コメこれまで安すぎた 農家の嘆き
JAに卸すという従来のやり方でやっているコメ農家は、今の価格でようやく赤字ではないといった程度だと思います。今までが安すぎたという側面があるので、私らからすると概算金が下がってしまったら厳しいというのが本音です」
「そもそもコメはこれまで安すぎた。肥料にガソリンに機材も値上がりで赤字続きだよ」それでも日本のおいしいコメを作り続ける農家の嘆き「15万トンの放出米なんて1ヶ月ももたないね」
約18ヘクタールでコメを栽培する福岡県筑紫野市の農事組合法人「西小田」の藤井徳浩組合長(64)は、「生産者の労務費分も上げるべきで、コメの価格上昇はありがたい」と話す。ただ、「高すぎてコメが余り、25年産の価格が下がることは避けたい」と、買い控えも懸念している。
農林水産省の統計によると、コメの業者間の取引価格はこの20年間、横ばいか低下傾向で推移してきた。しかし、昨年から今年にかけ、肥料の小売価格は2020年比で3~6割高と高騰している。農業機械の燃料費なども上がっており、あるJAは概算金の引き上げについて、「物価や生産コストの上昇も勘案した」と明かす。
令和のコメ騒動。そんな言葉が飛び交うほど、コメの価格高騰が続いています。背景には、日本のコメ作りが抱える、深刻な問題がありました。
いずれにせよ、備蓄米が放出されるなら、売り惜しみしていたコメの価格が落ちる前に今度は早く売り抜けたいと考えるわけですから、ある程度価格は落ち着くのではないかと思います。
コストが急上昇し、数年前の米価では経営が成り立たなかった農家は「この米価なら正直助かる」と本音をもらす一方、これ以上高くなると「コメ離れが起きるのでは」と不安を隠せませんでした。農家や消費者などが納得できるような価格で落ち着くのか、令和の米騒動は次のステージへと入りました。
もちろんそれだけではなく、コメの買い占めに走ったご家庭も多かったですから、一部分はご家庭でストックされているかとも思います。
さらに、米価の高騰により米農家が恩恵を受けているわけではないという。
供給量が少ない中で、生産者がこれまでとは別のルートでコメを流通させていたとしたら…去年まで集まっていた場所にコメが少なくなるのはあり得る話です。
農水大臣が「コメはある」と豪語していましたが、そもそもコメがそこまでなかったとしたら…。本音としては、稲作を減らす減反政策を止めたものの、生産調整という名の減反によるコメ不足の批判を避けたいのでしょうか。
また、藤木専務は「高齢で農家さんが(米作りを)やめられたケースと、主食用から飼料用の転作が進んでいたのと」と指摘する。
不作や災害などでコメ不足に陥っても市場に供給するために備蓄米の仕組みがあるが、これまで農水省は備蓄米の放出に対し、「民間に在庫はあり、放出が必要な状況ではない」と否定的な姿勢を貫いてきた。
「令和の米騒動」とも言われるコメの異常高値が続き、政府は備蓄米21万トン(初回15万トン、状況をみて追加)の放出を決定。江藤拓農林水産大臣は2月18日の閣議後記者会見で「大手スーパーに卸売業者からコメの売却を打診する動きがある」などと「流通の活性化」を強調した。しかし、後手後手に回ってきた政府のこの窮余の一策は本当にカンフル剤として機能するのか。前編に引き続き、千葉県いすみ市の「株式会社新野田ファーム」代表取締役・藤平正一さんら、コメ農家の現場の声を届ける。
この点については異業種の企業や個人の転売が投機的な目的で入っていて、それが関係しているのではないかと言われています。そうした業者がコメの売り惜しみをして市場に出回らないため、“消えたコメ”と呼ばれているわけです。
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