午前の為替予想は… トランプ関税でドル買いと円買いが交錯
作成日時 :2025年2月10日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
ドル円予想レンジ
150.600-152.400円
前日の振り返りとドル円予想
7日のドル/円は、乱高下したもののほぼ横ばいで取り引きを終えた。米1月雇用統計で失業率が低下したことなどから米長期金利が上昇すると152.40円前後まで上伸。しかし、米2月ミシガン大消費者信頼感指数が下振れした一方で、消費者の期待インフレ率が上振れしたことを受けて米国株が下落すると一転して150.92円前後まで下落した。それでも、トランプ米大統領が翌週にも「相互関税」を発動する考えを示したことでドルは強さを維持。前日終値とほぼ同値の151.40円台でクローズした。なお、トランプ米大統領は先ほど、すべての国を対象に鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する25%の関税措置を本日発表すると述べた。また、本日10日は中国の米国に対する報復関税が発動される日でもある。こうした中、ドルは堅調を維持する公算が大きい一方、世界的な株価の軟調推移が予想されるため、円が強含みやすい地合いも続きそうだ。ドル/円はドル買いと円買いが交錯する中、150円台では底堅い反面、152円台では上値が重くなるだろう。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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ドル円午前の為替予想 トランプ関税でドル買いと円買いが交錯 2025
トランプ関税が米国のインフレが再燃させるとの見方が強く、FRB(米連邦準備制度理事会)も利下げを急ぐ理由はないとコメントしている。ところが、この日発表された米国の1月求人件数が予想を下回ると、今度は雇用市場の減速を理由とするFRBの利下げ期待が復活した。
日本時間21日未明に始まったトランプ氏の就任演説では、日本を含む外国に対する関税強化について具体的な言及がなかったため、円買い・ドル売りが優勢となり、朝方には1ドル=154円台をつけた。
一方、東京株式市場では、トランプ氏の政策を見極めようと様子見する投資家が多く、売り買いが交錯している。日経平均株価(225種)の午前の終値は前日終値比49円27銭高の3万8951円77銭だった。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は「当面は関税導入のタイミングが焦点になるが、日本銀行の利上げも見込まれており、一方的な円安・ドル高にはならないのではないか」と話している。
[東京 7日 ロイター] -午前のドルは一時150円台へ下落し、昨年12月10日以来約2カ月ぶり安値を更新した。日銀の追加利上げの思惑がくすぶるほか、軟調な米雇用統計を見越してドル売り/円買いが進んだが、押し目を拾いたい向きもあるとみられ、150円台をいったん付けた後はドル買いも強まった。朝方は海外時間のドル安地合いを引き継ぎ、151円前半から徐々に値を切り下げたが、一時的に150円台を付けた後はドル買い/円売りが優勢となり、朝方の水準まで値を戻した。「ドルが安いところでは買いたい向きも多い」(りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏)との指摘がある。ただ、「ここ最近の下げは予想外で、輸入勢には下値を探る向きもみられる。米雇用統計次第では150円割れも視野に入るため、様子見ムードを強めている」(国内銀の為替セールス担当)として、フローが薄い中で値幅が大きくなっているとの見方もあった。米雇用統計の公表や日米首脳会談などを控えていることもあり、「ポジション調整の売買も交錯しやすい」(同)という。米新規失業保険申請の増加などから軟調な米雇用統計を見越す向きもある一方、今週は指標や日銀審議委員の発言で日銀の追加利上げの思惑も強まってきており、「もう少しドル売り/円買いは続きそうだが、ポジションの偏りもなく勢いが強まって急落するほどではない」(りそなの井口氏)との見方もあった。
週後半のFX市場は、雇用統計とトランプ関税を両にらみするなかで、神経質な動きが続きそうだ。中国の米国に対する報復関税は、来週月曜日2月10日に発効される予定だ。しかしそれまでになんらかの合意が得られることをマーケットは期待している。トランプ大統領と中国習近平国家主席は本日会談する予定。
米長期金利が下落するなかドル/円は明け方に154.17円まで円高に動いてこの日の安値をつけた。24時間のレンジ幅は1.35円。
21日の東京外国為替市場の円相場は、就任したばかりのトランプ米大統領の発言などを材料に乱高下し、一時、対ドルで1円以上、円安・ドル高が進んだ。
1月15日から2月4日までのドル/円のレンジは153.72円から156.75円 レンジ幅は、3.03円。 高値と安値の50%(中間点)は、155.24円。 現在のレートは中間点よりも「円高」。
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その後、トランプ氏が2月からカナダとメキシコに25%の関税を課すことを計画しているとの発言が伝わった。関税が発動されれば、輸入物価の上昇を通じてインフレ(物価上昇)が助長される。東京市場では、インフレを抑制するため、米国では当面、金利が高止まりするとの観測からドルが買われ、156円台まで円安・ドル高が進んだ。
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