24日の日経平均は5日ぶり反落。終値は26円安の39931円。米国株高を受けて3桁上昇スタート。前場では幅広い銘柄に買いが入り、上げ幅を200円超に広げた。後場が始まる直前に日銀は金融政策を発表。大方の予想通り、0.25%から0.50%への追加利上げが決定された。織り込み済みの内容でもあったことから、後場のスタート直後には上げ幅を300円超に広げる場面もあった。
しかし、結果発表直後に上下に振れたドル円が次第に円高に傾斜したことから、楽観ムードが急速に冷え込んだ。13時台半ばにはマイナス転換。下げ幅を3桁に広げたところでは切り返して再度プラス圏に浮上したが、戻した後は買いが続かず、小幅な下落かつ、4万円を下回って取引を終えた。グロース250指数は前場で大きく水準を切り上げると、後場は失速することなく高値もみ合いが続き、2.6%高と大幅な上昇となった。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5000億円。業種別ではその他製品、海運、証券・商品先物などが上昇した一方、輸送用機器、石油・石炭、ガラス・土石などが下落した。証券会社の新規カバレッジが入った任天堂が大幅上昇。半面、3Q累計で減益着地となったカイノスが、後場マイナス転換から下げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1044/値下がり516。売買代金上位ではフジメディアや三菱重工が大幅上昇。大型株に手がけづらさがあった中、リミックスポイント、フィスコ、メタプラネットなど暗号資産関連が人気化した。月次データが好感されたGENDAが急騰。1:5の株式分割を発表したグロービングが終値で大台の1万円を上回った。
一方、3Q決算発表の先陣を切ったディスコとニデックがともに大幅安。米国で半導体株が弱かったことから、東京エレクトロン、SCREEN、ソシオネクストなどが売りに押された。ソフトバンクGやソニーGなどグロース系の銘柄がやや大きめの下落。後場に為替が円高に振れたことから自動車株が軒並み安となっており、「ホンダ・日産連合」への合流を見送るとの観測が報じられた三菱自動車が6.9%安となった。
日経平均は小幅安。前場と後場で雰囲気は変わったが、日銀会合の結果発表前に大幅高となった前場が楽観的すぎたとみるべきだろう。マイナス圏に沈んだ後に大崩れすることなく値を戻しており、押し目を待っていた投資家が多かったことがうかがえる。
今週は新大統領に就任したトランプ氏の言動が注目を集めたが、グローバルマーケットはポジティブな材料には強く反応し、ネガティブな材料には耐性を示した。米国では23日にS&P500が史上最高値を更新。ダウ平均も2万ポイント台を回復して史上最高値に接近している。好発進できたことでトランプ氏の「良い側面」がクローズアップされ、リスクを取りやすい地合いがしばらく続く可能性がある。
【来週の見通し】
堅調か。イベントは28日~29日のFOMCが注目されるが、今回は利下げ見送りが濃厚とみられている。トランプ新大統領から利下げを催促する発言が出てきている点は悩ましいが、織り込みも進んでおり波乱は少ないだろう。日米で決算発表が多く、個別物色が盛り上がる時期に入ってくる。米大統領就任式を大きな波乱なく通過したことで、投資家はリスクを取りやすくなっている。中国が春節休場に入ることでインバウンド需要増への期待が高まりやすいことも日本株にはフォローの流れ。ある程度のボラティリティを許容しながら、好材料に強く反応して水準を切り上げると予想する。
【今週を振り返る】
大幅高となった。日経平均は20日から23日まで4日続伸。値幅の出る日も多く、この4営業日で1500円近く上昇した。トランプ氏が第47代のアメリカ大統領に就任したが、就任式前の米国株に強い動きが見られたこと、市場で警戒された関税発動が就任初日では見送られたこと、トランプ新大統領がAI開発に巨額の投資を実施すると表明したことなどから、リスク選好ムードが高まった。日銀金融政策決定会合では、0.25%から0.50%への利上げが決定された。事前に十分すぎるほど織り込みは進んでいたが、結果を消化した24日は前場に大幅高、後場にマイナス転換と動きが荒くなった。木曜までの貯金が大きく、週間では4桁の上昇。日経平均は週間では約1480円の上昇となり、週足では4週ぶりに陽線を形成した。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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