ミュゼプラチナム 役員解任の実態

阿部新社長は給与遅配の解消と経営再建を約束していますが、具体的な対応はこれからが勝負です​。ミュゼプラチナムが従業員と利用者の信頼を取り戻せるのか、今後の動向に注目しましょう。

2024年以降、ミュゼプラチナムは深刻な資金繰りに陥り、従業員への給与遅配が発生しました​。

2017年4月に「グロワール・ブリエ東京」と「ミスプレミアム」が破産手続きの開始決定を受けた。その際、日本エステティック経営者会が会員救済を目的とし、RVH傘下のミュゼプラチナムに対して救済措置の提案を行なった。ミュゼはこれを受け入れている。

ただし、RVHは旧契約者にサービスを提供する受託契約を結んだが、施術に対する現金収入は生じない。それがミュゼプラチナムの買収対価の一部であるというものだった。仮にすべてを消化した場合、譲受価額は簿外債務となっていた587億円になるのだ。

しかし、RVHはコロナ禍が深刻化する前の2020年2月にミュゼプラチナムを、髙野友梨氏が代表を務めるG.Pホールディングに譲渡すると発表し、現在はサロン事業から撤退している。

しかしこれだけの金額をすべて消化するのは現実的ではない。事実、RVHはその後の2020年に早々とミュゼプラチナムを売却している。

ミュゼプラチナムの経営危機とその背景について詳しく解説します。

ミュゼプラチナムの経営危機は、脱毛業界のビジネスモデルそのものに警鐘を鳴らしている。前受金に依存した経営の持続性が問われ、業界全体が岐路に立たされている。

ミュゼプラチナムの経営状況は？

その内容は、支払済みの既存顧客が受けられるはずだったサービス（合計11億円）に対し、35％を乗じた価格で顧客がそれを購入し、ミュゼプラチナムが役務の提供を続けるというものだった。

サロンは固定費が発生しているため、空き時間を活用して未消化役務を行なうというオペレーションも可能だったこともあり、RVHにとってミュゼプラチナムの取得は極めてメリットの大きいものだったのだ。こうしてRVHの美容事業は拡大してゆく。

ミュゼプラチナムの経営危機は、脱毛業界のビジネスモデルが転換期を迎えていることを示唆しているのかもしれない。 前受金に依存した経営は、長く業界を支えてきたが、競争激化と市場の成熟により、持続が難しくなっている可能性がある。新規契約が鈍化すれば、施術の遅延や返金トラブルが発生しやすくなり、今回のような混乱を招く要因となる。

〈衝撃の経営危機〉脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の全取締役が解任。給与は連続で遅配、SNSでは「ふざけんなよ！」

エステ脱毛業界の最大手「ミュゼプラチナム」が、全取締役の解任という異例の事態に陥った。2月14日、従業員に配布された「資本及び代表者変更のお知らせ」には、株主構成の変更、前代表の三原孔明氏を含む役員全員の解任、そして新代表として阿部博氏が就任することが記されていた。

脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の全役員解任の報道を受け、運営会社の三原孔明社長ら幹部が2月17日、東京商工リサーチ（TSR）の単独取材に応じた。