フォーエバー21 再び破産手続きへ
アダストリアは国内に約50の自社ブランドを抱え、売上高ではファストリ、しまむらに次ぐ第3位の衣料品小売りだが、フォーエバー21を皮切りにライセンス事業に乗り出し、成長を加速したい考えだ。
(ブルームバーグ): かつてファストファッション文化の一躍を担った「Forever21(フォーエバー21)」は、米国で200店舗余りの閉鎖を準備中だ。米国での同ブランド運営会社が3月にも2度目の破産手続きを開始する見通しだと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
米カジュアル衣料大手のフォーエバー21は29日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。
フォーエバー21のリンダ・チャン取締役副社長は、「会社の将来を確固たるものにするための重要で必要な措置だった。これにより、私たちのビジネスを再構築し、フォーエバー21を転換することが可能になる」と声明で述べた。
ファストファッションでは、中国発の「SHEIN(シーイン)」が台頭し、ファーストリテイリング傘下の「GU(ジーユー)」ブランドも順調に成長している。インフレ高進で消費者の選別の目が厳しくなる中、フォーエバー21が日本に根を張ることができるか注目が集まる。
連邦破産法11条の適用を申請したことで、フォーエバー21の債務の弁済が延期される。同社は事業の一部を売り渡すなどして、経営再建を図る時間を得たことになる。
アダストリアはSHEINやGUと比べられることも多い。だが、R&D本部でクリエイティブディレクターを務める野田源太郎氏はフォーエバー21を「ファストファッションとは全く考えていない」と話す。ファッション性と品質で他社との差別化を狙い、長く着られる服を作りたいと語る。平均単価は4000円前後だという。
フォーエバー21によると、世界的な経営再建のため、既存の貸し手から2億7500万ドル(約297億円)の資金を調達。さらに、新たな資本として7500万ドル(約80億円)を集めたという。
コメント