大口投資家の動向は?「ドル円 円ネットショートに転じる」【最新IMMポジション】2025/1/8

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大口投資家の動向は?「ドル円 円ネットショートに転じる」【最新IMMポジション】2025/1/8

シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。

執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉

目次

▼IMMポジション ドル/円
円ネットショートに転じる

▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショート小幅に増加

ドル/円

IMMポジション ドル/円

ポイント

【円ネットショートに転じる】
2024年12月31日時点で円のポジションは、ドルに対して約0.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートが大幅に積み増されたことから、約1カ月ぶりにネットショートに転じた。
期間中のドル/円相場は、欧米勢がクリスマス休暇から復帰するも、年末年始を控え取引材料に乏しく156.02~158.09円前後での小動きとなった。
日銀の追加利上げ後ずれを見込んだ休暇明けの投機筋が円先安観を強めつつあるようだ。

ユーロ/ドル

IMMポジション ユーロ/ドル

ポイント

【ユーロネットショート小幅に増加】

2024年12月31日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約7.0万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートの積み増し度合いがやや大きかったことで、ネットショートは前週から約0.1万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、トランプ次期米大統領による関税強化や独仏の政治不安、欧州中銀(ECB)の追加利下げ観測などにより、年初来安値に接近する1.03ドル台半ばまで下落。
引き続きユーロ買い材料に乏しい中、投機筋はユーロ先安をやや強めたようだ。

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IMMポジション

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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大口投資家の動向は ドル円 円ネットショートに転じる

ドル円の取引額は、一日あたり平均約145兆円7に上る。新NISAによる円売りフローが、ドル円の全体の取引額に占める割合は小さいといえるだろう。ドル円は日米金利差と方向性を一にする傾向があり(図表1)、日米金利差の縮小は、新NISAによる投資額の多寡に関わらず、今後も円高・ドル安方向に作用すると予想される。

法人の大口投資家のこと。一般的には「生命保険会社」「損害保険会社」「投資顧問会社」「信託銀行」「年金基金」などを指します。運用資産の規模が大きく、1回当たりの売買金額も大きいのが特徴で、比較的長期の運用を行います。通常はヘッジファンドなど短期的な法人投資家は含めません。

一方、ドル/円はこうした一方向フローがなかったために、往ったり来たりのレンジ相場を続けてきました。しかし、そうしたドル/円も値幅が徐々に収束を始めており、近い将来レンジブレイクするものと見ています。

ドル/円の見方は分かれています。私のように下落するという見方もあれば、上昇するという見方、そして動かないという見方などいろいろです。

①について、NISA制度は長期的な資産形成を目的とした施策であるため、円を売ってドル2を買う動きはあっても、ドルを売って円を買う動きは見込みづらい。特につみたて投資枠については、長期的な継続投資が複利効果を高めるとされており、毎月決まった日に円売りドル買いの取引が発生することになる。相場環境に応じた売買が行われにくいとみられる。

そういう意味で、あまりクロス円は長く持たない方が良いと思います。例えばリーマンショックのとき、豪ドル/円は45円もの急落をしました。くれぐれも用心してください。

ドル円は2023年末に200日移動平均線(MA)のあった1ドル=140円台まで下落後、2024年に入り反転し、上値抵抗線とみている100MA近辺(1ドル=147円台)まで上昇した(図表5)。1月中旬以降は1ドル=148円を挟んでレンジ相場となっているが、円が一段安となれば、短期的には1ドル=150円も視野に入る相場展開となる。

ただし、新NISAに伴う個人投資家の円売りが持続的にドル円の方向感を左右する材料になるとは考えていない。家計の外貨資産への投資は国際収支統計上、金融収支に反映されるが、金融収支の変化がドル円に影響を及ぼしている公算は小さいためだ。

以上を踏まえると、新NISAの円安・ドル高圧力は局所的であり、ドル円の方向感を左右する材料にはなり難いと考えられる。家計の外貨資産への投資は国際収支統計上、金融収支に反映されるが、ドル円と金融収支の連動性は小さい6。むしろ、金融収支はドル円に遅行する傾向がある(図表4)。すなわち、ドル円が何らかの要因で、ラグを伴って金融収支に作用している可能性がある一方、金融収支がドル円に影響を与えている可能性は極めて小さいといえる。

確かに北朝鮮問題などは心情的にドル買い円売りです。しかし、今お話ししたシカゴのポジション状況通り円売りにはなりますが、既に備えができている分それ程円安にはならないと思います。したがって結論的に申し上げれば、ドルはドル/円を含め、全面安になるものと思われます。

また、2024年初来、新NISA開始に伴う個人投資家による円売りが、ドル高に寄与している可能性が指摘されている。日米金利差の拡大では説明できないほど大幅なドル高が進行していることが、理由の一つにある。また、直近のドル円は、投機筋の動向と連動性が高いが、年初来の円安は、投機筋の円売りによるものではない1(図表2)。裏を返せば、投機筋以外の市場参加者によるドル買い意欲が強かったということだ。個人投資家の円売りがドルを押し上げた可能性を否定できないだろう。

以前にも申し上げたかもしれませんが、2011年の9.11米同時多発テロのときはジョージ・ブッシュ大統領でした。彼の政策をやはり投資家が嫌い、2001年1月から2009年1月にわたる彼の2期8年の任期の間は、ほぼ一貫してドル安でした。

2023年末に日銀の金融政策正常化観測や米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を背景に、日米金利差が縮小し、円高・ドル安となったが、そうした流れが逆行した形だ。

ことに、最近EUR/JPYはじめクロス円がかなり無理をした買い上げを見るとき、ドル/円が反落に転じたときが怖いものがあると思っています。

そして、今回のトランプ大統領も米国にリスクをもたらすような政策を取り続ける限りドル安は続くものと思われます。その意味では、今はまだ大人しいドル/円ですが、いったん動き出したら止まらなくなる可能性がありますので十分警戒が必要です。

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