米の対中追加関税 日本企業に打撃

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米の対中追加関税 日本企業に打撃
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 米の対中追加関税 日本企業に打撃

米の対中追加関税 日本企業に打撃

そして、トランプ第一次政権においては、2020年1月に第一段階の日米貿易協定が発効し、日本の農産物市場における米国産品の参入がそれ以前よりも容易になった(コメは例外)。しかしながら、米国は日本に対して、依然としてジャガイモやチーズなどの農産物市場における自由化を迫る余地があると考えている。

第2次トランプ政権の通商政策が世界や日本の貿易に与える影響を予測する上で、第1次政権の政策効果を振り返るのは有益である。第1次政権では、自動車や鉄鋼製品などの幅広い品目について、中国からの輸入に対して25%の追加関税を課す措置を行った。

米国の貿易赤字に占める日本のシェアが2018年から23年にかけて低下したのは、これまで長年にわたって、日本企業が米国での現地生産を拡大してきたことが背景にある。実際に、日本企業は今後も米国でのEV(電気自動車)やバッテリーなどの生産拡大を検討しており、日本はトランプ大統領に対して、米国での現地化の促進が効果を上げていることを積極的に伝える必要がある。

2018年における米国の国別の貿易赤字のランキングを見てみると、表1のように、日本は4位であったが、2023年には一つ順位を落とし5位であった。そして、23年の全体の貿易赤字に占める日本のシェアは6.7%となり、18年の7.6%のシェアよりも0.9%ポイントほど減少した。

ただし、世界一律10~20%のユニバーサル・ベースライン関税は、鉄鋼・アルミ・銅などの防衛産業に関わる品目、医療用品、バッテリー、レアアース、太陽光パネルなどの品目に対象を絞って適用される計画があると報じられており、それが正しいとすれば、アジア各国の対米要求はもう少し的を絞ったものになると考えられる。これは、アジアだけでなく日本も同様である。

中国家電大手・海信集団(ハイセンス)傘下、海信家電集団の鮑一副総裁が12日、中国南部・広東省仏山市の本社で日本メディアの取材に応じた。鮑氏はトランプ次期米大統領が掲げる対中関税引き上げについて「米国市場で販売される家電の多くは中国産だ。関税(引き上げ)などの貿易政策が多く打ち出されるほど、米国内の消費者に打撃を与えることになる」と懸念を表明した。

日本は同期間において米国の貿易赤字に占めるシェアを低下させたが、メキシコ・カナダは逆にシェアを拡大した。メキシコは18年においては9.1%のシェアを占めていたが、23年には14.4%となり、18年からの5年間でシェアを5.2%ポイントも増加させた。カナダも同様に、18年の2.2%から23年には6.4%となり、5年間で米国の貿易赤字に占めるシェアを4.0%ポイントも増加させた。

もしも、トランプ大統領が日本に対して10~20%のユニバーサル・ベースライン関税に加えて、同時に通商拡大法232条などの発動をちらつかせながら自動車・同部品や医薬品及び農産物等の自由化を要求するならば、それに対する日本の抵抗は強まるものと予想される。

日本としてはトランプ次期大統領の気まぐれな発言に振り回されることなく、より長期的な視点から国益にかなった政策を着実に実行していくことが求められる。例えば貿易への新規参入支援を通じた寡占的貿易構造の是正やTPPの拡大などを通じた自由貿易体制の維持、対日投資の促進による国内経済の活性化などが挙げられる。

表1のように、米国の2023年の対日貿易赤字は712億ドルと依然として高水準ではあるが、2018年からの5年間で、わずかに35億ドルしか増加しなかった。ところが、その間に米国はメキシコとは709億ドル、ベトナムとは651億ドル、カナダとは481億ドル、韓国とは335億ドルも貿易赤字を増やしており、いずれも日本よりも一桁多い増加額を記録した。米国はインドやタイとの間でも貿易赤字を200億ドル以上、ドイツやイタリアとの間でも100億ドル以上も増加させた。

トランプ米政権による中国への10%の追加関税は、中国で製品をつくり米国へ輸出している日本企業にとり打撃となる。関税の引き上げでコスト負担が増え、経営が圧迫される恐れがあるからだ。企業は対応に乗り出しており、大阪の計測器メーカーは2月にも米国向け生産の一部を中国から、現時点では高関税が想定されない日本へ切り替える方針。大手も東南アジアへの移管を検討しており、この動きは今後も広がりそうだ。

そもそも、中国生産を第三国・地域へ移管させる動きがみられたケースを、米中貿易摩擦が加速化させたものとして、旭化成のように、中国から日本への樹脂製品の生産移管を2018年8月に前倒ししたケース(注11)などが報じられている。

トランプ氏が11月25日に表明した関税政策の影響について、日本経済新聞社が日本貿易...

他方、日本などは米中の貿易戦争による「漁夫の利」を得る一方、関税の直接的な負の効果に打ち消され、影響は比較的軽微だ。世界全体ではほぼすべての産業が被害を受け、GDPは0.8%減という予測だ。

したがって、2018年からの米国の貿易赤字の増加額で判断する限り、トランプ第二次政権は日本よりもカナダやメキシコ、さらにはベトナムなどのアジア諸国に目を向けざるを得ないと考えられる。

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