
4日の日経平均は反発。終値は278円高の38798円。トランプ政権がメキシコとカナダへの関税発動を延期すると伝わったことから、500円超上昇して始まった。すぐに上げ幅を600円超に広げたが、39200円近辺では上値が重くなった。前場では39000円より上での推移が続いたが、後場に入ると失速。14時近辺では米国の中国に対する10%の追加関税が予定通り発動されたと伝わったことで、急速に値を消す場面もあった。ただ、上げ幅を2桁に縮めたところでは間を置かず盛り返しており、終盤にかけては200円程度高い水準で値動きが落ち着いた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆8900億円。業種別では非鉄金属、繊維、電気機器などが上昇した一方、空運、水産・農林、石油・石炭などが下落した。上方修正や増配を発表したSANKYOが後場急伸。半面、ちゅうぎんフィナンシャルグループは3Q決算が物足りないと受け止められ、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり858/値下がり721。米国の関税リスクがやや後退したことから、トヨタやマツダなど前日売り込まれた自動車関連に見直し買いが入った。メタプラネット、リミックスポイント、セレスなど暗号資産関連も前日大幅安の反動で急伸。上方修正を発表した住友電工が後場に入って跳ねており、同業の古河電工やフジクラが連れ高した。3Qの業績好調が確認できた寿スピリッツが上場来高値を更新。通期の利益見通しを引き上げたメンバーズがストップ高となった。
一方、下方修正を発表した三菱自動車は、自動車関連が買われる中でも14.7%安と派手に下げた。三菱重工は前場では大きく上昇していたが、後場に3Q決算を消化してマイナス圏に沈んだ。値がさのキーエンスやファーストリテイリングがきのうに続いて大きめの下落。前日ストップ安で場中に値が付かなかったバリューコマースは、きょうも売りが続いて連日のストップ安となった。
日経平均は反発したものの、高く始まった後の上値は重かった。前引けは620円高で大引けは278円高。前日の1052円安に対する戻りが6割と3割では印象も大きく変わる。きのうの大幅安で売りが出尽くしたと判断するのは早計だ。まだ不安定な動きが続きそうで、きのう3日の安値38401円を下回ることなく推移できるかが目先の注目点となる。下回った場合には押し目買いは38000円近辺まで待った方が良い。
あすはトヨタが3Q決算を発表予定。きのう3日には「トランプリスク」の象徴的な業種として自動車関連が軒並み安となっており、きょうは下方修正を発表した三菱自動車が2桁の下落率となった。トヨタの決算が失望材料となった場合には、自動車関連はバリュエーション面で割安感があっても手を出しづらくなる。業界の雄から悪い流れを食い止めるリリースが出てくることに期待したい。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 株式明日の戦略反発も後場は上げ幅縮小 あすはトヨタの決算に注目
13時10分に決算を発表したトヨタ(7203)が決算発表直後に下げ幅を広げる場面がありました。2020年3月期の営業利益は前期比1.0%減の2兆4429億円と小幅な減益に止まりましたが、2021年3月期の営業利益が79.5%減の5000憶円と大幅な減益となる見通しを発表したことが嫌気されました。一時2.6%安まで下落する場面がありましたが、やや持ち直し引けは2.0%安となっています。また、昨日の取引終了後に発表した決算を受けて大きく売られたのが三越伊勢丹ホールディングス(3099)で2021年3月期の業績予想は未定としたものの、2020年3月期の営業利益が46.4%減と大幅な減益となったことで8.7%安となりました。2020年3月期の営業利益が36.7%減となった日野自動車(7205)も5.4%安となっています。
一方で決算を受けて大きく上昇したのが大阪瓦斯(9532)で、2020年3月期の営業利益が23.3%の増益となったのに加え、2021年3月期も8%を超える営業増益の見通しを発表したことで4.3%高となりました。また、2020年3月期の利益予想を上方修正したスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)が3.4%高となりました。大型タイトルの発売延期により売上高は下方修正しましたが、営業利益の見通しを240億円から327億円に引き上げ減益予想が一転して増益予想となったことで買われました。
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