タワマン高級ホテル 開発が加速
25年の万博開催が呼び水となり、市内にはIHG以外にも外資系の高級ホテルブランドが同年までに複数立ち上がる見通しだ。長年、高級ホテルが少なかった大阪で、23年から開発が一気に加速する。海外から万博を訪れる富裕層や各国関係者などの宿泊需要を取り込める最高峰ブランドになるべく、大阪では万博とともにホテルの頂上対決が勃発する。
JR大阪駅前で進む大規模再開発「グラングリーン大阪」で、駅に近い南街区に建つ賃貸棟「南館」が2025年3月21日に開業する。オフィスやホテル、温浴施設、ショップなどが新たにオープンする。
大阪・堂島のマンション・ホテル一体型の高層ビル「ONE DOJIMA PROJECT」(大阪市北区)は、容積率緩和制度が同市で初めて適用され、東京建物が24年5月に開発した。
インバウンド(訪日客)の急増で受け皿となるホテルへの投資熱が高まる中、マンションと一体開発する事例が増えている。宿泊施設の容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)緩和でホテルの高層化が容易となったが、初期投資がかさむホテルをマンションと一体化することでリスク分散を図る狙いがある。マンション住人にとっても、管理費などの負担なくホテルの客室や設備を共用施設のように使える魅力があり、富裕層のニーズを取り込んでいる。
東京建物の分譲マンション「Brillia Tower 堂島」と高級ホテル「フォーシーズンズホテル大阪」が一体化した、日本初の超高層複合タワーが大阪・堂島で竣工した。高さ195mのタワーは住宅とホテルの境目を曖昧にした外観デザインが特徴だ。
ロイヤルホテルは15年ごろから、ホテルの建て替えを含めた中之島5丁目地区の再開発協議に関与してきた。そのさなか、コロナ禍で業績が悪化。22年にはBGOと話し合いを始め、今回の決断に至った。
中之島は大阪市内で、今後の再開発が一層活発になる地域だ。中でも、22年に開館した「大阪中之島美術館」の西側、まさにリーガロイヤルホテル(大阪)が立つエリアは、新しい大阪を象徴する場所の1つになりそうだ。31年に開業予定の「なにわ筋線」は、23年3月に開業する「大阪駅(うめきたエリア)」を起点とし、次の駅は新設される「中之島駅(仮称)」になる。
2025年4月に開幕する大阪・関西万博のパビリオンや、万博を見据えた関西圏の再開発プロジェクトを...
堂島ではまた、三井不動産グループが27年春の完成を目指し、グループ初の分譲マンションとホテルの一体開発に乗り出している。約161メートルの高層ビルで「三井ガーデンホテルズ」の上位ブランドが入る計画だ。
加速する複合ビルの開発だが、東京は従来のホテルとオフィスの同居が主流なのに対し、地方でマンション同居型が目立つという。企業の東京一極集中の流れは変わらず、「地方におけるオフィス需要は限定的」(大手開発業者)というのがその理由だ。住宅なら全国的な需要が見込め、郊外の戸建てを売却して駅の近くに住み替えたり、東京と地方を出張などで行き来するためのセカンドハウスとして使ったりするニーズもある。
ヴィニェット コレクションを含めた前述の5件のホテルに比べると、日本での知名度が圧倒的に高いフォーシーズンズホテルズ&リゾーツも24年に堂島で開業予定である。フォーシーズンズはタワーマンションと合体し、タワー型の同じ建物「ONE DOJIMA PROJECT」に入居することでも話題になっている。
2022年3月に完成した「梅田ガーデン」(大阪市北区)はJR大阪駅から至近の好立地にあり、地上56階建ての4~8階部分がホテルで、高層部に賃貸マンションを備える。マンションの1カ月の家賃は最高額が数百万円となるが、開発した住友不動産の広報担当者は「ホテル・賃貸マンションとも稼働率は95%を超え、ほぼ満室」とする。
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