豪ドル/円 今日の見通し「米国の関税から豪州が除外の可能性」2025/2/12

豪ドル/円 今日の見通し「米国の関税から豪州が除外の可能性」2025/2/12

【最新号】

短期トレード即効チャージ 豪ドル円

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック

・NY原油先物市場は続伸。終値は前営業日比+1.00ドルの1バレル=73.32ドル(2月11日)。

<WTI原油・商品CFDチャートはこちらはこちら>

・2月3日に発表された豪12月小売売上高は前月比-0.1%と市場予想(-0.7%)を上回った。

・1月29日に発表された、豪10-12月期CPIは前年比+2.4%(予想:+2.5%、前四半期:+2.8%)で予想以上の鈍化だった。また同CPIトリム平均は前年比+3.2%だった(予想:+3.3%、前四半期:+3.6%)。
豪12月消費物価指数(CPI)は前年比+2.5%(予想:+2.5%、前月:+2.3%)だった。また、12月CPIトリム平均は+2.7%で前月(+3.2%)から伸びが鈍化した。

・1月16日発表の豪12月雇用統計は、雇用者数が5.63万人の増加と市場予想(1.50万人増)を上回った。失業率は4.0%で予想通り前月(3.9%)から上昇。労働参加率は市場予想や前月(67.0%)を上回る67.1%だった。

・12月10日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利は4.35%で据え置きとなった。声明からは「政策は十分に抑制的である必要がある」などの文言が削除されていた。

今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ

米国の関税から豪州が除外の可能性

トランプ米大統領が米国へ輸入される鉄鋼やアルミに対して一律25%の関税を賦課する大統領令に署名した。ただし豪州に対しては、米国の対豪州貿易が大幅な黒字であるため、関税から除外する可能性を検討する考えを示している。豪州の主要な輸出相手国は中国や日本などのアジア圏の国が多いが、米国への輸出も少なからずある。米国による関税賦課免除は豪ドルにとってポジティブに働く。一方で、豪州と交易関係の強い中国と米国の間での貿易摩擦は豪ドルにとってネガティブ材料だ。今後も米国の関税関連のヘッドラインには注意が必要だろう。

豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目材料

日米株価動向
米関税問題

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。7時に豪ドル/円と豪ドル/米ドルのボリンジャーバンドでシグナルが点灯。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

12時からのFXライブ解説 配信チャンネルはコチラ

 

 

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 豪ドル/円 今日の見通し「米国の関税から豪州が除外の可能性」2025/2/12

豪ドル 円 今日の見通し

その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

1/23にトランプ米大統領が対中関税に慎重な示したことによる豪ドルの地合い改善は限定的となり、1/27早朝の96円56銭を高値に、対ドルでの下落やドル円の下落。さらに日豪金利差縮小への思惑やナスダックの大幅安を嫌気したリスク回避とともに96円77銭へ下落。また、1/29発表の豪10-12月期CPIの発表を控え小幅な動きを続け、CPIが予想比下振れたことで2/18の政策理事会で利下げ開始観測が高まり96円49銭へ下落。こうした下落基調は1/30も続き、FOMCを終えたドル円主導のポジション調整圧力や、中国のディープシークの影響がNY株式市場のエヌビディアの急落を中心にナスダックの大幅安につながったことで95円70銭へ下落。さらに、1/31にはトランプ大統領が2/1 からカナダ、メキシコ、さらに中国への関税賦課を表明したことから95円61銭へ下落。ただ、ドル円が155円台前半へ反発したことにサポートされ96円93銭へ反発し96円41銭で取引を終えました。金利先物市場は2/18の豪中銀政策理事会で0.25%の利下げを9割超織り込む中、2/3発表の豪12月及び10‐12月期小売売上高や12月建築許可件数を受けて、利下げを完全に織り込むことになるか注目されます。また、トランプ大統領がカナダ、メキシコへの25%関税のほか、中国に10%の追加関税を4日から実行する大統領令に署名。中国商務省は反発しており、具体的な報復措置を表明するか、その行方を上海株の反応が注目されます。こうした中、1/31の95円61銭を下回り、昨年12/6の95円52銭を下抜ければ9/11の93円60銭を目指して一段安となる可能性もあるため、下振れに注意が必要です。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

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