日本郵便 業者の違約金引き下げへ
日本郵便は、誤配やたばこ臭クレームなどについて違約金制度を導入しており、一定の金額を目安に各郵便局が決められる。公取委が調査した郵便局の中には1件当たり数万円に及ぶ高額な違約金を設定していた局もあった。
そのため、日本郵便に限らず、親事業者が下請事業者との契約に違約金条項を定め、下請事業者がその条項を理由に親事業者が違約金の支払いを求める仕組み(構図)には問題がありません。
関東地方の郵便局が、ゆうパックの配達を委託した業者から、十分な根拠を示さずに内規で定めた「違約金」を徴収していたとして、公正取引委員会が下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)で日本郵便を行政指導していたことが6日、関係者への取材で分かった。
日本郵便は23年4月の公表時点で、集配を行う郵便局が全国で1074局あり、集配業務を外部委託しているのは約1000局と9割超を占めている。
報道にもありますが、日本郵便が定めた違約金制度が下請法に違法しているわけではないので、誤解しないように注意が必要です。
今回の日本郵便のケースのように、下請事業者である配送業者が「今後の取引に影響するかもしれない」と懸念して、本来支払う必要がない合理性がない額の違約金を支払うことも、「その他不当な経済上の利益」の提供です。
関係者によると、公取委は2023~24年、関東地方にある郵便局と配達委託業者の契約や違約金の運用について調査を行った。配達に関し、誤配や配達ドライバーのたばこ臭などのクレームが利用者から日本郵便側に寄せられた際、金額の根拠や理由について十分な説明がないまま、委託料金と比べて不当に高額な違約金を要求していたケースが確認された。
宅配便「ゆうパック」の配達で誤配やクレームなどがあった際、日本郵便が配達業者から徴収していたのは不当な違約金だった。これをめぐり、昨年6月、公正取引委員会が下請法違反(利益提供要請の禁止)を認定した上で、日本郵便に対して是正を求める指導を行っていた事実が明るみに出た。日本郵便の内規では、誤配や配達ドライバーのタバコ臭などの苦情が、利用者から寄せられた際、配達業者から徴収する違約金の目安額(誤配は5000円、タバコ臭は1万円など)が定められている。ところが公取委が配達業者に課す違約金の運用などの実態調査を実施したところ、日本郵便が「誤配は3万円」「タバコ臭クレームは10万円」など、内規で定められた目安額をはるかに超える、法外な違約金を課していたことが明らかになったのだ。公取委が実施した調査の対象期間は、2023年から2024年までのわずか2年間。調査対象は関東地方にある一部の郵便局に限られている。全国紙の社会部記者は、「明るみに出た事案は氷山の一角にすぎない」として、次のように指摘するのだ。「不当な違約金の徴収は、全国各地の郵便局で行われてきました。日本郵便から委託された配達業者が業務を再委託するケースも多く、孫請けの自営ドライバーが多額の違約金を負担させられたという話も耳にします。そもそも日本郵便が配達業者に支払うゆうパックの委託料は、1個につきわずか百数十円。公取委は違約金制度自体を違法とは認定していませんが、この制度には下請けイジメにつながりかねない一面があるのも事実です」集配を行う郵便局は昨年4月時点で全国に1074局あり、そのうち集配業務を外部委託しているのは約1000局と、全体の9割超を占めている。その後、日本郵便は違法性を認定された違約金の一部返還を進めるとともに、今春までには違約金に関する全国的な統一ルールを整備するとしている。だが末端の配達業者からは、「物流業界に降りかかった2024年問題で運転手不足が深刻化する中、配達ミスやクレームに罰金を課すこと自体が甚だしい時代錯誤だ」との怨嗟の声が上がっているのだとアサ芸プラスは報じてる。
日本郵便は取材に対し、違約金制度はサービスの適切な提供と集配業務の品質向上を目的に導入していると説明。今年4月をめどに違約金の対象や金額を全国的に統一するとした上で、「今後も幅広い観点から検討を行っていきたい」とコメントした。
違約金は日本郵便の内規で、目安額(誤配1件5000円やたばこ臭のクレーム1件1万円など)を定めているが、実際は個々の郵便局が違約金の額や対象行為をそれぞれ設定する運用になっていたという。
日本郵便は12日までに、ゆうパックの配達を委託した業者から徴収する違約金について、4月をめどに現行よりも引き下げると明らかにした。
関係者によると、公取委は2023~24年、関東地方にある郵便局と委託業者の契約を調査。誤配やたばこの臭いといったクレームを巡る違約金を十分な説明なく複数の委託業者から徴収した局があったとして、昨年6月に日本郵便の下請法違反を認定した。この郵便局がある県の他の局も調査していた。
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