このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
大幅利下げの背景にトランプ・リスク
メキシコ中銀は先週6日、5会合連続の利下げを決定。政策金利を10.00%から9.50%に引き下げた。50bp(0.50%ポイント)の大幅利下げは今回の利下げ局面では初となる。中銀は声明で「インフレとの戦いは(目標の)3%を目指す段階にあると判断した」として一段のインフレ減速に自信を示した。実際に、翌7日に発表されたメキシコ1月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.59%となり、前月の+4.21%から伸びが鈍化。中銀はまた、トランプ米大統領の政策について「世界経済の統合を逆行させる政策が実施される可能性があり、グローバルリスクは増大している」として警戒感を示した。メキシコ経済の先行きに対する不透明感が増す中で、大幅利下げによって景気を下支えする狙いがあったと見られる。なお、トランプ政権はひとまず対メキシコ関税の発動を3月まで1カ月間延期したが、対米貿易で中国に次ぐ第2位の黒字を稼ぐメキシコへの風当たりがこのまま弱まるとは思えない。関税などで米国からの経済的な圧力が増せば、メキシコ中銀の利下げ観測も高まる構図となるだけに、ペソの続落には警戒が必要となりそうだ。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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メキシコペソ 円見通し 50bpの大幅利下げを実施トランプリスク拡大なら利下げ観測も強まる構図に
ドル円155円台回復、トランプ&ベッセントでドル全面高 人民元・メキシコペソ下落米関税政策懸念でドル全面高、オフショア人民元とメキシコペソは対ドルできのうの安値を下回っている。ドル円は155円台を回復。トランプ米大統領は「米国が強制送還する移民の受け入れを拒否する国に対して関税を課す」と警告。鉄鋼とアルミ、銅に関税を適用する。半導体チップに関税を近く適用、他の産業にも関税を課すと発言。ベッセント財務長官が「2.5%」の一律関税を課すことを支持しているとも報じられている。
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