豪ドル/円 今日の見通し「豪11月CPIがRBAの利下げ開始時期の後ずれ観測につながる可能性」2025/1/8

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豪ドル/円 今日の見通し「豪11月CPIがRBAの利下げ開始時期の後ずれ観測につながる可能性」2025/1/8

【最新号】

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック

本日9:30 豪11月CPI発表!
・11月27日に発表された豪10月消費物価指数(CPI)は前年比+2.1%(予想:+2.3%、前月:+2.1%)だった。また、CPIトリム平均は+3.5%で前月(+3.2%)から伸びが加速した。10月30日に発表された豪7-9月期CPIは前年比+2.8%(予想:+2.9%、前四半期:+3.8%)で予想以上の鈍化だった。

・NY原油先物市場は反発。終値は前営業日比+0.69ドルの1バレル=74.25ドル(1月7日)。

<WTI原油・商品CFDチャートはこちら>

・12月12日発表の豪11月雇用統計は、雇用者数が3.56万人の増加と市場予想(2.50万人増)を上回った。失業率は3.9%で予想(4.2%)に反して前月から低下。労働参加率は市場予想や前月(67.1%)を下回る67.0%だった。

・12月10日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。声明からは「政策は十分に抑制的である必要がある」などの文言が削除されていた。

・12月2日に発表された豪10月小売売上高は前月比+0.6%と市場予想(+0.4%)を上回った。

今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ

豪11月CPIがRBAの利下げ開始時期の後ずれ観測につながる可能性

本日は豪11月CPIが発表される。豪州のCPIは2024年6月以降大きく低下を示し、9月と10月は前年比+2.1%となった。ただし、これは豪政府の電気料金支援策によるものが大きい。これら物価変動の大きいものなどを除いた10月CPIトリム平均は前年比+3.5%で9月の+3.2%から反発している。本日発表の11月CPIトリム平均がさらなるインフレ加速を示す結果となれば、RBAの利下げ開始時期の後ずれ観測につながる可能性もあるため注意しておきたい。

豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目経済指標・イベント

9:30 豪11月CPI

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。5時に豪ドル/円のMACDでシグナルが点灯。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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8日の豪ドル円は 98.50付近で推移

8日の豪ドル円は、98.50付近で推移。

豪ドル円の価格変動要因は、主に以下の5つです。

2022年後半以降、主要通貨に対する米ドル安が進行する裏側で、豪ドル相場が見直され始めています(図1)。

欧州通貨と同じく、豪ドルと円は米ドルに対して上昇余地が大きいと考える。豪ドル/米ドルは2024年6月末までに1豪ドル0.76米ドルまで上昇すると予想する。我々の予想は、アジアの良好な経済環境、国内政策、コモディティ価格の回復がプラス材料となり、オーストラリア経済は持ちこたえることができるという見方に基づいている。このためオーストラリア準備銀行(中央銀行)はタカ派姿勢を維持すると考える。ターミナルレート(利上げの最終到達点)は4%を若干上回る水準を予想しており、今年または来年初頭に利下げが行われる可能性は低いと考える。経常収支が黒字のため、財政状態は健全性が高まっている。米国のオーストラリアに対する金利の優位性が低下したことは、投資家が豪ドルの買いポジションを積み増すきっかけとなるものであり、よって豪ドルが上昇するとみている。こうした見方は、リスク資産を選好する市場のセンチメントにも影響される。

特に豪ドルへの通貨分散を進める上では、次に挙げる4つの点が豪ドル相場のファンダメンタルズの安定を支える要因として注目されます。

豪ドルについては、オーストラリアの国際収支の黒字と中銀のタカ派姿勢維持の見通しを勘案すると、売られ過ぎと我々は見ている。よって、豪ドルは、特に成長重視の投資家には魅力的と考える。また、リスクオフの市場環境では、豪ドルが上昇する可能性は低いだろう。

過去の豪州の利下げ局面の経験では、世界的な金融緩和によって投資家がリスク選好を強める環境(リスクオン相場)は豪ドル・円相場の追い風となる傾向がみられました(図11)。当面のところは米国の金融・財政リスクの行方を引き続き注視する必要があるものの、2024年に向けては主要国の金融緩和への転換などをきっかけに投資家のリスク選好度が改善に向かうかに注目が集まりそうです。

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