
■各社予想 1月米失業率
JPモルガン 4.1%
第一生命経済研究所 4.1%
ドイツ証券 4.1%
バークレイズ・キャピタル 4.1%
BNPパリバ 4.1%
HSBC 4.2%
モルガン・スタンレー 4.1%
市場コンセンサス 4.1%
前回 4.1%
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
この時期には 市場におけるデフレ脱却の見通しも先送りされた
消費者物価指数について日本、米国、EUで比較すると、EUや日本と比べて米国では大きく上昇していることが確認できる。また、IMFの予測によると、2022年には2021年を超える水準となり、2023年以降に影響が緩和し、2025年に2%へと収束する見通しとなっている(第Ⅰ-2-2-19図)。
こうした点も含め、12月上旬に発表される11月分の雇用者数と修正後の10月分の雇用者数を均してみれば、ストライキやハリケーンの影響を除いた雇用情勢の基調的な動きが概ね把握できるだろう。それは、12月のFOMC、あるいはそれ以降のFRBの金融政策の見通しに大きな影響を与える。
本日は伸び悩みか。今晩発表の雇用統計は失業率が横ばい、非農業部門雇用者数と平均時給は前回を下回る見通し。全般的に弱い内容となれば連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げが期待され、金利安を背景に買いが強まるだろう。ただ、米中通商協議の不透明感から、週末にかけて利益確定や持ち高調整の売りが下押し要因になりやすい。また、来週発表のインフレ指標は鈍化が予想され、内容を見極めるムードで買いは限定的となりそうだ。
上図におけるドットチャートの中央値に従えば、2022年に7回の利上げを示唆しており、2021年12月予測(3回)から利上げを急ぐ姿勢が鮮明となっている。2023年は累計で11回と2021年12月(6回)から上方シフトし、2024年には政策金利が据え置かれる見通しとなっている。
これまでの動きをGDPギャップ(潜在GDPに対する現実GDPの比率)の観点から整理しておこう(第1-1-3図、付注1-1)。2004年初には高い成長からGDPギャップはマイナス0.7%程度まで縮小した。その後は、踊り場を反映して再びギャップが拡大した。この時期には、市場におけるデフレ脱却の見通しも先送りされた。2005年1-3月期は高い成長を反映してギャップは1年前の水準まで改善している。
一方で、BBB法案については、共和党の支持が得られない中で財政調整措置93を使い2021年11月19日に米下院を通過したが、上院ではインフレ懸念等を理由に民主党中道派の強い反対により、成立の見通しが立たない状況となっている。
今後の米国の経済見通しについて、FRBは失業率に関しては改善基調を映じて見通しを修正してきた一方で、目下のインフレ高進を受けて、PCE価格指数やコアPCE価格指数については上方修正を繰り返してきた。特に2022年3月時点での経済見通しにおいては実質GDP成長率とインフレ率が大幅に修正されている。実質GDP成長率見通しが、2022年を+2.8%と前回(+4.0%)から大幅に下方修正し、2023年、2024年は前回から変更していない。また、インフレ率を示すPCE価格指数は2022年を+4.3%と前回(+2.6%)から大幅に上方修正。2023年以降もインフレ目標である2%を小幅に上回る見通しとしている(第Ⅰ-2-2-43表)。
このような経済見通しを踏まえて、FOMCの参加者による政策金利の予測を可視化したドットチャートは上方シフトを続けている(第Ⅰ-2-2-44図)。
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