するなど、着々と競争力に磨きをかけている。こうした日鉄の投資と技術力から得られるはずだったUSスチールの利益は、買収計画の頓挫で白紙となる。

日本製鉄のUSスチール買収計画、今後どうなると思いますか?

USスチールの臨時の株主総会で買収計画が承認されたことについて日本製鉄は森高弘副会長のコメントを発表しました。このなかでは、「買収完了に向けた大きな一歩が踏み出されたことは大変喜ばしいことと思っています。私たちの目指すものは当初から一貫して明確であり、設備投資の拡大や先進技術の提供を通じて関係するすべてのステークホルダーの利益のために、米国市場において、USスチールを支え、成長させることです。USスチールとともに総合力世界ナンバーワンの鉄鋼メーカーとして前進することを楽しみにしています」としています。その上で改めて買収による組合員の解雇や工場閉鎖は行わないこと、ペンシルベニア州のピッツバーグにあるUSスチールの本社や、会社の名称、ブランドを維持することなどを強調しました。

アメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールの臨時の株主総会で日本製鉄による買収計画が承認されたことを受けて、アメリカのUSW=全米鉄鋼労働組合は12日、改めて買収に反対する姿勢を示す声明を出しました。それによりますと、USWは買収について「ウォール街の投資家やUSスチールの経営陣が明らかに多額の利益を得る一方で組合のメンバーたちは冷遇される」と指摘しました。その上で「株主の承認によって買収手続きが完了するわけではない。株主や経営陣だけで単純に決められる問題でもない」と批判しています。また、「民主党と共和党の議員や大統領などが懸念を表明している。私たちは労働者の雇用や収入、福利厚生が保証されるようたたかい続けなければならない」として引き続き買収に反対していく考えを強調しました。

【ワシントン共同】米CNBCテレビは7日、米鉄鋼大手USスチールのデビッド・ブリット最高経営責任者(CEO)が、日本製鉄による買収計画に対してバイデン米政権が禁止命令を出したことを批判した上で、トランプ次期米大統領が買収を容認することに期待を示したと報じた。

日本製鉄はアメリカの大手鉄鋼メーカー、USスチールをことし9月までに子会社化する買収計画を去年12月に発表しました。これについて、USスチールは12日、臨時の株主総会を開き、日本製鉄による買収計画は「株主の圧倒的な賛成多数で承認された」と発表しました。日本製鉄はUSスチールの株主に対して両社が買収に合意した時期の株価に40%上乗せした価格を支払うとしていて、買収額はおよそ2兆円にのぼる見通しです。USスチールのデビッド・ブリットCEOは今回の承認について「私たちは両社の強みを結集し、世界をリードする最高の鉄鋼メーカーとしてともに進んでいくことに一歩近づいた」という声明を出しました。

米大統領選の最中の昨年10月、トランプ前政権で副大統領を務めたペンス氏は、日鉄の買収が承認されなければ「何千人もの米国人労働者が職を失い、(USスチールの本拠地のペンシルベニア州など)『ラストベルト』と呼ばれる工業地帯は再び空洞化し、政府に裏切られることになる」と指摘していた。

アメリカは鉄鋼製品で先進国最大の市場で、人口の増加などを背景に今後も安定的な成長が見込まれています。日本製鉄としては日本国内で需要の拡大が期待できないなか、これまでインドや東南アジアでの事業を強化してきましたが、さらに、USスチールの買収によってアメリカ市場を強化するねらいがあります。世界鉄鋼協会のまとめによりますと、2022年の粗鋼の生産量は、日本製鉄が4400万トン余りで世界4位、USスチールは1400万トン余りで世界27位となっています。両社の生産量を単純に合計すると、5800万トン余りとなり、世界3位になります。日本製鉄は粗鋼生産能力を1億トンにする目標を掲げ、海外事業の拡大が戦略上欠かせません。一方、脱炭素が世界の流れとなるなか、製造過程で多くの二酸化炭素を排出する鉄鋼業界は、環境対応の強化を迫られています。USスチールは、「電炉」と呼ばれる二酸化炭素の排出が比較的少ない生産設備を持つアメリカの企業を2019年に買収しました。日本製鉄も、水素を活用した生産技術の開発を進めていて、今回の買収は、両社の環境技術を組み合わせ、競争力を強化するねらいもあります。

日本製鉄による「USスチール」の買収計画について、両社が発表したのは去年12月のことでした。しかし、発表の直後、アメリカの鉄鋼業界の労働組合、USW=全米鉄鋼労働組合が買収を批判する声明を発表し、与野党の一部の議員からも強い反発の声が上がりました。ことし1月末には秋の大統領選挙に向けて共和党の候補者への指名が固まっているトランプ前大統領が「ひどい話だ。私なら即座に阻止する。絶対にだ」と述べ、大統領に再び就任した場合には買収を認めない考えを明らかにしました。

USWは、買収阻止で政治的な影響力を誇示する勝者となったように映るが、USスチールの先行き次第では、米鉄鋼業の復権か、衰退かの重大な岐路で道を誤らせた敗者になるかもしれない。

日本製鉄はUSスチールや労働組合に対しさまざまな提案を行い、買収の実現を目指しています。USスチールの買収額については、買収を発表した去年12月当時のUSスチールの株価に40%を上乗せした価格を提示しました。総額で2兆円にのぼる見通しです。労働組合に対しては▽買収による組合員の解雇や工場閉鎖は行わないこと▽買収の完了後に雇用を生み出すことにつながる新たな追加の投資を行うことなどを示しています。このほかにも▽ペンシルベニア州のピッツバーグにあるUSスチールの本社や、会社の名称、ブランドなどを維持するとしているほか▽買収完了後にテキサス州にある日本製鉄のアメリカ本社をピッツバーグに移転させる計画も明らかにしています。日本製鉄は「労働組合と一致点を見つけ政治的な動きにストップをかけていくのが重要だ」としていますが、依然として労働組合側は買収に反対する姿勢を続けていて、今後の労働組合との交渉が最大の焦点となっています。

バイデン氏の決定で得をしたのはいったい誰なのか。安保の観点で外資から守られたはずのUSスチールとその株主、従業員でないことは確かだ。

労働組合が支持基盤で再選を目指すバイデン大統領も先月「USスチールは国内で所有、運営されるアメリカ企業であり続けることが不可欠だ」とする声明を出し、外国企業による買収には否定的な考えを示しました。日本製鉄はUSWと交渉を続けていますが、USWは今月2日に日本製鉄側から送られてきた雇用の確保や新規の投資などを約束する書簡について「意味のない紙切れに過ぎない」などとする声明を発表し、買収を支持しない考えを改めて強調しました。USスチールが本社を置くペンシルベニア州は民主党と共和党の支持がきっ抗する激戦州で、2016年の大統領選挙ではトランプ氏が制した一方、2020年はバイデン氏が勝利しています。秋の大統領選挙でも勝敗のカギを握る重要な州とされていて、バイデン氏とトランプ氏の発言はいずれも労働組合や労働者に寄り添う姿勢をアピールするねらいがあるとみられています。

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