ユーロ円の戻りと時間帯
今回は世界最大の取引量を誇るユーロ/ドルを中心に、その値動きの特性や今後の方向性について今春までにスポットを当てた特集を組みました。
昨年12月21日にECBが行ったLTRO(longer-term refinancing operations)3年物の資金供給オペは、市場予測を大きく上回る523行のユーロ圏銀行が4891億9100万ユーロを借り入れる結果となりました。これによってECBのバランスシートは急拡大していますが、事実上の量的緩和政策と市場では受け取っています。このLTROというオペは2月にも行われます。タカ派のECB総裁発言とはうらはらに、ECBは利下げと量的緩和策に動いています。金利差とマネーの量という観点から言えば、年前半はユーロ売り基調が続くと思われます。
過去24時間の通貨強弱分析を見ると、直近で最も強い通貨は円、最も弱い通貨はカナダドルです。 円はプラス幅を広げる展開で、この傾向は朝まで継続しました。 ユーロはマイナス幅を緩やかに広げ、夜以降はおおむね安定的に推移しました。
過去24時間の通貨強弱分析を見ると、直近で最も強い通貨はカナダドル、最も弱い通貨はスイスフランです。 円はマイナス圏で大きく上下動し、最終的にマイナスで取引を終えました。 ユーロはゼロ付近で取引され、夜以降はマイナス圏で安定的に推移しました。
過去24時間の相関関係を見ると、ユーロ円と強い相関関係だったのは、ドル円、ポンド円、豪ドル円、ユーロドル、ポンドドルそして豪ドル米ドルです。 その一方、逆相関の関係だった通貨ペアはありませんでした。
また、13-21日移動平均バンド(青の帯)は日足相場の「支持・抵抗ポイント」になることが多く、相場の「押目買いや戻り売りポイント」として使われることもあります。直近のユーロ/ドルの相場を見てみましょう。1月12日の欧州の国債入札の好結果やECB理事会の結果を受けて、ユーロ/ドルは買い戻されています。この戻りのポイントはまず13日移動平均線(赤)の1.2858周辺となります。この水準越えてくるようだと、21日移動平均線(緑)の1.2930周辺まで戻る可能性が出てきます。1.2930以上の戻りはユーロ買い期間に転換します。
現在、為替市場で一番動く通貨はユーロです。昨年12月からユーロの独歩安相場が続いています。ユーロ危機は今年で3年目を迎えますが、今年の前半に危機の正念場を迎えます。ギリシャ危機に始まったユーロ圏の危機は今やユーロ圏全体に波及していますが、2012年前半に「南欧諸国での国債大量償還」というリスクイベントが到来します。この危機に対応する抜本的な対応策が出てくるのか否かによって、ユーロの中・長期的な相場の方向が決まってくるでしょう。
ユーロ円は円高の展開。 昼付近まで方向感なく動いた後、円高に転じました。 円高の動きは本日朝まで継続し、18日終値に比べて円高で取引を終えています。 なお、ユーロ圏で経常収支が発表され、黒字幅が前回値に比べて拡大しました。 この前後の時間帯のユーロ円は円高が進んでいます。 また、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事が発言し、利下げの一時停止または中止に近づいている旨が報じられています。
昨年末から円相場の動きが止まっています。売るにしろ買うにしろ、動かないことには話になりません。2012年も為替相場はユーロを軸に動くでしょう。積極的な投資家は円相場から視点を変えて、動きのあるユーロ相場に取り組んでみるのも面白いのではないでしょうか。
これまでの欧州の危機対応は、市場から催促されては対策を小出しするということの繰り返しになっています。ユーロ共同債などの抜本的な対策が出てこない限り、年前半のユーロ相場は基本的にユーロ売りの相場が続くと思われます。
ユーロ円は往って来いの展開で、やや円安。 午前中から夜にかけて、ユーロ円は円安の展開でした。 この時間帯の円は他の主要通貨に対して弱く、ユーロに対しても同様です。 その後は円高に転じたものの、先週終値を明確に下抜けることはなく、やや円安で取引を終えました。 なお、日本で四半期国内総生産(GDP)が発表され、市場予想比で弱い結果でした。 この時間帯のユーロ円は円安傾向が継続しています。
過去24時間の相関関係を見ると、ユーロ円と強い相関関係だったのは、ドル円、ポンド円そして豪ドル円です。 その一方、逆相関の関係だった通貨ペアはありませんでした。
この局面(ユーロ売り基調相場)では13日と21日の移動平均線が戻り売りのポイントとなりますが、ここで重要なのは13日移動平均線(赤)の動きです。13日移動平均線(赤)が前日の13日移動平均の値を上回った場合には、戻り売りの損失リスクが高くなりますので、戻り売りはやめたほうがよいでしょう。
コメント