
5日の香港市場は上値の重い展開か。前日の米株式相場がハイテク株買いを支えに上昇した流れを引き継ぐ半面、米国と中国の貿易摩擦が深刻化するリスクが意識されそうだ。米中首脳による通商協議への期待は強いものの、トランプ米大統領は4日、中国の習近平国家主席との会談について「急いでいない」と述べた。
前日のハンセン指数は大幅に反発し、終値ベースで昨年11月7日以来およそ3カ月ぶり高値を更新しただけに、いったん利益を確定する売りが出やすい。一方、きょうが春節(旧正月)連休明けとなる中国本土では、1月28日から休場していた上海市場と深セン市場が取引を再開する。また、中国メディアの財新がきょう午前に2025年1月の財新中国サービス業購買担当者景気指数(PMI)を発表する予定。
4日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって3営業日ぶりに反発。好決算を発表したパランティア・テクノロジーズが24%高と急伸したことなどで、ハイテク株を中心に買いが強まった。弱い経済指標を受けて米10年債利回りが低下したことも支援材料となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、ネット株のアリババ集団(09988)、テンセント(00700)、百度(09888)、英金融大手HSBC(00005)が香港終値を上回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス(00003)が下回って引けた。
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 5日香港株上値が重いか 米ハイテク株高が支え
株高再開のきっかけとしても、上述の内容に関連する3つのイベントに注目しています。第一に、トランプ政権の財務長官人事が決定したことは、先ほど述べたように市場の安心感につながる可能性があります。第二に、米国の年末商戦です。11月28日の感謝祭前後の消費動向が重要となりますが、全米自動車協会は「旅行者数は過去最多の8,000万人弱」との見通しを出しています。「政策は不透明だが米国の実体経済は強い」との認識が徐々に強まると予想されます。第三に、日銀の追加利上げです。市場では従来「次の利上げは24年12月か25年1月」と予想されており、早めに実現してしまった方が「悪材料出尽くし」になりやすいと見ています。
コメント