このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
マドを空けてペソ急落…コロンビア関税は他人事ではないとの見方
米国のトランプ大統領は26日、米国から不法移民を強制送還する航空機の受け入れを拒否したとしてコロンビアに25%の緊急関税を課すと発表した。これを受けて27日のメキシコペソ/円は、前週末の終値から約0.9%下落してスタート。東京時間には約1.4%安い7.588円前後まで下値を拡大する場面もあった。その後、コロンビアが不法移民の受け入れに同意したとして米ホワイトハウスが関税の撤回を発表するとペソ/円はやや値を戻したが下げを埋めるには至っていない。なお、トランプ米大統領はメキシコとカナダにも2月1日までに25%の関税を課す方針を示している。このためコロンビアの関税を巡る報道に「他人事ではない」との見方からペソが敏感に反応したと考えられる。米政権は不法移民や違法薬物の流入を巡るメキシコとの交渉にも厳しい姿勢で臨む可能性が高まっている。仮に関税が発動されれば、米国向けが輸出全体の8割を占めるメキシコにとって経済的な打撃は大きい。このため、ペソは当面上値の重い展開が続きそうだ。
メキシコペソ/円 日足チャート
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お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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メキシコペソは対ドルで1%超下げている
リスク回避の動き強まる、トランプの対コロンビア関税受け2月1日の懸念再燃 メキシコペソ下げきつい不法移民を巡りトランプ米大統領がコロンビアに25%関税を課すと発表、さらに1週間以内に50%に引き上げる方針だ。これにより2月1日のメキシコとカナダ、そして中国に対する関税への警戒感が高まっている。週明け金融市場ではリスク回避の動きが強まっており、円とドルが上昇。メキシコペソは対ドルで1%超下げている。オフショア人民元は対ドルで0.3%下落。オセアニア通貨の下げもきつい。豪ドルは対ドルで0.4%安、豪ドル円は98円台を割り込んでいる。時間外でナスダックは1%超下落、ダウは100ドル超下げている。このあとのアジア株式市場も下落して始まる見通し。
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