サブスク値上げ 客つなぎとめる策

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サブスク値上げ 客つなぎとめる策
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 サブスク値上げ 客つなぎとめる策

サブスク値上げ 客つなぎとめる策

サブスクは一見すると「毎月(または毎年)の定額課金を得るだけで収益を確保する」ビジネスに映るが、実際は多様な接点で収益を積み上げ、継続的に顧客を満足させる複合モデルである。値上げを行っても、クロスセリングやアップセリングの機会を創出し、「トータルでは得をしている」「ほかのサービスや店舗より総合的にメリットが大きい」と思ってもらえれば、離脱を最小限にとどめられる。

今後、物価上昇が続き、あらゆるサービスの値段が上がる場面が増えていくと予想される。そんな状況だからこそ、サブスク企業は安易な値上げに踏み切るのではなく、値上げを「顧客との関係をより強固にする契機」と捉え、五つの収益接点を最大限に活用していくことが求められる。コストコの年会費改定は、その象徴的な事例といえるのではないだろうか。

ただし、近年はインフレやコンテンツ制作コストの高騰、人件費や物流費の上昇などを背景に、従来のサブスク料金だけでは採算が合わなくなるケースが増えている。Netflixであればオリジナル作品の制作費が、Amazonプライムであれば動画配信やプライム・リーディング、当日・翌日配送など多岐にわたるサービス強化に伴う投資コストがかさんでいる。コストコも例外ではなく、巨大倉庫型店舗を多数運営し、豊富なアイテムをリーズナブルかつ大容量で提供するには相応のコストが必要となるのだ。

東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。経済学博士。主な研究領域は、リテンションマーケティングとデジタルを活用したマーケティング。国内大手広告会社にて消費財メーカーのプロモーションの立案業務に従事したのち、流通のシンクタンクにて小売企業のCRM(顧客管理)業務とプロモーションの効果測定に携わる。その後、城西国際大学を経て現職。現在は、国内の流通・サービス業を中心にリテンションマーケティングにおけるCRM戦略をはじめ、サブスクリプションや店舗DX等のマーケティング支援や研修活動に携わっている。中国のデジタル経済の動向やプラットフォーマーのAIやフィンテックを活用したビジネスを長年にわたり取材し、メディア寄稿や講演、学会での発表を行っている。主な著書に『米中先進事例に学ぶ マーケティングDX』(すばる舎、2022年)、『新時代のマーケティング』(八千代出版、2023年)がある。

サブスクビジネスにおける最大の課題は、継続的な投資コストとユーザー数・満足度とのバランスをどう保つかである。企業側は値上げ分を単純な収益増として捉えるのではなく、その分を新たな価値創造や顧客ロイヤルティー向上へ再投資しなければならない。顧客に「値上げしたけれど、さらに良いサービスを享受できる」と感じさせることができれば、サブスクの魅力は今後も失われることはないだろう。

そのため「値上げすることでサービスの質を維持、向上させる」ことが不可欠という結論に至ったのだ。これは多くのサブスク企業が直面するジレンマであり、実際、NetflixやAmazonプライムといった強力なプラットフォーム企業ですら値上げに踏み切ったのは、コストアップを吸収しきれない事情が背景にあると推察される。

価格が上がると、当然ながら一定数のユーザーや会員が離脱するリスクが高まる。しかし、サブスク型ビジネスの重要なポイントは「継続課金を基軸としながらも、それだけに依存しているわけではない」という点である。

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