欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は伸び悩みか、米インフレ高止まりも日銀の政策にらみ」
15日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。今晩の米消費者物価指数(CPI)が高止まりなら、米金利高・ドル高で159円台を目指す見通し。ただ、日本銀行の早期利上げ期待や日本の為替介入警戒感がドルの重石となりそうだ。
14日は米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、利下げペース鈍化を巡る観測から米10年国債利回りは1年超ぶりの高水準に上昇。その後低下に転じるとドル売りに振れ、ユーロ・ドルは1.0240ドル台から1.03ドル付近に持ち直し、ドル・円は158円10銭台から157円後半に失速。本日アジア市場で米金利は動意が薄く、ドル買いは後退。一方、日経平均株価の不安定な値動きで円買い圧力が続き、ドル・円は下押しされた。この後の海外市場では、米CPIが想定通り堅調なら米金利上昇に伴うドル買い基調が見込まれる。加えて、ユーロ圏経済の減速懸念やエネルギー価格高騰の影響が欧州通貨の上値を抑え、ドルをサポート。ただ、日銀の目先の会合での政策変更期待が引き続き注目され、円買い圧力は継続。また、日本政府による為替介入の警戒感がドルの上昇を抑制する要因になる。ドル・円は158円台以上で利益確定売りが予想され、上値は重いだろう。
通貨別分析
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株式会社フィスコ
●円の対米ドルレートは 151円台に下落しました
●円の対米ドルレートは、米金利の低下に伴い、緩やかに上昇すると想定します。当面はもみ合い推移が続くものの、先行きはFRBの利下げ開始と日銀の利上げによる日米金利差縮小が円の上昇要因となるとみています。ただし、日銀は連続的な利上げを急がず、円の上昇余地は限られそうです。
●グローバルリート市場(米ドルベース)は、米欧の長期金利が低下したことを好感し、上昇しました。S&Pグローバルリート指数のリターンは前月末比+2.2%でした。また、円ベースのリターンは、為替効果がプラスに寄与し、同+3.3%となりました。
●円の対米ドルレートは、151円台に下落しました。日銀のマイナス金利政策解除の観測から月中旬に円高に振れましたが、実際に日銀が大規模金融緩和を大きく修正すると、日米金利差が開いた状況が長く続くと見込んだ円売り・ドル買いが優勢となり、円安が進みました。
●円の対豪ドルレートも、日豪金利差が開いた状況が長く続くと見方などから下落しました。
●円の対豪ドルレートは、当面レンジ内でもみ合うものの、先行きは豪州中銀の利下げと日銀の利上げが意識され、緩やかに上昇すると予想しています。
円の対米ドルレートは、日銀が大規模緩和政策を大きく修正したものの、日米金利差が開いた状況が長く続くとの見方が優勢となり、151円台に下落しました。
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