豪ドル/円 見通し「2月利下げはあるのか?…16日に雇用統計」注目の高金利通貨 1月12日号

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豪ドル/円 見通し「2月利下げはあるのか?…16日に雇用統計」注目の高金利通貨 1月12日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2025年1月10日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

豪ドル/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週の豪ドル/円は1カ月半ぶり99円台も伸び悩む

 米紙ワシントン・ポストは6日、次期政権下における輸入品への関税を巡り、課税対象を重要品に絞る計画をトランプ氏の側近が検討していると報じました。中国などに対する関税が当初の想定ほど厳しいものにはならないとの見方から豪ドルが買われると翌7日には昨年11月27日以来の99.16円前後まで上昇しました。ただ、トランプ氏がこの報道を否定すると上げ幅を縮小。その後は、8日に発表された豪11月消費者物価指数(CPI)でコア指数にあたるCPIトリム平均値が前年比+3.2%と前月の+3.5%から鈍化したことで、豪中銀(RBA)が2月にも利下げに転じるとの思惑が広がりました。また、9日には豪11月小売売上高が予想を下回ったことで97.67円前後まで下落。10日の日本時間15時時点では98.10円前後で推移しています。

今週の豪ドル/円の注目ポイントは雇用統計

 1月16日(木)に豪12月雇用統計が発表されます。10日15時時点で豪金利先物市場はRBAの2月利下げを7割余り織り込んでいます。豪12月雇用統計が前回11月に続いて予想より良好なら利下げの織り込みが低下する可能性が高い一方、予想より悪化するようなら利下げの確度が高まる公算です。また、概ね予想通りであれば、利下げを巡る市場の最終判断は29日発表の豪10-12月期CPIに持ち越されることになるでしょう。豪ドルは利下げの確度が低下すれば上昇、高まれば下落する見通しで、今週は利下げを巡る思惑が豪ドル/円の値動きを左右しそうです。なお、豪12月雇用統計の市場予想は新規雇用者数1.50万人増(前回3.56万人増)、失業率4.0%(前回3.9%)となっています。

 

今週の豪ドル/円の見通し

予想レンジ
96.000円~99.500円
基調
方向感模索

今週の注目ポイント
☆1/16 豪12月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格

 

豪ドル/円(AUD/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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豪ドル 円 見通し

LSEGによると、東京市場の豪ドル円相場(AUD/JPY)は18日には1ドル=104.48円をつける場面もあった。10日にはニューヨーク市場の終値で109.09円という、1990年10月5日(111.17円)以来、33年9か月ぶりの高値をつけていたが、大きく豪ドル安が進んだ形だ。

今後のFX市場では、25日の米国の4-6月期GDPの発表に合わせ、四半期ベースでの個人消費支出(PCE)物価指数も発表される。31日には米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀行の金融政策の発表もあり、豪ドル円相場が当面、見通しがつきにくい神経質な値動きになる可能性もありそうだ。

さらに15日以降は、豪ドルの対ドルレート(AUD/USD)が豪ドル安方向に振れている。15日に発表された中国の2024年4-6月期GDPの実質成長率が前年同期比で4.7% となり、ロイターがまとめた事前予想の5.1%を下回ったことがきっかけだ。オーストラリア経済は中国との結びつきが強く、中国経済の減速がオーストラリア経済を下押しするとの不安が強まったようだ。豪ドルは15日以降、ドルに対して1.4%ほど安くなっており、ポンドやユーロよりも下落率が大きくなっている。

また、豪州経済のファンダメンタルズの安定も、今後の豪ドル相場を支えると考えられます。

足元の豪ドル安の背景にあるのはドル円相場(USD/JPY)での円高だ。11、12日には日本政府の為替介入があったとみられ、1ドル=161円台から157円台まで円高が進行。さらに17日にはアメリカ大統領選に向けて勢いづいているドナルド・トランプ前大統領がインタビューで円安を問題視したことが材料視され、翌18日には155円台まで円高が進む場面もあった。

過去24時間の相関関係を見ると、ドル円と相関関係だった通貨ペアはありませんでした。 その一方、強い逆相関関係だったのは、ポンド円、ユーロドル、ポンドドルそして豪ドル米ドルです。 逆相関関係だったのはユーロ円、弱い逆相関関係だったのは豪ドル円です。

また、市場では2025年にかけて円高・米ドル安の進行を予想する見方が根強い中において、豪ドルは対円でも安定的な推移が見込まれています。このような豪ドル相場の安定は、豪州の株式や債券などへの投資を進める好機に繋がることが期待されます(図8)。

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