アニメ産業に崩壊リスク 是正急務
またその間には業界内部でも利益分配構造の改善など業界の健全化に取り組むことが必要であり、日本アニメのクオリティを落とすことなくアニメ市場の維持・拡大を目指して、我々も声をあげていきたいと考えています。
日本アニメの人気と輸出高が順調に拡大していく陰で、現在に至るまで「アニメの制作現場はブラックだ」という報道が続いているのは周知の事実です。
・(アニメ制作を行う)クリエイター人材・(アニメ製作を行う)経営的人材 の、二種類です。
ただアニメを鑑賞するだけではなく、その作り方にも意識を向けることで、日本が世界に誇るアニメをより身近に感じてほしいと考えます。
アニメ作品の知的財産権は、しばしば製作委員会に帰属するため、アニメーターやクリエーターがその収益に関与できないことが多いです。知的財産権を適切にクリエーターに還元し、彼らが自身の作品から得られる利益を受け取れる仕組みを構築することが重要です。これにより、クリエーターのモチベーションが高まり、業界全体の発展にもつながるでしょう。
アニメ制作現場では、デジタル技術の進化やAIの導入が進んでおり、これにより制作効率が飛躍的に向上しています。技術革新に伴って、新しい表現手法やストーリーテリングの手法が模索されており、これがアニメ産業全体のさらなる発展を後押ししています。デジタル技術を駆使しつつ、労働環境の改善とクリエイティブな挑戦が両立できる時代が来るかもしれません。
世界における2Dアニメの中での日本アニメの占有率は60%を超えるとも言われています。世界での市場規模、そしてその成長率を考えると、日本アニメの潜在的な市場規模はまだまだ広がる余地があります。
若者が真の意味でアニメと身近な関係を持つために、学校の長期休暇などを利用して、アニメーター等による学生向けの定期的なワークショップ開催を提案します。
日本アニメ業界の労働環境改善には、政府の関与も不可欠です。国際的な基準に則した労働環境の整備が求められています。
一方で現場で一枚一枚絵を描くアニメーターは、2010年に4,500人程度とされており、2020年でもその数は5,200人程度と大きな伸びはありません。
クールジャパンの中核事業のひとつと見なされるクールジャパン機構(海外需要開拓推進機構)は、この10年間で309億円、1年間でおよそ30億円の投資赤字を出しています。 もし仮にこれらの金額をアニメーター個人に何かしらの形で直接支援することができていれば、5,000人いると言われるアニメーターの所得を年額で70万円程度増やすことが可能であったとも考えられます。
アニメ産業における「制作」と「製作」の違いはこのようなもので、実際にクリエイターとしてアニメを作るのが「制作」、企画や販売などアニメを作るための舞台を整えるのが「製作」の仕事になります。
補助内容:受検料全額補助、試験合格者がアニメーターとして仕事をする場合に2万円/月 程度の補助を個人に行う。
そして現状足りない人材は、この双方。言うまでもなくどちらが欠けてもダメなのですが、「経営的人材の不足によって、クリエイター人材も枯渇しつつある」というのがアニメ業界の現状と言えます。
労働環境が改善されることで、日本アニメ産業にはさまざまなポジティブな変化が期待されます。アニメ制作に携わるクリエーターたちが安心して働ける環境が整えば、産業全体が活性化し、さらに国際的な評価も向上するでしょう。
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