
今晩は軟調な展開か。昨日は主要3指数がそろって3日ぶりに反発した。トランプ政権が中国に対する追加関税を発動し、中国も報復関税を発表したことでトランプ関税問題が引き続き懸念されたものの、カナダへの関税発動が30日間延期されたことや、米10年債利回りが低下したこと、好決算を発表したパランティア・テクノロジーズが24%高と急伸したことなどで、ハイテク株を中心に買いが強まった。引け後の動きでは10-12月期の利益が市場予想を上回ったものの、売上高やクラウド収入が市場予想に届かなかったアルファベットが時間外で7%超下落した。
今晩の取引では時価総額上位のアルファベットの大幅安が予想されることで、ハイテク株を中心に軟調な展開か。ただ、昨日の取引では弱い経済指標を受けた米10年債利回りの低下が一定の支援となっており、今晩発表される1月ADP民間部門雇用者数や1月ISM非製造業PMIなどを受けた米債利回りの動向にも要注目となる。決算発表では寄り前にウォルト・ディズニーやウーバー・テクノロジーズなどが発表予定で、決算結果やガイダンスにも要注目となる。
今晩の米経済指標・イベントは1月ADP民間部門雇用者数、1月ISM非製造業PMIのほか、1月S&Pグローバル総合・サービス業PMI確定値、12月貿易収支、EIA週間原油在庫など。決算発表はS&P500採用の約40銘柄が発表予定で、寄り前にウォルト・ディズニー、ウーバー・テクノロジーズ、ボストン・サイエンティフィック、引け後にクアルコム、フォード、アフラック、スカイワークス・ソリューションズなどが発表予定。(執筆:2月5日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
第1四半期の売上見通しが予想を下回り 時間外取引で売られている
鉄鋼会社のUSスチール(X)はトランプ大統領と最高経営責任者(CEO)の会談が報じられ、日鉄による買収を巡る期待感に、買われた。ホテルチェーン経営のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HILT)は第4四半期決算で予想を上回る結果を受け、上昇。高級アパレルブランドのラルフローレン(RL)はホリデーシーズンの売り上げが強く、見通しを引き上げ、上昇。コーチやケートスペードなどの高級ブランドを運営するタペストリー(TPR)は強いコーチの売り上げが支え通期の見通しを引き上げ、上昇した。
12月物価指標は引き続きインフレの下がりにくさを示唆する見通しです。1/14(火)の生産者物価指数は、総合指数が前年比+3.5%の予想(前月は同+3.0%)、コア指数が同+3.8%の予想(前月は同+3.4%)、1/15(水)の消費者物価指数は、総合指数が前年比+2.9%の予想(前月は同+2.7%)、コア指数が同+3.3%の予想(前月は同+3.3%)です。
デジタルトランスフォーメーションの時代を本格的に迎えて、半導体市場の先行きは明るい見通しに彩られているのですが、主力の半導体関連株はさすがに上昇一服となってきたようです。
オンライン小売のアマゾン(AMZN)は取引終了後に四半期決算を発表。第1四半期の売上見通しが予想を下回り、時間外取引で売られている。
FOMCメンバーの金利見通しはドットチャートで示されます。 今回、メンバーが予想する金利水準の中央値は、3か月前の「年3回」から「年1回」に引き下げられました。 事前の予想は「年2回」の引き下げでしたので、FOMCメンバーは予想以上に物価上昇と金融政策の先行きをシビアに見ていることになります。
・7-9月期決算は、市場予想に対して売上が1%、EPSが9%上回って好調でした。決算発表後も業績見通しの上方修正の傾向が続いており、10-12月期決算も好調が期待されます。
タバコ会社のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)はニコチンパウチ「Zyn(ジン)」の売り上げが強く2025年の通期調整後1株当たり利益が予想を上回り、上昇。ファーストフードチェーン運営のヤム・ブランズ(YUM)は傘下のタコベルの売り上げが好調で、四半期の1株当たり利益が予想を上回り、上昇した。一方、オンラインゲーム設計のロブロックス(RBLX)は1日のアクティブユーザー数が予想を下回ったほか、弱い見通しに失望し、売られた。テクノロジー会社のハネウエル(HON)は第4四半期決算で増収増益と会社を3分割する計画を発表も通期見通しが予想を下回り、下落。
PCE(個人消費支出)物価指数の見通しも、2024年は2.4%から2.6%、2025年は2.2%から2.3%に引き上げられました。 2%の物価目標から遠ざかる一方です。
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