今週のNY市場はメガキャップの決算発表と金融政策に注目。先週はダウ平均が2.15%高、S&P500が1.74%高、ナスダック総合が1.65%高とそろって2週続伸した。20日に米大統領に就任したトランプ氏の関税政策が警戒されたほど厳しいものではないとの見方が安心感につながったほか、オラクルやオープンAI、ソフトバンク・グループが共同でAIインフラに5000億ドル以上を投資する計画を発表したことが株式相場の追い風となったほか、ダボス会議にオンライン参加したトランプ米大統領が、米国の政策金利が直ちに引き下げられるべきだ、サウジアラビアなどの産油国に原油価格の引き下げを要求するなどと発言したことも相場の後押し要因となった。S&P500は22日から24日まで3日連続で取引時間中の史上最高値を更新し、終値でも1カ月半ぶりに過去最高値を更新した。
今週はメガキャップの決算発表と金融政策に注目が集まる。S&P500の時価総額の約40%を占めるマグニフィセント・セブンの内、水曜日にメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラが、木曜日にアップルが決算を発表する。相場をけん引するメガキャップの決算やガイダンスが強い結果となれば、最高値圏で推移する米国株のさらなる上昇期待が高まりそうだ。金融政策を巡っては水曜日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)に要注目となる。今会合では政策金利の据え置きが見込まれているものの、トランプ大統領が利下げの必要性に言及しており、結果や会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長記者会見が注目される。このほか、木曜日に10-12月期GDP速報値、金曜日に12月個人消費支出(PCE)価格指数が発表予定で、足もとの景気動向やインフレ動向にも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは2月シカゴ連銀全米活動指数、12月新築住宅販売件数など。企業決算は寄り前にスーパー・マイクロ・コンピューター、AT&T、引け後にニューコア、ブラウン・アンド・ブラウンなどが発表予定。(執筆:1月27日、14:00)
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
焦点はいずれも業績の見通し(ガイダンス)にある
今週のFOMCでは利下げの見送りが織り込まれている。よって焦点は、パウエルFRB議長の定例会見となろう。特にインフレの見通しについてどのような見解を示すのか?この点に注目したい。トランプ政策がインフレに与える影響を見極める姿勢-時間とデータが必要との姿勢をパウエルFRB議長が強調する場合、今年前半の利下げ期待が後退することが予想される。
【NQNニューヨーク=横内理恵】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は10日続落し、15時現在は前日比492ドル19セント安の4万2957ドル71セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が2025年の利下げペースが鈍化する見通しを示した。金利の高止まりへの警戒などから、売りが広がっている。下げ幅は500ドルを上回る場面がある。
FRBは18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り、0.25%の利下げを決めた。あわせて公表したFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)は中央値で2025年に0.25%の利下げ2回を示す水準となった。前回9月時点の4回から半減した。
今週もAI相場の株高が続くのかどうか?この点を見極めるうえで特にメタ、マイクロソフト、アップルの決算に注目したい。焦点はいずれも業績の見通し(ガイダンス)にある。巨額投資に見合うだけのガイダンスを示すことができれば、米国株を下支えするだろう。
ウォール街でも、25年の相場見通しの話になると、関税と移民送還の不透明性から、実質的な議論がそれ以上進まなくなるのが実態である。だからこそ、「25年のサプライズシナリオがFRBの利上げ再開」と言われても、にわかに反論もできないわけだ。
今後の展開としては、来週の12月のFOMC後に発表されるFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)が注目される。
12/18(水)に結果が発表されたFOMC(連邦公開市場委員)で、2025年の利下げ回数の見通しが9月時点の4回から2回に引き下げられたことを受けて米10年国債利回りが4.5%近くまで上昇、S&P500指数は2.9%の下落となりました。
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