鴻海会長 日産の買収考えていない
一方で、鴻海精密工業は日産との協力の可能性に前向きな姿勢を示しています。鴻海はiPhone製造で知られる企業ですが、近年ではEV事業にも力を入れています。具体的には、EV開発プラットフォーム「MIH」を立ち上げ、世界中の企業と連携してオープンなEVエコシステムを構築しようとしています。また、電動バスや電動トラックの試作も進めており、EV分野での実績を着実に積み重ねています。
【自動車・製造業「米中依存度」ランキング112社】ホンダ、日産は何位?トランプ関税と中国失速で打撃!
日産自動車が台湾の大手企業「鴻海精密工業(ホンハイ)」との協力を模索していると、日本経済新聞やロイター通信などが報じました。一方で、ホンダとの経営統合交渉は破談となりました。
また、日産が生産能力の削減で閉鎖しそうな工場の候補を大胆予想。米国の第2次トランプ政権発足で懸念される自動車メーカーへの打撃を解明する、製造業「米中依存」ランキングなど盛りだくさんの内容です。
日産は、ホンダと統合するべきなのか、ホンハイを新しいオーナーとして迎え入れるべきなのか。日産とホンダが統合した場合の勝ち筋とは――。取材班の総力を挙げた取材で明らかにします。
鴻海が日産株を取得し経営参画する可能性について考えてみよう。
現在、日産と鴻海の間で正式な提携や協力関係は発表されていませんが、2024年初頭には両社の幹部が複数回の協議を行ったと報じられており、今後の協力の可能性について模索が続いています。
鴻海では、日産元幹部で現在は鴻海のEV事業を率いる関潤氏を中心に、日産の筆頭株主であるルノーから日産株を取得する可能性について交渉している。
日産が身を切るリストラ計画を策定し、かつ実行に移せるかどうか。止血作業を終えて身奇麗になった上で、統合前の2026年3月期決算で黒字計画を示せるかどうか――。そのハードルは高い。
そして、そのパートナーは日産よりもホンダの方が相性は良い。双方のメインバンクは同じ三菱UFJ銀行だ。
そして、三菱自動車が日産と圧倒的に違う点は、大掛かりなリストラを済ませている点だ。21年3月期まで2期連続の最終赤字に転落するなど経営危機に陥ったが、人員削減や生産ラインの固定費削減に切り込むなど抜本的な構造改革に踏み切った。その後、中国生産からの撤退という難易度の高い経営判断も下している。
それでも、ホンダ・日産・三菱自動車による国内3社連合の行方は波乱含みだ。薄氷を踏む統合交渉といってもいい。
「ソフトウエアをアップデートすることで、クルマの価値を下げずに長く乗れるようになる。これが電気自動車(EV)の美しさだと考えている」。東京都内で開かれた技術展示イベント「シャープテックデー」で、ホンハイのEV事業を束ねる関潤・最高戦略責任者(CSO)はEVの魅力についてこう強調した。関氏は日産のナンバー3から日本電産(現ニデック)社長に転じた後、23年にホンハイに招かれた人物だ。
ルノーの背後にいるフランス政府は、ルノーと業績悪化に苦しむ蘭ステランティスとの統合を画策しているとされ、ルノーの日仏3社連合からの離脱を急ぐかもしれない。日産株をできるだけ高く、できるだけ早く売却できるのはホンダ陣営とホンハイのどちらなのか。予断を許さない。
一方で、日産はコスト削減と技術革新を組み合わせたEV戦略を推進し、ホンダは独自の水素技術を活かした持続可能なエネルギー戦略を打ち出しています。このように各社のアプローチが異なり、競争の方向性も多様化しています。
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