中期的なトレンド転換の可能性が高まっている【外為マーケットビュー】
配信期間:公開日から2週間
※原則隔週の配信となります。次回配信は2月12日 (予定)
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の要約・まとめ
市場環境の変化:
– 中国のDeepSeek社が高性能・低コストの生成AIを開発し、話題となる
– これにより、AI分野での米国の技術的優位性が脅かされる可能性が浮上
– その結果、市場でリスク回避の動きが強まり、円買い圧力が増加
– 特にIT関連銘柄が多いNASDAQで急落、ただしNYダウは底堅い展開
ドル円相場の詳細分析:
1. 重要な技術的レベル
– 155円のサポートラインを下抜け(2022年3月からの上昇トレンドライン)
– 156.20-30円が新たな上値抵抗として機能
– 154円割れで、151-150円までの円高進行リスク増大
2. チャート上の注目ポイント
– 昨年9月の139.58円と12月の148円を結ぶトレンドライン
– 161.76円(直近高値)と11月の戻り高値を結ぶライン(154円付近)
– 158.87円(1月10日高値)からの下降トレンドライン
ユーロ円相場の詳細:
1. 主要レベル
– 162円が当面の重要サポート
– 163.70-80円に強い上値抵抗
– 160円が重要な下値抵抗ライン
2. トレンド分析
– 中期トレンドは弱含み
– 164円台と166円台に二重の上値抵抗
– 157円割れで本格的な円高トレンドへの転換リスク
– 158円に横のサポート存在
豪ドル円相場の詳細:
1. 重要価格帯
– 95円が強力な心理的・技術的抵抗線
– 98.40-50円での上値トライ失敗が重要
– 96円台に横のサポートゾーン
2. テクニカル状況
– 21日移動平均線が97.70円でキャップとして機能
– 200日移動平均線は100円台で上値を抑制
– 95円割れで94円、その後90-92円まで下落の可能性
今後の市場展望:
1. 短期的な注目点
– FOMCでの利下げ見送りは市場で織り込み済み
– 株価指数の動向が為替相場に影響を与える可能性
– IT関連株の調整が続く可能性
2. トレード戦略
– 押し目買いは可能だが、こまめな利食いが重要
– サポートラインを意識した慎重な取引が必要
– トレンド転換の可能性を考慮した柔軟な対応が必要
総合的な結論:
1. 全体的に円高リスクが高まっている状況
2. 各通貨ペアで重要なサポートラインを割り込む展開が進行中
3. 中期的なトレンド転換の可能性が高まっており、慎重な取引姿勢が求められる
4. 短期的な戻りを狙う場合も、こまめな利食いが推奨される
5. テクニカル面での下値サポート割れに要注意
目次
00:00 相場の振り返り
02:29 ドル円分析
06:54 ユーロ円分析
10:58 豪ドル円分析
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川合美智子氏
外国為替ストラテジスト
旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より、テクニカル分析の第一人者、若林栄四氏の下でテクニカル分析を研究、習得する。同行退職後、1998年まで在日米銀などでカスタマー・ディーラーや外国為替ストラテジスト、資金為替部長を歴任。現在は外国為替ストラテジストとして、テクニカル分析に基づく為替相場レポートを発信中。各種メディアへの出演も多数。
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ドル円解説 DeepSeekショックで下落の黄色信号一番重要なラインを割ってしまった FX
為替市場の電子化・自動化が進み、こうした相場の急変が増えてきている。フラッシュ・クラッシュは、電子取引が市場のブレを加速させているだけに、落ち着けば「往って来い (相場がある水準まで上下したときに、もとの水準まで戻ること) 」になる場合も多い。FXではなく外貨預金のように中長期で保有するのであれば過度に不安になる必要はないが、大型連休や早朝などの流動性の低いときは大きなポジションをとらないような注意が必要だろう。
アップルの事例も、下方修正を景気のネガティブ材料と判断したアルゴリズムがドル売りの自動注文を出したが、年初で薄商いだったために、108円の節目前後にあった大量のストップロスオーダー (逆指し値注文) を執行させてしまった。相場の流れが変わったことで高速売買を順張りで行いながら、サヤ取りを繰り返すHFTがさらにドル円の変動を加速させたものと推察される。
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米連邦公開市場委員会 (FOMC) や米雇用統計などといった重要な経済イベントの発表直後にドル円相場が急変することが多いのはAIが自動的に材料を判断しアルゴリズムが注文を執行しているためだ。
2019年1月3日早朝にドル円相場のフラッシュ・クラッシュが発生、わずか5分程度で4円程度の急落を見せた。日本は正月休みのため市場参加者が少なく、薄商いのシドニー為替市場で起こった。
米ドル/円は年末年始を越えた頃に160円台の シナリオも十分あり得る。2024年最後のFOMCと 日銀会合で何が起こっていたのか?
その他、有名なものとしては2016年10月7日に発生した英ポンドのフラッシュ・クラッシュがある。ブレグジットが国民投票で決まった後の不安定な相場ではあったが、やはり日本時間の早朝にポンドドルが1.26ドル台から1.14ドル台に急落した。わずか数十秒で約9%の急落だった。
アップルの売上動向や設備投資動向はその影響力から世界景気を左右する指標になっており、世界景気の低迷を懸念してリスクオフの円高になったというのが一般的な見方である。フラッシュ・クラッシュ後にドル円はすぐに107円台まで戻したが、翌3日のアップル株は約10%安と急落、NYダウも660ドル (2.8%) 安とフラッシュ・クラッシュは株式市場をも直撃した。
主因は「アップル・ショック」という見方がある。米アップルのティム・クックCEOが米国時間1月2日に、中国でのiPhone落ち込みが厳しく、2018年10~12月期の売上予想を従来見通しの890億ドル~930億ドルから840億ドルに下方修正することを発表した。
米ドル/円は155~158円を想定したレンジトレードで 臨みたい。日銀が利上げしても相場への影響は限定的か?
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