先週末は、アメリカの小売売上高が予想を大きく下回ったことで、ドル安で終わりました。しかし、週全体で見てみると、トランプ大統領の政策に振り回されて右往左往しています。ウクライナとロシアの問題も、もし、トランプ大統領の言うとおりに停戦に持ち込めれば、リスクオンになると思いますが、状況は不透明です。また、現在各国に関税戦争を仕掛けていますが、これも取引材料として使っていて、いずれ旗を降ろすのではないかという見方もあり、方向が定まりません。当面、こうした不安定な動きが続きそうです。
週末からのドル安の動きもそろそろ落ち着き、またドルは反転すると思いますが、それもレンジ内での動きに留まるとみています。今週のドル/円の予想レンジは151-154円を想定しています。
【ドル/円(USD/JPY) 日足チャート】
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株式会社マットキャピタルマネージメント 代表取締役
今井雅人 氏
1962年生まれ、岐阜県下呂市出身。上智大学卒業後、1985年に三和銀行入行、1987年よりディーリングの世界に入る。1989年から5年間シカゴに赴任、その間多くの著名トレーダーと出会う。日本に戻ってからは為替部門に従事。2004年3月までUFJ銀行の為替部門の統括次長兼チーフディーラーを勤めていたが、同年4月に独立。内外の投資家にも太いパイプを持ち、業界を代表するトレーダーとして活躍するが、2009年8月第45回衆議院選挙に立候補し、初当選。現在は、経済アナリスト活動など多忙な毎日を送る。元東京外為市場委員会委員、東京フォレックスクラブ理事歴任。株式会社マットキャピタルマネージメント代表取締役。
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オイルの状況:オイルは70ドル付近で落ち着きを見せ始めている
当時、金融政策の舵取りをしたのがFRBのポール・ボルカー議長だ。就任から2ヶ月後の1979年10月6日に開催されたFOMCにおいて、FRBの政策目標をFFレートからマネーストックへ変更した。利上げに対する政治的な抵抗が増すなか、強力な量的引き締めによる結果として金利を上昇させ、ドルの実効レートを押し上げて物価の沈静化を図ったのである。
日米の金融政策が真逆になっていることから、為替市場では円安・ドル高が進んでいる。もっとも、米国の通貨当局から為替に関する目立った発言はない。それは、ジョー・バイデン政権、FRBがドル高を歓迎しているからではないか。労働需給が逼迫し、供給余力の乏しい米国では、輸入の拡大が避けられない。ドル高は輸入物価を抑制し、インフレ圧力の緩和に貢献するだろう。
結局、円安の要因は低金利にあるという政府の認識である限り、金融緩和策を採り続けている日銀が、金融引き締めに転じても、円安を食い止める効果は一時的であり、むしろ日本経済にボディーブローのように打撃を与え、景気悪化、国力の低下を招いて、円安は止まらないのではないだろうか。また今後予想されるドル売り円買い介入も、日本経済の成長力を取り戻す根本的な政策を行わない限り、一時的効果しかなく、円安はどこまでも続くであろう。このままでいけば、1ドル180円、そして200円もここ1,2年で見られるのではないだろうか。
○今月のM2前回と一緒。M2=ドル全体の供給量、を定点観測する。1月も増加基調継続。ただ、ちょっと角度がなだらかになってきたので、そろそろ供給終了?大幅な資金供給とはなっていないが、依然としてドルは増えていることに変わりはないが。
ドル円がこの先、雲(先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域)の下限(昨日は155円49銭水準に位置)を大きく下回れば、転換線の基準線下抜けと遅行線の日足下抜けにより「三役逆転」が完成し、非常に強いドル売り・円買いシグナルと判断されます。この場合、5月3日安値の151円86銭水準や、200日移動平均線(昨日7月18日は151円40銭水準に位置)辺りを意識し、ドル安・円高が進むことも考えられます。
米国の政策当局にとり、現下の最大の経済面における課題はインフレの抑制だ。従って、バイデン政権、FRBは「強いドル」を歓迎しているのではないか。
ドルの実質実効レートは歴史的な高値圏だが、ジャネット・イエレン財務長官、ジェローム・パウェルFRB議長など通貨当局幹部は、為替に関する目立った発言を控えてきた。このタイミングでドル安になっていたとしても、需給逼迫の米国から輸出が増えるとは考え難い。むしろ輸入物価が上昇してインフレに拍車が掛かるだろう。
こうした日本経済の低迷や物価の落ち着きを見て、日銀は、3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除したものの更なる金融緩和姿勢からの転換に踏み切れずに量的緩和を継続し、6月の金融政策決定会合で国債の買い入れ額を減額することを決めたが、減額の規模は7月に先送りし、慎重姿勢を維持している。本来、金融政策は、為替ではなく経済の状況で決まるのだから、日銀の姿勢は当然である。もちろん、為替市場は、それを見て円安ドル高の動きを強めている。これも、自然の流れである。
こう見てくると、当面の円安の目標は160円となるのは自然であろう。そして160円台をつけた時点で為替介入が入ったのも当然の流れといえよう。介入で円相場は153円前後まで急騰し、その後、米国経済の指標に若干陰りが見られたことで151円台をつけたものの、154~157円台の間で推移しながら、一旦落ち着いたかのような動きだったが、再びじりじり円安に傾き再び160円台にもどってきて、6月28日161円台に突入している。実に1985年9月のプラザ合意による為替調整で急激に円高に向かった途中の1986年12月以来37年6か月ぶりの水準である。今後日本の政府・日銀は、再びドル売り円買いの為替介入に乗り出すだろうが、果たして、円安トレンドを止めることができるだろうか?個人的に答えはノーである。
オイルの状況:オイルは70ドル付近で落ち着きを見せ始めている。この位置で推移するなら特に問題なし。
話を現在に戻すと、米国の政策当局にとりインフレの抑制に「強いドル」は必須の要件と考えられる。従って、仮に日本政府が円安に懸念を示したとしても、米国側がそれに強く呼応して何等かの措置を講ずることはないのではないか。
米国の経済指標の悪化や日本銀行の追加利上げ、円キャリートレードの巻き戻しなどで、7月上旬に一時1ドル=161円台だったドル円相場は、直近13日では1ドル140~141円台まで円高に戻した。
↓NYダウダウは2回目の45000ドルトライで失敗し、ここで一回下を見に行くかなという感触が先週あったが、思いのほか粘りが強くレンジで今週は推移。ダウも気迷いモードという感じ。
24年度後半に10円の円高ドル安が進んでも実質国内総生産(GDP)成長率に与える影響は▲0.1%pt程度とみられ、景気の回復基調は維持されるだろう。だが問題は、円高がそれでとどまるかどうかだ。
その後、7月16日配信の米ブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで、トランプ前大統領はドル高を是正する意向を示し、また、河野太郎デジタル相は翌17日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、円安是正のため政策金利を引き上げるよう日銀に求めました。これらの発言も材料視され、ドル円は7月18日に一時155円38銭までドル安・円高が進みました。
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