
週明け10日の香港市場は、前週末の米株安の流れを引き継いで反落か。7日発表された米1月雇用統計の結果を受け、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.51%台に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げへの期待が後退しそうだ。11-12日にはパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、内容を見極めたい投資家は積極的な買いを手控えるだろう。また、前週末のハンセン指数は続伸し、終値は昨年10月10日以来およそ4カ月ぶりの高値だっただけに、利益を確定する売りが出やすい。
中国と米国の貿易摩擦に対する警戒感も引き続き相場の重荷となるだろう。中国が米国から輸入するエネルギー資源や大排気量の自動車などに課す追加関税がきょう発動する。トランプ米政権が4日に発動した対中追加関税への対抗措置になる。
7日のNY株式相場はダウ平均が続落し、S&P500とナスダック総合はともに4日ぶりに反落した。米ミシガン大学が同日発表した1年先期待インフレ率速報値が大きく上昇したことで利下げ期待が後退した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は中国4大商業銀行の中国建設銀行(00939)と中国工商銀行(01398)、新興電気自動車メーカーの理想汽車(02015)が香港終値を下回った半面、英金融大手のHSBC(00005)、中国ネット通販大手のアリババ集団(09988)が上回って引けた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 10日香港株反落か 米利下げ期待が後退
●日銀は4月の金融政策決定会合で、現状の政策金利(無担保コール翌日物金利0.0~0.1%)を維持しました。公表した「経済・物価情勢の展望」では、消費者物価の前年度比上昇率見通しを24年度、25年度とも前回から引き上げ、26年度は1.9%としました。
●中国は、不動産市場の低迷や海外景気の減速で需要不足が続き、若年層の雇用悪化の影響などから個人消費も力強さを欠くことから、景気の回復ペースが鈍化するとみられます。ただし、政府が拡張財政を継続することから、急激な減速は避けられる見通しです。
●日本は、認証試験不正問題に伴う自動車減産や能登半島地震の影響で、1-3月期の実質GDP成長率がマイナスとなる可能性があります。しかし、インフレの鈍化と賃金の上昇、経済対策の効果、インバウンド消費の増加、堅調な企業収益を背景に、緩やかな成長軌道を辿る見通しです。
●日銀は、景気が力強さを欠いていることから、3月に大幅に修正した金融政策を当面維持するとみられます。しかし、円安圧力が続くなか、物価見通しを引き上げたことから、追加利上げを実施するとみています。政策金利は、24年10月に0.25%、25年4月に0.50%への引き上げを想定しています。
●中国は、不動産市場の低迷に加え、海外企業の投資減少や若年層の雇用悪化などから個人消費も力強さを欠き需要不足が続くことから、景気が徐々に減速するとみられます。ただし、金融緩和や政府の住宅対策、拡張財政により急激な減速は避けられる見通しです。
●FRBは9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利(フェデラルファンド(FF)金利)の誘導目標を0.5%引き下げ、4.75~5.00%としました。FOMC参加者による金融政策の見通しは、年内残り2回の会合で0.25%で2回分の利下げを行う内容となりました。
●日本では、インフレ圧力の継続により個人消費が力強さを欠くものの、賃金の上昇、経済対策(定額減税・給付金)、省力化やデジタル化などの設備投資の増加、堅調なインバウンド消費、底堅い米景気を背景に持ち直し、緩やかな成長軌道を辿る見通しです。
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