
本日のロンドン為替市場でユーロドルは、昨日ニューヨーク市場からの流れが引き継がれて上値余地を試す展開か。ただ序盤は、東京朝から動意付いた円相場中心の値動きとなりそうだ。欧州午後(NY序盤)には1月米雇用統計の前哨戦とされる同月ADP全米雇用報告が発表され、結果を受けてレンジを広げる可能性もあるだろう。
東京朝に発表された日本の賃金統計が総じて強い結果となり、本邦金利の先高観が高まると為替は円買いが優勢となった。政府高官のインフレ認識発言もドル円やクロス円の重しとなったもよう。欧州中央銀行(ECB)が依然として利下げモードの中で日銀の追加利上げ観測がでると、ユーロ円はどうしても敏感に反応せざるを得ないようだ。
ただ、次の日銀金融政策決定会合までは1カ月以上あり、金利のみで一方的に相場が動くとも考えづらい。一巡後は、経済指標を見極めながら欧州通貨は上下することになりそうだ。
本日は改定値ではあるが、独・仏・ユーロ圏の1月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。独・ユーロ圏は速報値でしっかりと景況感判断の境目50を超えていた。そうなると注目は仏の結果。速報値では48.9と予想を下回るさえない結果だったが、これがもし上振れるようであれば、ユーロドルも上値を試しやすくなるかもしれない。
昨日のユーロドルは1.02ドル後半まで下落したところから切り返し、1.03ドル後半まで上昇して週明け3日にできたギャップを完全に埋めた。3日のロウソク足は長い下ヒゲを伴う陽線であり、単純ではあるが同日につけた2022年11月以来の安値1.0141ドルが暫く底となる可能性はある。ユーロ高ドル安には米長期金利の更なる低下は必要だろうが、目先は日足一目均衡表・雲を巡る攻防が注目される。
想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル
想定レンジ下限
・ユーロドル、4日安値1.0272ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
ユーロドルの見通しは今後の金利の動向次第といえるでしょう
ユーロドルの見通しは今後の金利の動向次第といえるでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、ワクチン接種が進むアメリカでは経済が急速に回復しています。景気が過熱すると金利上昇期待が高まりますが、FRBは2023年まで低金利政策を維持するとしています。ECB(欧州中央銀行)もユーロ圏の経済回復は不十分とし、金融緩和は継続姿勢です。
本日は本邦で多数の経済指標の発表を控えているが、その中で最も注目が集まりそうなのが、全国消費者物価指数(CPI)の先行指標とされる、1月東京都区部CPIだろう。市場予想はコアが前年比+2.5%と12月の+2.4%よりわずかに伸びが加速する見通し。予想よりも伸びが加速する結果となれば、日銀の早期利上げ期待が浮上して円が買われる展開もあり得る。結果と共に、本邦株式市場や長期金利の反応にも注目したい。
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