執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2025年2月21日 14時20分
日銀巡る思惑が継続、米PCEも下押し材料となるか
米ドル/円、149円台へ低下
米ドル/円は週明けに151.232円まで売りが先行した後に、ショートカバーから152.310円までの戻りを試しましたが、見通しへの不透明感もあって、上昇の勢いは限定。その後、日銀の追加利上げ前倒しへの思惑で円債利回りが1.45%台まで上昇すると、米ドル/円は149.288円まで下落幅を広げました。同水準からは、植田日銀総裁が、長期金利が急激に上昇した場合は、機動的に国債買い入れを実施する考えを示すと、150.740円まで急騰するなど荒い値動きとなる場面もありました。
(各レート水準は執筆時点のもの)
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
日10年金利、1.5%台で定着できるのか?
日銀の追加利上げを巡っては、OIS市場(オーバーナイト・インデックス・スワップ)における利上げ織り込みでは、6月利上げがコンセンサスとなり、これまでの7月から前倒し気味の見方になっています。賃上げのモメンタムは着実に広がっているほか、高田日銀審議委員が「一段のギアシフトを進める局面だ」と発言していることなどが、日銀の追加利上げ期待を高めている様子です。来週発表される企業向けサービス価格指数や東京都区部CPIが高めに出るようなら、もう一段円が上昇する可能性はあります。ただ、1.4%台へ上昇している10年債利回りが1.5%台で定着することは現時点で正当化されないと思われ、円高の持続性には少し疑問があります。
経済指標では米国でFRBが金融政策を決定する際に重視する個人消費支出(PCE)が発表されます。12日に発表された消費者物価指数はインフレ再燃を予感させる内容でしたが、13日に発表された卸売物価指数のうち、航空運賃やポートフォリオ管理費、外来医療費など、PCE算出に用いられる分野の価格低下で、CPI後のインフレ再燃懸念を和らげるデータが示されるとの見方が優勢です。これらを踏まえると、短期的には米ドル/円は上値の重さは払しょくされにくく、上値の重い展開が続きやすいのではないかと、考えています。リスクとしては、投資家の視線が下向きかけていますので、予想に反して、本邦インフレ指標が冴えない結果となった場合や、米PCEが強めに出てインフレ再燃が意識されたときは、米ドル/円はトランプ関税も燃料になり、反応が大きく出る危険はあります。
上値の重さ継続(テクニカル分析)
米ドル/円は、短期トレンドラインが揃って下向きになり地合いは悪化しています。昨年12月3日安値の148.644円が目先の支持線として機能するのかどうかが着目されます。ここを割り込んでくれば、レンジがもう一段切り下がり、140.00-145.00円のレンジへ突入していきそうです。現状の水準から、戻りを試した場合は200日移動平均線が推移する152.60円レベルを上抜け出来るか先ずは注目されますが、153.75円レベルには日足一目の雲下も控えているため、152円半ばからは上値の重さが意識され始めるのではないかと、考えています。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:148.000-153.000
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一言コメント
言い分は色々とあるのでしょうけど、ウクライナのゼレンスキー大統領を「独裁者」扱いするのはさすがにすごいと感じます。王冠をかぶった彼の写真を見て「○○の王様」といった言葉が頭の中に浮かびました。
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来週の為替予想 米ドル 円
2028年4月のドル円見通し。当月始値 176.51、最低 173.94、当月最高 179.24。平均 176.57。月末 176.59。変更 0.0%。
2026年8月のドル円見通し。当月始値 147.20、最低 147.20、当月最高 153.36。平均 149.71。月末 151.09。変更 2.6%。
2026年4月のドル円見通し。当月始値 148.53、最低 148.53、当月最高 155.28。平均 151.33。月末 152.99。変更 3.0%。
ほとんどの国家は赤字で運営しています。けれども、対外債務が増えると、投資家に懸念を与えます。莫大な対外債務と公的債務がインフレを加速させています。過去20〜30年間のドル/円相場の変動は、両国のうち、どちらかが借入を増や したか、あるいは赤字予算を削減したことに起因しています。
その一方で、様々なリスクやマーケット変動に伴い、ドルに対する優劣も変わります。円はドルよりも安全だと考えられています。
2026年5月のドル円予想。当月始値 152.99、最低 146.17、当月最高 152.99。平均 150.14。月末 148.40。変更 -3.0%。
ドル 円 リアルタイム。
最新のドル円為替レート 152.25円。日の範囲の 152.02 - 153.15円。前日 152.79円。前日比 -0.35%。
2026年6月のドル円見通し。当月始値 148.40、最低 142.82、当月最高 148.40。平均 146.15。月末 144.99。変更 -2.3%。
2027年8月のドル円見通し。当月始値 158.64、最低 158.64、当月最高 165.85。平均 161.63。月末 163.40。変更 3.0%。
2026年2月のドル円見通し。当月始値 144.19、最低 143.21、当月最高 147.57。平均 145.09。月末 145.39。変更 0.8%。
2028年5月のドル円予想。当月始値 176.59、最低 176.59、当月最高 182.02。平均 178.63。月末 179.33。変更 1.6%。
10年後の2010年、日本のインフレ率は0.72%まで上昇しましたが、米国は1.64%にまで下がっています。ドル/円相場は1ドル87.78円まで下落しました。現在のインフレ率は、日本0.23%、米国0.62%、ドル/円相場は 107円となっています。このことから言えることは、インフレ率は為替レートに影響を与えるものの、それ以外の様々な要因も関係していることを明らかにしています。
2028年9月のドル円予想。当月始値 184.74、最低 182.53、当月最高 188.09。平均 185.17。月末 185.31。変更 0.3%。
2027年3月のドル円予想。当月始値 160.50、最低 160.50、当月最高 167.80。平均 163.53。月末 165.32。変更 3.0%。
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