豪ドル/円 今日の見通し「豪雇用統計は強すぎた 日本のCPIの結果に注目集まる」2025/2/21

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豪ドル/円 今日の見通し「豪雇用統計は強すぎた 日本のCPIの結果に注目集まる」2025/2/21

【最新号】

短期トレード即効チャージ 豪ドル円

オーストラリアの通貨「豪ドル」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉

豪ドル(AUD)トレードに関わる現在までの相場トピック

・2月20日発表の豪1月雇用統計は、雇用者数が4.40万人の増加と市場予想(2.00万人増)を上回った。失業率は4.1%で予想通り前月(4.0%)から上昇。労働参加率は過去最高となる67.3%だった。

・NY原油先物市場は前営業日比+0.32ドルの1バレル=72.57ドル(2月20日)。

<WTI原油・商品CFDチャートはこちらはこちら>

・2月18日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。政策金利を4.35%から4.10%へ引き下げた。声明では「さらなる政策緩和の見通しについては引き続き慎重である」などと慎重な姿勢を示した。

・2月3日に発表された豪12月小売売上高は前月比-0.1%と市場予想(-0.7%)を上回った。

・1月29日に発表された、豪10-12月期消費物価指数(CPI)は前年比+2.4%(予想:+2.5%、前四半期:+2.8%)で予想以上の鈍化だった。また同CPIトリム平均は前年比+3.2%だった(予想:+3.3%、前四半期:+3.6%)。
豪12月CPIは前年比+2.5%(予想:+2.5%、前月:+2.3%)だった。また、12月CPIトリム平均は+2.7%で前月(+3.2%)から伸びが鈍化した。

今日の豪ドル(AUD)トレード メインシナリオ

豪雇用統計は強すぎた 日本のCPIの結果に注目集まる

RBAは18日に4年3カ月ぶりの利下げを実施した。ただ、労働市場の強さについてはインフレ反発の要因になり得ると警戒していた。昨日発表された豪1月雇用統計は市場予想を上回る強い結果となり、豪ドルは対日本円以外では幅広く買われた。豪ドル/円は日本のインフレ加速懸念と日銀の追加利上げ観測を背景に円が全面高となった影響から、一時2月11日以来となる95.33円前後まで下落する場面も見られた。
本日の豪ドル/円は昨日同様に日本円の動向がカギとなりそうだ。東京時間には日本の1月CPIが発表される。昨日はこのCPIの上振れを警戒した円買いが持ち込まれたと見られているだけに、結果次第で円相場が大きく動くことになりそうだ。その他では、ユーロ圏や英国、米国などの2月製造業購買担当者景気指数(PMI)・速報値が発表される。市場予想では各国(地域)ともに、前月から改善が見込まれている。各国の製造業の景況感の改善は、資源国通貨である豪ドルにとってもプラス材料となり得るため、結果に注目したい。

豪ドル/円 最新チャート分析

今後の注目材料

日米株価動向
08:30 日本1月CPI
ユーロ圏、英、米などの2月製造業PMI

「ぴたんこテクニカル」内「お天気シグナル」の分析結果

外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに晴れ。7時に豪ドル/円のストキャスティクスでシグナルが点灯。

【情報提供:外為どっとコム】

<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>

  • ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
  • ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
  • ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。

お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信

外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました

よって、今日のRBAイベントが短期的な豪ドル売りの要因となっても、リスク資産価格の動向次第では、豪ドル相場の下落幅が限定的となるか、または上昇することが予想される。

欧州通貨と同じく、豪ドルと円は米ドルに対して上昇余地が大きいと考える。豪ドル/米ドルは2024年6月末までに1豪ドル0.76米ドルまで上昇すると予想する。我々の予想は、アジアの良好な経済環境、国内政策、コモディティ価格の回復がプラス材料となり、オーストラリア経済は持ちこたえることができるという見方に基づいている。このためオーストラリア準備銀行(中央銀行)はタカ派姿勢を維持すると考える。ターミナルレート(利上げの最終到達点)は4%を若干上回る水準を予想しており、今年または来年初頭に利下げが行われる可能性は低いと考える。経常収支が黒字のため、財政状態は健全性が高まっている。米国のオーストラリアに対する金利の優位性が低下したことは、投資家が豪ドルの買いポジションを積み増すきっかけとなるものであり、よって豪ドルが上昇するとみている。こうした見方は、リスク資産を選好する市場のセンチメントにも影響される。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

その後の豪ドル/円の下落により、5年MAかい離率も縮小しましたが、なお「上がり過ぎ」圏にあることには変わりなさそうです。その意味では、このような「上がり過ぎ」が是正される中で、2025年は豪ドル/円の下落トレンドが展開する可能性が高いと考えています。

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

豪ドル/米ドルがこのサポートポイント(0.63650レベル)をも完全に下方ブレイクする場合は、0.6300のトライを想定しておきたい。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。

強気の地合いに傾く豪ドル円 豪ドル円(AUD/JPY)は現在、円安トレンドにサポートされ短期レジスタンスライン(トライアングルの上限)を突破している。3月24日の安値86.06レベルを起点とした短期サポートラインや21日MA(今日現在94.03レベル)を維持している状況も考えるならば、豪ドル円は強気の地合いに傾いている。この点はMACDの動きも示唆している。

今日のRBAイベントが豪ドル売りの要因となっても、日米の株式が上昇トレンドを維持する場合、豪ドル円の下落は短期かつ限定的となることが予想される。

豪ドル関連に投資する上で、しっかり確認しておきたいリスク要因は、「財政引き締め」「新興国経済の落ち込み」「一段の利下げ懸念」「資源価格の下落」「世界的な天候不安」などが挙げられます。

上昇局面でのチャートポイント 一方、豪ドル/米ドルの上昇局面では、上で述べた0.6520レベルの突破が焦点となろう。だが、この水準を突破しても、0.6520レベルと同じくサポートからレジスタンスへの転換が確認されている0.6600レベルの上方ブレイクに成功しない限り、豪ドル/米ドルの下値トライを意識する状況が続くと予想する。

豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

豪ドルについては、オーストラリアの国際収支の黒字と中銀のタカ派姿勢維持の見通しを勘案すると、売られ過ぎと我々は見ている。よって、豪ドルは、特に成長重視の投資家には魅力的と考える。また、リスクオフの市場環境では、豪ドルが上昇する可能性は低いだろう。

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