
◆ドル円、雇用統計始め米重要指標に注目
◆ドル円、引き続き米関税政策の行方には警戒
◆ユーロドル、景気悪化懸念や追加利下げ観測から上値重い
予想レンジ
ドル円 152.50-157.00円
ユーロドル 1.0000-1.0500ドル
2月3日週の展望
ドル円は、米経済指標に一喜一憂する展開が想定される。日米金融イベントを通過したが、日銀・米連邦準備理事会(FRB)ともに今後の金融政策については慎重な姿勢を示しており、現時点では方向性をつかめないといった状況だ。日銀は23-24日の会合で0.50%への利上げを決定したものの、植田日銀総裁は記者会見で「利上げのペースや時期については予断を持たず、そのときの経済・物価情勢を慎重に見て判断」との見解を示した。また、FRBは28-29日のFOMCで利下げの休止を発表し、「インフレは2%の目標に向けて進展してきた」との文言を削除したことでタカ派的と見られたが、パウエルFRB議長が会見で「追加利下げにはさらなるデータが必要だとの見方は変わっていない」と述べた。今後の手掛かりを得られなかったことで市場では手詰まり感が出ているが、日米ともに共通するのは今後のデータ次第であるという点であり、目先の経済指標に対して敏感に反応しそうだ。
来週は2月に入って3日に1月ISM製造業景況指数、4日に12月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、5日に1月ADP雇用統計や1月ISM非製造業景況指数、6日には10-12月期四半期非農業部門労働生産性・速報値、7日は1月雇用統計が予定されている。
また、引き続き米政権の関税政策には注意したい。トランプ米大統領は、30日には予定通りカナダとメキシコに対して2月1日から関税を課す考えを改めて表明し、為替市場では一時ドル高が進んだ。週末に3国間の協議次第では撤回される可能性も残されているが、週明けのオセアニア市場の動きには警戒が必要だろう。
ユーロドルは、頭の重い展開が想定される。欧州中央銀行(ECB)は30日の定例理事会で4会合連続での利下げを決定し、声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」との見解が示された。ただ、ラガルドECB総裁は記者会見で追加利下げの可能性を排除しなかった。同日発表の仏・独・ユーロ圏の10-12月期国内総生産(GDP)速報値がいずれも弱い内容となるなど、欧州の景気悪化懸念が一段と高まるなかでユーロ売りが再び強まる可能性はあるだろう。
1月27日週の回顧
ドル円は一進一退。中国の新興企業の最新AIモデルを巡ってハイテク株中心に米株価指数先物が急落すると一時153.72円と昨年12月18日以来の安値を付けた。ただ、米政権の関税政策に対する警戒感からドル買いが優勢になると一転して反発。一時155.98円まで切り返した。一方、週末にかけては月末絡みの売りも観測されて再び153.79円まで失速した。
ユーロドルは上値が重い。週明けこそ1.0533ドルまで上昇したが、米関税政策への懸念でドル高が加速すると1.0383ドルまで一転下落した。(了)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
日銀は12日 16日の当座預金残高の見通しを公表した
こちら以前のレポートは今週の為替相場見通し(アーカイブ)をご覧ください。
2025年の1年間を通して12月FOMC(米連邦公開市場委員会)で示されたドットプロットでは米国が0.5%の利下げ見通しと大きく上方修正されました。一方で、日銀会合はハト派な内容となり春闘後に0.25%の利上げが行われる程度という見方がコンセンサスとなってきました。つまり日米金利差は今後1年かけて0.75%しか縮小しないという見方が固まりつつあり、このことが現在の米ドル買い材料の最大の要因になっていると言えます。
日銀は12日、16日の当座預金残高の見通しを公表した。それによると、為替介入などが反映される「財政等要因」はマイナス3兆1700億円だった。
パウエル氏のインタビュー以外では、カンザスシティ連銀主催のイベントで経済見通しについての講演を行うウォラーFRB理事(日本時間17日22時35分)や、今年FOMCの投票権を持つリッチモンド地区連銀のバーキン総裁の発言にも注目したい。バーキン氏はメリーランド州ランドーバーで経済についての講演を行う(日本時間17日22時)。
◆年末年始で薄商いのなか、ドル高・円安は続きそう◆ポンド、今年は高いパフォーマンスを記録◆加ドル、利下げ継続思惑や経済見通しの不透明感で重い動きが続きそう予想レンジポンド円 195.00-201.00円加ドル円 108.00-111.50円12月30日週の展望 クリスマスが終わり、年末年始で閑散取引は継続。薄商いのなか手がかり以上の大きな値動きが見られる可能性はあるが、基本的には市場参加者が少なく新規材料も乏しいことで手控えムードが続きそうだ。12月の日銀会合後の植田総裁の会見はかなりハト派と市場が受け止めたなか、今週の同総裁の講演が注目されたが、内容はほぼ変わらずだった。薄商いのなかでドル高・円安の流れが続きそうだ。 今年のポンドは主要通貨のなかでドルに次ぐパフォーマンスとなった。対ドルでは1.27ドル半ばでスタートし、この水準を上回って今年を終えるのはやや厳しくなっているが、179円前半で始まったポンド円は上昇して今年を終えることはほぼ確実。年初、市場ではイングランド銀行(英中銀、BOE)の年内6回の利下げ見通しが大勢だったが、結局、利下げは2回と1月の予想とは大きく異なった2024年。ポンドの高いパフォーマンスにつながった。 ベイリーBOE総裁は来年に4回の利下げが行われる可能性が高いと述べているが、市場は現在、2-3回にとどまると想定している。来年最初の2月会合で利下げと据え置きに見方が分かれており、経済データなどでBOEの決断を見極めることになる。直近の11月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と一段と上昇し、10月から伸びが再加速している。また、来年1 月以降、標準的な世帯の光熱費支払額はさらに1.2%程度上昇する見込みであり、私立学校の授業料に付加価値税が課せられ、バス運賃の上限が引き上げられるため、CPIのうちサービスは0.3%程度押し上げられる見通しである。BOEが積極的な利下げ姿勢に転じるのはなかなか難しそうだ。 今年の加ドルはさえない動きとなった。今年1.32加ドル前半でスタートしたドル/加ドルは12月には1.44加ドル台と2020年3月以来の加ドル安が進んだ。106円半ばで始まった加ドル円は118円後半まで上昇するも一時101円台に失速し、やや上昇して来年を迎えそうだ。 カナダ中銀(BOE)が主要国のなかで一番積極的に利下げを行ったことが加ドル売りを後押した。BOCは6月会合から5会合連続で利下げを実施。10・12月会合では0.50%の大幅利下げに踏み切った。カナダの雇用市場は依然として軟調で、インフレ見通しも抑制される公算が大きく、現在3.25%の政策金利は来年年央まで2.50%まで引き下げられる可能性がある。また、トランプ次期米政権によるカナダに対する新たな関税の可能性などにより、経済見通しに不確実性が高まっており、加ドルの上値の重い動きが続きそうだ。12月23日週の回顧 ドル高・円安地合いが維持されるも、クリスマス休暇で市場参加者も少ないなか、相場全体が小動きとなった。ポンドドルは1.25ドル台、ドル/加ドルは1.44加ドルを挟んでの小動き。ポンド円は198円近辺、加ドル円は109円後半までの小幅高にとどまった。(了)*FX WEEKLYは本日が年内最終配信となります。2025年年初の配信は1月10日となります。
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