メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年1月17日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
トルコリラ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のトルコリラ/円は1カ月ぶり安値へと下落
13日には4.460円前後まで強含む場面もありましたが、15日に植田日銀総裁が前日の氷見野副総裁に続いて「来週の会合で利上げを議論して判断する」と述べたことで円買いが強まると一時4.4円台を割り込みました。日銀の利上げ観測がさらに高まった16日には4.338円前後まで続落して昨年12月13日以来の安値を付けました。17日の東京市場ではドル/円の下げ渋りでやや値を戻しましたが、ドル/リラが過去最高値(リラの最安値)を更新する中で戻りは4.37円台までにとどまっています。
今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀
23日(木)にトルコ中銀が政策金利を発表します。中銀は前回の12月会合で1年10カ月ぶりに利下げを決めましたが、その際に「今回の決定は今後の会合で金利が引き下げられ続けることを必ずしも意味するものではない」「インフレ見通しに焦点を当て、会合ごとに慎重に決定を下す」と表明しました。ただ、17日に中銀が発表した1年先の予想インフレ率は25.38%と前回の27.07%から低下。実際のインフレ率(12月)が44%台に鈍化していることも踏まえると、23日に追加利下げに動く公算が高そうです。インフレ鈍化に伴う超高金利からの利下げはリラにとって必ずしも弱材料とは言えませんが、米国のトランプ次期大統領が課すであろう輸入関税によるインフレ再加速の思惑がくすぶる中、ドル高基調が続けば相対的にはリラの下落材料になり得るでしょう。その意味では20日(月)に行われるトランプ氏の米大統領就任演説にも注目です。
今週のトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
4.250円~4.450円
基調
下値警戒
今週の注目ポイント
☆1/23 トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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注目すべきは 対トルコリラでも円の下落幅が拡大していることである
2029年2月のトルコリラ円予想。当月始値 2.997、最低 2.997、当月最高 3.133。平均 3.054。月末 3.087。変更 3.0%。
トルコリラ円が下値をトライする局面では、サポートラインとして意識されている10日線の維持が焦点となろう(上の日足チャート、緑ラインを参照)。現在サポートラインとして意識されている4.400の下方ブレイクは、10日線をトライするサインと捉えたい。
2023年の相場環境を踏まえて、2024年のトルコリラ円相場の注目点をまとめてみました。
インフレ率が上がれば、お金の価値が下がるので当然トルコリラは売られます。
トルコリラは対米ドルで最安値圏にある。そのトルコリラに対して円が売られている状況は、それだけ現在の円安圧力が強いことを示唆している。
2026年8月のトルコリラ円予想。当月始値 3.960、最低 3.783、当月最高 3.960。平均 3.886。月末 3.841。変更 -3.0%。
インフレ率に比較して、政策金利が低いとトルコリラが売られます。
2028年12月のトルコリラ円予想。当月始値 3.078、最低 2.941、当月最高 3.078。平均 3.021。月末 2.986。変更 -3.0%。
トルコリラ円が10日線をも下方ブレイクする場合は、直近1ヶ月の高安のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4.344レベルのトライが焦点に浮上しよう。このテクニカルラインは、レジスタンスからサポートへ転換する可能性がある(上の日足チャート、グレーラインを参照)。
2026年9月のトルコリラ円見通し。当月始値 3.841、最低 3.670、当月最高 3.841。平均 3.770。月末 3.726。変更 -3.0%。
2026年3月のトルコリラ円見通し。当月始値 4.160、最低 3.974、当月最高 4.160。平均 4.082。月末 4.035。変更 -3.0%。
月初来の円相場の騰落率を確認すると、対米ドルで円安が進行していることが分かる。注目すべきは、対トルコリラでも円の下落幅が拡大していることである。
以上のことから、「エルドアン大統領の動向」「地政学リスク」「インフレ」の3点に大きな変化がない場合、2025年のトルコリラ円は安値を更新する可能性があります。
2026年4月のトルコリラ円予想。当月始値 4.035、最低 3.855、当月最高 4.035。平均 3.960。月末 3.914。変更 -3.0%。
一目均衡表の遅行線が日足ローソク足の上で推移している(上の日足チャート、紫のラインを参照)。この動きは、トルコリラ円(TRY/JPY)の地合いの強さを示唆している。
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